17 / 61
変わったお客様
しおりを挟む
朝から、侍女や従僕らが目まぐるしく働いてる。今日は、王都から客人が来日するからだ。
ヒヒーンー、馬の嘶きと蹄の音が聞こえると、門番からの連絡で客人が来たと連絡を受けた。二頭立ての馬車から降りて来たのは、二人長身の男性達だった。
出迎えた侍女達からグッと親指を立てて、満面の笑みが溢れた。逆に、男達はガックリ項垂れた。実に分かりやすすぎる反応だ。
これで辺境地は、大丈夫なのかと心配になる。さてさて、それはおいといて
【ナイスミドル!】
とでも聞こえてきそうな美貌の男達だ。一人は、威厳に満ちた雰囲気を漂わせて、もう一人は優男風に見えるが油断できない目をしていた。
「お越し頂き光栄に思います。クリーク公爵閣下。ダンドーラ侯爵様。長旅でさぞやお疲れでしょう。まずはお屋敷迄ご案内しますわ」
「おや、出迎えはジョゼフィーネだけかい?辺境伯は…」
「それに関しては、僭越ながら私がお答えします。」
口を挟んだのは、家令のモーリスだった。
「昨夜から森で小規模なスタンピードが発生しまして、その対処に出向いております」
「久しぶりですね。モーリスさん」
「お知り合いなのですか?」
ジョゼフィーネの問いに答えたのは
「そうだよ。彼とは王都の騎士団にいた頃からの付き合いなんだよ。ジョゼ、初めまして、私のお姫様」
お道化た仕草で、ジョゼフィーネの手に口付けを落としたのは、ダンドーラ侯爵たった。
すると後ろから、悲鳴や叫び声が聞こえ、次々と従者達が門から逃げている。
何事かと、振り向くと、満面の笑みを浮かべた辺境伯爵エルリック・ブラックボンドが小型のワイバーンを担いで現れた。
その姿を見た、恭しく頭を下げていた使用人達は、冷や汗を掻きながら
(やらかした!領主様、お願いですから空気を読んで下さい!)
と心の中で呟いていることを知らないエルリックは、
「ようこそお越しくださいました。宰相閣下。お義父上…」
血塗れの姿で挨拶したエルリックにジョゼフィーネが、一喝した。
「エル様、お客様に失礼です!着替えてから挨拶なさってくださいませ!」
「ジョー、ごめん。早く君に会いたくて…昨夜から森で、討伐していたから…」
(やめて、情けない姿を見せないでー貴方、仮にも領主でしょー)
全員、妙な突っ込みをいれていた。
まるで飼い主に叱られている飼い犬の様に項垂れていたエルリックを見て、使用人達は冷や冷やしながらじっと俯いていた。
「プッ」「クククッ」
誰かの吹き出した声が聞こえ、緊張していた空気が和んだ。クリーク公爵は、口に手を当て肩を震わせており、ダンドーラ侯爵はお腹を抱えて笑い出した。
「プッ、赤毛の悪魔の一族も形無しだなぁ」
「ハハハ、あの生意気な赤毛の小僧が、10歳年下のジョゼに…頭が上がらないんだ…ククク」
からかい気味に笑っているダンドーラ侯爵を横目に、クリーク公爵が気を取り直して、
「ジョゼフィーネ、屋敷に案内して貰えるかな?」
「はい、ではどうぞ」
何事も無かったかの様に、クリーク公爵は涼しげな顔で先を促した。
公爵と侯爵は、ジョゼフィーネと共に屋敷へと足を向け歩いていると後ろから
「まっ、待ってジョー、俺も行くー」
悲愴な顔を浮かべてエルリックが叫んでいる声が木霊した。
(もう、領主様、やめてぇー威厳が損なわれるー)
と使用人らは心の中で叫んでいた。
時々、後ろを気にするジョゼフィーネに
「気にしないでいいから」とか「放置して大丈夫だから」と公爵らに納得させられ、急がされていた。
時々、不穏な言葉をエルリックが叫んでいたが、使用人達は聞かなかった事にし、放置する事にした。
相手は、この国の重臣達、何か不手際があってはならないのだ。
ーーこの辺境伯爵家の真の主は、ジョゼフィーネ様、彼女の指示に従おうーーー
と勝手な解釈をして、後に続いた。
ヒヒーンー、馬の嘶きと蹄の音が聞こえると、門番からの連絡で客人が来たと連絡を受けた。二頭立ての馬車から降りて来たのは、二人長身の男性達だった。
出迎えた侍女達からグッと親指を立てて、満面の笑みが溢れた。逆に、男達はガックリ項垂れた。実に分かりやすすぎる反応だ。
これで辺境地は、大丈夫なのかと心配になる。さてさて、それはおいといて
【ナイスミドル!】
とでも聞こえてきそうな美貌の男達だ。一人は、威厳に満ちた雰囲気を漂わせて、もう一人は優男風に見えるが油断できない目をしていた。
「お越し頂き光栄に思います。クリーク公爵閣下。ダンドーラ侯爵様。長旅でさぞやお疲れでしょう。まずはお屋敷迄ご案内しますわ」
「おや、出迎えはジョゼフィーネだけかい?辺境伯は…」
「それに関しては、僭越ながら私がお答えします。」
口を挟んだのは、家令のモーリスだった。
「昨夜から森で小規模なスタンピードが発生しまして、その対処に出向いております」
「久しぶりですね。モーリスさん」
「お知り合いなのですか?」
ジョゼフィーネの問いに答えたのは
「そうだよ。彼とは王都の騎士団にいた頃からの付き合いなんだよ。ジョゼ、初めまして、私のお姫様」
お道化た仕草で、ジョゼフィーネの手に口付けを落としたのは、ダンドーラ侯爵たった。
すると後ろから、悲鳴や叫び声が聞こえ、次々と従者達が門から逃げている。
何事かと、振り向くと、満面の笑みを浮かべた辺境伯爵エルリック・ブラックボンドが小型のワイバーンを担いで現れた。
その姿を見た、恭しく頭を下げていた使用人達は、冷や汗を掻きながら
(やらかした!領主様、お願いですから空気を読んで下さい!)
と心の中で呟いていることを知らないエルリックは、
「ようこそお越しくださいました。宰相閣下。お義父上…」
血塗れの姿で挨拶したエルリックにジョゼフィーネが、一喝した。
「エル様、お客様に失礼です!着替えてから挨拶なさってくださいませ!」
「ジョー、ごめん。早く君に会いたくて…昨夜から森で、討伐していたから…」
(やめて、情けない姿を見せないでー貴方、仮にも領主でしょー)
全員、妙な突っ込みをいれていた。
まるで飼い主に叱られている飼い犬の様に項垂れていたエルリックを見て、使用人達は冷や冷やしながらじっと俯いていた。
「プッ」「クククッ」
誰かの吹き出した声が聞こえ、緊張していた空気が和んだ。クリーク公爵は、口に手を当て肩を震わせており、ダンドーラ侯爵はお腹を抱えて笑い出した。
「プッ、赤毛の悪魔の一族も形無しだなぁ」
「ハハハ、あの生意気な赤毛の小僧が、10歳年下のジョゼに…頭が上がらないんだ…ククク」
からかい気味に笑っているダンドーラ侯爵を横目に、クリーク公爵が気を取り直して、
「ジョゼフィーネ、屋敷に案内して貰えるかな?」
「はい、ではどうぞ」
何事も無かったかの様に、クリーク公爵は涼しげな顔で先を促した。
公爵と侯爵は、ジョゼフィーネと共に屋敷へと足を向け歩いていると後ろから
「まっ、待ってジョー、俺も行くー」
悲愴な顔を浮かべてエルリックが叫んでいる声が木霊した。
(もう、領主様、やめてぇー威厳が損なわれるー)
と使用人らは心の中で叫んでいた。
時々、後ろを気にするジョゼフィーネに
「気にしないでいいから」とか「放置して大丈夫だから」と公爵らに納得させられ、急がされていた。
時々、不穏な言葉をエルリックが叫んでいたが、使用人達は聞かなかった事にし、放置する事にした。
相手は、この国の重臣達、何か不手際があってはならないのだ。
ーーこの辺境伯爵家の真の主は、ジョゼフィーネ様、彼女の指示に従おうーーー
と勝手な解釈をして、後に続いた。
27
あなたにおすすめの小説
【4話完結】 君を愛することはないと、こっちから言ってみた
紬あおい
恋愛
皇女にべったりな護衛騎士の夫。
流行りの「君を愛することはない」と先に言ってやった。
ザマアミロ!はあ、スッキリした。
と思っていたら、夫が溺愛されたがってる…何で!?
女性執事は公爵に一夜の思い出を希う
石里 唯
恋愛
ある日の深夜、フォンド公爵家で女性でありながら執事を務めるアマリーは、涙を堪えながら10年以上暮らした屋敷から出ていこうとしていた。
けれども、たどり着いた出口には立ち塞がるように佇む人影があった。
それは、アマリーが逃げ出したかった相手、フォンド公爵リチャードその人だった。
本編4話、結婚式編10話です。
唯一の味方だった婚約者に裏切られ失意の底で顔も知らぬ相手に身を任せた結果溺愛されました
ララ
恋愛
侯爵家の嫡女として生まれた私は恵まれていた。優しい両親や信頼できる使用人、領民たちに囲まれて。
けれどその幸せは唐突に終わる。
両親が死んでから何もかもが変わってしまった。
叔父を名乗る家族に騙され、奪われた。
今では使用人以下の生活を強いられている。そんな中で唯一の味方だった婚約者にまで裏切られる。
どうして?ーーどうしてこんなことに‥‥??
もう嫌ーー
世界で1番幸せな私~イケメン御曹司の一途で情熱的な溺愛に包まれて~
けいこ
恋愛
付き合っていた彼に騙され、借金を追った双葉。
それでも前を向こうと、必死にもがいてた。
そんな双葉に声をかけてくれたのは、とてつもなくイケメンで、高身長、スタイル抜群の男性――
常磐グループの御曹司 常磐 理仁だった。
夢みたいな展開に心は踊るのに……
一途に愛をくれる御曹司を素直に受け入れられずに、双葉は離れることを選んだ。
つらい家庭環境と将来の夢。
そして、可愛い我が子――
様々な思いが溢れ出しては絡まり合う複雑な毎日。
周りとの人間関係にも大いに悩みながら、双葉は愛する人との幸せな未来を手に入れることができるのか……
松雪 双葉(まつゆき ふたば)26歳
✕
常磐 理仁(ときわ りひと)30歳
聖女でしたが国に使い捨てされたので、代わりに魔王にざまぁしてもらいました。
柿崎まつる
恋愛
癒しの聖女として国に仕えるエルヴィーラ。死ぬまで搾取された彼女が次に目を覚ましたのは敵であるはずの魔王の居城だった。ドアマット聖女が超絶美形の魔王に溺愛されて幸せになる話。気持ちちょろっとグロあります。苦手な方は閲覧にご注意ください。ムーンライトノベルズにも掲載しています。
【R18】愛され総受け女王は、20歳の誕生日に夫である美麗な年下国王に甘く淫らにお祝いされる
奏音 美都
恋愛
シャルール公国のプリンセス、アンジェリーナの公務の際に出会い、恋に落ちたソノワール公爵であったルノー。
両親を船の沈没事故で失い、突如女王として戴冠することになった間も、彼女を支え続けた。
それから幾つもの困難を乗り越え、ルノーはアンジェリーナと婚姻を結び、単なる女王の夫、王配ではなく、自らも執政に取り組む国王として戴冠した。
夫婦となって初めて迎えるアンジェリーナの誕生日。ルノーは彼女を喜ばせようと、画策する。
束縛婚
水無瀬雨音
恋愛
幼なじみの優しい伯爵子息、ウィルフレッドと婚約している男爵令嬢ベルティーユは、結婚を控え幸せだった。ところが社交界デビューの日、ウィルフレッドをライバル視している辺境伯のオースティンに出会う。翌日ベルティーユの屋敷を訪れたオースティンは、彼女を手に入れようと画策し……。
清白妙様、砂月美乃様の「最愛アンソロ」に参加しています。
鉄壁騎士様は奥様が好きすぎる~彼の素顔は元聖女候補のガチファンでした~
二階堂まや♡電書「騎士団長との~」発売中
恋愛
令嬢エミリアは、王太子の花嫁選び━━通称聖女選びに敗れた後、家族の勧めにより王立騎士団長ヴァルタと結婚することとなる。しかし、エミリアは無愛想でどこか冷たい彼のことが苦手であった。結婚後の初夜も呆気なく終わってしまう。
ヴァルタは仕事面では優秀であるものの、縁談を断り続けていたが故、陰で''鉄壁''と呼ばれ女嫌いとすら噂されていた。
しかし彼は、戦争の最中エミリアに助けられており、再会すべく彼女を探していた不器用なただの追っかけだったのだ。内心気にかけていた存在である''彼''がヴァルタだと知り、エミリアは彼との再会を喜ぶ。
そして互いに想いが通じ合った二人は、''三度目''の夜を共にするのだった……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる