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ありふれた日常で
レイラン
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私が生まれた時には、既に王家には次の王となる兄が存在した。
その兄にも跡取りに恵まれていた為、私の存在は王宮で危うい物となったのだ。
兄は私を守る為、クロムウェル公爵家に娘が出来るとアリスティアの婚約者として、密かに算段を付けていた。
公にできるまで外国にいた方が安全だと言うことで、隣国に留学することにした。
アリスティアとは時々王妃殿下の使いという名目で、こっそり会いに行くように指示されている。
アリスティアは人見知りする子なので、馴らすための訓練のようなものだと認識していた。
彼女がデビュタントを迎えたあの日。
年の離れた妹の様な存在だった彼女は、いつの間にか私の心を鷲掴みしていた。
私を覚えているかと話し掛けようとした途端、駆け出して逃げ出した。
掴もうと手を伸ばしたが、一緒に来ていた義父上に邪魔され、後に残ったのは彼女が履いていた片方の靴だけだった。
今も返しそびれた靴を持っている事はアリスティアには内緒だ。
「お父様?この片方しかない靴はなんですの?」
「ああ、これは私の初恋の『午前0時のシンデレラ』と呼ばれた人のものだよ」
「え、あのお伽噺の?そんな人がいるんですか?」
「ふふ、いるよ。直ぐ傍に、レティシアもよく知っている人だよ」
「一体、誰なんですか」
「ほら、あそこでレティの双子の世話をしている美しい人だよ」
「お…お母様なんですか!!」
娘は大きな美しい母親譲りの碧の瞳を輝かせて私の方を見つめている。
「しーっ、これは内緒だよ。レティと私だけの秘密だ。誰にも言ってはいけないよ」
そう、娘の口に指を当てて約束した。
でも、次の日の朝、娘は朝食の席で、大声で家族みんなの前で、その事を暴露する。
内緒の意味が解っていなかったらしい。
後できちんと教えなければと思いつつ、照れて頭をかく私に息子三人が
「へー、意外ですね。父上にはそんな感情ないのかと思いました」
と言われたことはかなりショックだった。
そんな風に思われているなんて、私のアリスティアへの愛情が足りなかったのだろうか?
アリスティアの方を見ると、赤く染まった顔を背けながら、聞かないふりをしようとしている。
ああ、昔から彼女のあの仕種が堪らない。
この分だとまた子供が増えそうな予感がする。
そんなありふれた日常が始まった。
その兄にも跡取りに恵まれていた為、私の存在は王宮で危うい物となったのだ。
兄は私を守る為、クロムウェル公爵家に娘が出来るとアリスティアの婚約者として、密かに算段を付けていた。
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アリスティアは人見知りする子なので、馴らすための訓練のようなものだと認識していた。
彼女がデビュタントを迎えたあの日。
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私を覚えているかと話し掛けようとした途端、駆け出して逃げ出した。
掴もうと手を伸ばしたが、一緒に来ていた義父上に邪魔され、後に残ったのは彼女が履いていた片方の靴だけだった。
今も返しそびれた靴を持っている事はアリスティアには内緒だ。
「お父様?この片方しかない靴はなんですの?」
「ああ、これは私の初恋の『午前0時のシンデレラ』と呼ばれた人のものだよ」
「え、あのお伽噺の?そんな人がいるんですか?」
「ふふ、いるよ。直ぐ傍に、レティシアもよく知っている人だよ」
「一体、誰なんですか」
「ほら、あそこでレティの双子の世話をしている美しい人だよ」
「お…お母様なんですか!!」
娘は大きな美しい母親譲りの碧の瞳を輝かせて私の方を見つめている。
「しーっ、これは内緒だよ。レティと私だけの秘密だ。誰にも言ってはいけないよ」
そう、娘の口に指を当てて約束した。
でも、次の日の朝、娘は朝食の席で、大声で家族みんなの前で、その事を暴露する。
内緒の意味が解っていなかったらしい。
後できちんと教えなければと思いつつ、照れて頭をかく私に息子三人が
「へー、意外ですね。父上にはそんな感情ないのかと思いました」
と言われたことはかなりショックだった。
そんな風に思われているなんて、私のアリスティアへの愛情が足りなかったのだろうか?
アリスティアの方を見ると、赤く染まった顔を背けながら、聞かないふりをしようとしている。
ああ、昔から彼女のあの仕種が堪らない。
この分だとまた子供が増えそうな予感がする。
そんなありふれた日常が始まった。
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