16 / 61
男達の内緒話
しおりを挟む
墓地の墓標を眺めながら、佇んでいると後ろから声がした。
「やっぱりここにいたのか」
振り替えると懐かしい二人がいた。
「まあな、出発する前の別れの挨拶っていう奴だよ」
「君でも感傷に浸る事があるのか?何だか似合わないよ。気持ち悪いから」
「相変わらず酷い奴だな。アンドレ」
「ハハ、そう言うなよ。王宮では、お互い軽口なんか叩けない立場だろ」
「まあな、クリーク宰相閣下」
「止せよ、茶化すな。ウィストン」
「本当、変わらないよな。ウィストンは、羨ましいよ。何にも縛られない生き方を選んで、今も自由だ」
「まあ、アンドレ。仕方がなかったんだ。そんな風に言うのは止めろ」
「ふん、分かっているさ。あの事件で、ウィストンがどれだけの苦痛を味わったか。俺達は知っている」
「世の中には、どうにもならない事もある、あれもその一つだ。」
「まあね。そうだ、セドリック君の娘の結婚が決まったそうだね。おめでとう。王太子殿下がお相手だろう。また妬まれるね」
「仕方がない、どうしても我が家の娘がお望みらしい。何度もお断りしたのだが」
「ハハ、本当は、彼女の娘が欲しかったんだろう。本当に親子揃って、どうしようもないなあ」
「でも、彼女の娘は、辺境伯が手に入れた」
「ああ、手の者から幸せに暮らしていると」
「本題に入ろうか。今回、何をしに辺境迄、出向くんだ。セドリック、ウィストン、只の視察じゃあ無いだろう。」
「実は、ウィストンが帰国したら、辺境伯爵家に来てほしいと懇願されたんだ。彼処の影は、代々優秀な者ばかりだ。こちらの思惑等、お見通しなのだろう」
「凄いね。彼は確かまだ28だろう。君達に匹敵する位なんて、怖いね」
「だからこその縁談だ。祖父や父親とは違う。飢えた狼の様な男だ。昔から賢しい、生意気な赤毛の小僧だったよ」
「ウィストン、君が認める程なのか」
「陛下も王女を宛がって、辺境を中央に取り込みたかったのだが、逆に先手を打たれた。隣国の縁談には、彼が裏で手を回した様だ。どうしてもヴィオレットの娘が欲しかった様だ」
「へぇ、宰相の君より先を見越せるのか。辺境に置いておくのは持ったいない気もするけど、逆にその方が安全かもな」
「赤毛の小僧の首に鈴を付けるのは、ジョゼフィーネの役割だ。あの溺愛ぶりなら、くだらない野心等持たないだろう」
「まあ、辺境伯爵家の強さは代々異常な程だし、彼らに憧れて向こうに留まる兵が近年多い、あの人もそうだろう?」
「ああ、先代当主を崇拝して、近衛騎士には、戻らないと断られた。惜しい人を取られたよ。彼を尊敬している騎士が、当時、皆挙って辺境に行ったから今では、王都の守りが薄くなる一方だ」
「今回の目的は、辺境伯にある打診があって、話し合いの場を設けたんだ。今後の為にね。辺境はこれからの王国にとって重要になってくる」
「まあ、ヴィオレットの娘なら、賢いだろう。上手く辺境伯の手綱を握ってくれるよ」
「そうなる事を祈るだけだ」
アンドレは、王宮へ足を向け、その場を後にした。
あの18年前に一度会った【赤毛の小僧】エルリック・ブラックボンド、彼は今、どんな青年になったのかと、思いを馳せながら、セドリックとウィストンは、辺境地に向かった
「やっぱりここにいたのか」
振り替えると懐かしい二人がいた。
「まあな、出発する前の別れの挨拶っていう奴だよ」
「君でも感傷に浸る事があるのか?何だか似合わないよ。気持ち悪いから」
「相変わらず酷い奴だな。アンドレ」
「ハハ、そう言うなよ。王宮では、お互い軽口なんか叩けない立場だろ」
「まあな、クリーク宰相閣下」
「止せよ、茶化すな。ウィストン」
「本当、変わらないよな。ウィストンは、羨ましいよ。何にも縛られない生き方を選んで、今も自由だ」
「まあ、アンドレ。仕方がなかったんだ。そんな風に言うのは止めろ」
「ふん、分かっているさ。あの事件で、ウィストンがどれだけの苦痛を味わったか。俺達は知っている」
「世の中には、どうにもならない事もある、あれもその一つだ。」
「まあね。そうだ、セドリック君の娘の結婚が決まったそうだね。おめでとう。王太子殿下がお相手だろう。また妬まれるね」
「仕方がない、どうしても我が家の娘がお望みらしい。何度もお断りしたのだが」
「ハハ、本当は、彼女の娘が欲しかったんだろう。本当に親子揃って、どうしようもないなあ」
「でも、彼女の娘は、辺境伯が手に入れた」
「ああ、手の者から幸せに暮らしていると」
「本題に入ろうか。今回、何をしに辺境迄、出向くんだ。セドリック、ウィストン、只の視察じゃあ無いだろう。」
「実は、ウィストンが帰国したら、辺境伯爵家に来てほしいと懇願されたんだ。彼処の影は、代々優秀な者ばかりだ。こちらの思惑等、お見通しなのだろう」
「凄いね。彼は確かまだ28だろう。君達に匹敵する位なんて、怖いね」
「だからこその縁談だ。祖父や父親とは違う。飢えた狼の様な男だ。昔から賢しい、生意気な赤毛の小僧だったよ」
「ウィストン、君が認める程なのか」
「陛下も王女を宛がって、辺境を中央に取り込みたかったのだが、逆に先手を打たれた。隣国の縁談には、彼が裏で手を回した様だ。どうしてもヴィオレットの娘が欲しかった様だ」
「へぇ、宰相の君より先を見越せるのか。辺境に置いておくのは持ったいない気もするけど、逆にその方が安全かもな」
「赤毛の小僧の首に鈴を付けるのは、ジョゼフィーネの役割だ。あの溺愛ぶりなら、くだらない野心等持たないだろう」
「まあ、辺境伯爵家の強さは代々異常な程だし、彼らに憧れて向こうに留まる兵が近年多い、あの人もそうだろう?」
「ああ、先代当主を崇拝して、近衛騎士には、戻らないと断られた。惜しい人を取られたよ。彼を尊敬している騎士が、当時、皆挙って辺境に行ったから今では、王都の守りが薄くなる一方だ」
「今回の目的は、辺境伯にある打診があって、話し合いの場を設けたんだ。今後の為にね。辺境はこれからの王国にとって重要になってくる」
「まあ、ヴィオレットの娘なら、賢いだろう。上手く辺境伯の手綱を握ってくれるよ」
「そうなる事を祈るだけだ」
アンドレは、王宮へ足を向け、その場を後にした。
あの18年前に一度会った【赤毛の小僧】エルリック・ブラックボンド、彼は今、どんな青年になったのかと、思いを馳せながら、セドリックとウィストンは、辺境地に向かった
34
あなたにおすすめの小説
【4話完結】 君を愛することはないと、こっちから言ってみた
紬あおい
恋愛
皇女にべったりな護衛騎士の夫。
流行りの「君を愛することはない」と先に言ってやった。
ザマアミロ!はあ、スッキリした。
と思っていたら、夫が溺愛されたがってる…何で!?
女性執事は公爵に一夜の思い出を希う
石里 唯
恋愛
ある日の深夜、フォンド公爵家で女性でありながら執事を務めるアマリーは、涙を堪えながら10年以上暮らした屋敷から出ていこうとしていた。
けれども、たどり着いた出口には立ち塞がるように佇む人影があった。
それは、アマリーが逃げ出したかった相手、フォンド公爵リチャードその人だった。
本編4話、結婚式編10話です。
唯一の味方だった婚約者に裏切られ失意の底で顔も知らぬ相手に身を任せた結果溺愛されました
ララ
恋愛
侯爵家の嫡女として生まれた私は恵まれていた。優しい両親や信頼できる使用人、領民たちに囲まれて。
けれどその幸せは唐突に終わる。
両親が死んでから何もかもが変わってしまった。
叔父を名乗る家族に騙され、奪われた。
今では使用人以下の生活を強いられている。そんな中で唯一の味方だった婚約者にまで裏切られる。
どうして?ーーどうしてこんなことに‥‥??
もう嫌ーー
世界で1番幸せな私~イケメン御曹司の一途で情熱的な溺愛に包まれて~
けいこ
恋愛
付き合っていた彼に騙され、借金を追った双葉。
それでも前を向こうと、必死にもがいてた。
そんな双葉に声をかけてくれたのは、とてつもなくイケメンで、高身長、スタイル抜群の男性――
常磐グループの御曹司 常磐 理仁だった。
夢みたいな展開に心は踊るのに……
一途に愛をくれる御曹司を素直に受け入れられずに、双葉は離れることを選んだ。
つらい家庭環境と将来の夢。
そして、可愛い我が子――
様々な思いが溢れ出しては絡まり合う複雑な毎日。
周りとの人間関係にも大いに悩みながら、双葉は愛する人との幸せな未来を手に入れることができるのか……
松雪 双葉(まつゆき ふたば)26歳
✕
常磐 理仁(ときわ りひと)30歳
聖女でしたが国に使い捨てされたので、代わりに魔王にざまぁしてもらいました。
柿崎まつる
恋愛
癒しの聖女として国に仕えるエルヴィーラ。死ぬまで搾取された彼女が次に目を覚ましたのは敵であるはずの魔王の居城だった。ドアマット聖女が超絶美形の魔王に溺愛されて幸せになる話。気持ちちょろっとグロあります。苦手な方は閲覧にご注意ください。ムーンライトノベルズにも掲載しています。
【R18】愛され総受け女王は、20歳の誕生日に夫である美麗な年下国王に甘く淫らにお祝いされる
奏音 美都
恋愛
シャルール公国のプリンセス、アンジェリーナの公務の際に出会い、恋に落ちたソノワール公爵であったルノー。
両親を船の沈没事故で失い、突如女王として戴冠することになった間も、彼女を支え続けた。
それから幾つもの困難を乗り越え、ルノーはアンジェリーナと婚姻を結び、単なる女王の夫、王配ではなく、自らも執政に取り組む国王として戴冠した。
夫婦となって初めて迎えるアンジェリーナの誕生日。ルノーは彼女を喜ばせようと、画策する。
束縛婚
水無瀬雨音
恋愛
幼なじみの優しい伯爵子息、ウィルフレッドと婚約している男爵令嬢ベルティーユは、結婚を控え幸せだった。ところが社交界デビューの日、ウィルフレッドをライバル視している辺境伯のオースティンに出会う。翌日ベルティーユの屋敷を訪れたオースティンは、彼女を手に入れようと画策し……。
清白妙様、砂月美乃様の「最愛アンソロ」に参加しています。
鉄壁騎士様は奥様が好きすぎる~彼の素顔は元聖女候補のガチファンでした~
二階堂まや♡電書「騎士団長との~」発売中
恋愛
令嬢エミリアは、王太子の花嫁選び━━通称聖女選びに敗れた後、家族の勧めにより王立騎士団長ヴァルタと結婚することとなる。しかし、エミリアは無愛想でどこか冷たい彼のことが苦手であった。結婚後の初夜も呆気なく終わってしまう。
ヴァルタは仕事面では優秀であるものの、縁談を断り続けていたが故、陰で''鉄壁''と呼ばれ女嫌いとすら噂されていた。
しかし彼は、戦争の最中エミリアに助けられており、再会すべく彼女を探していた不器用なただの追っかけだったのだ。内心気にかけていた存在である''彼''がヴァルタだと知り、エミリアは彼との再会を喜ぶ。
そして互いに想いが通じ合った二人は、''三度目''の夜を共にするのだった……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる