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王都のお客様達
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ジョゼフィーネ達が屋敷に着くと、まず各自の部屋に案内した。
次に滞在予定は一週間程なので、簡単に荷物の整理を指示した後、サロンへ客人を案内した。
サロンで客人をもてなす準備をしていると、エルリックが着替えて入ってきた。
先程、ジョゼフィーネに叱られて気まずいのか。いつもより慎重に距離をジリジリと縮めた。
(あら、エル様は今日はいつもより控えめですね。やっぱり、伯父様やお義父様は怖いのかしら)
と盛大な勘違いをしていた。怖いのは、ジョゼフィーネに嫌われることであって、伯父や義父の事などエルリックにとってどうでも良いのだ。
「あ…あの、ジョー、さっきは済まなかった。つい、いつもの癖で、王都からこんなに早く到着すると思ってなかったし、心配してると思ったから、出来るだけ早く安心させたくて…」
「お気持ちは嬉しいのですが、エル様は辺境伯爵です。少しは自重なさって下さい。それと、私も早くエルリック様に会いたかったです。ご無事で良かったです」
恥ずかしそうに頬を染めながら可愛らしく微笑まれ、エルリックの理性が吹き飛んだ。
ジョゼフィーネを抱き締めて、頬に手をあてその可愛らしい唇に自身の唇が重なろうとした瞬間、ドアの方から「ウホン、ゴホン」と咳払いが聞こえた。
客人の登場である。
「チッ」舌打ちをしてジョゼフィーネの腰に手を回して、
「どうぞ、お掛けください。公爵閣下、侯爵様」
エルリックは、いい雰囲気を邪魔されて不機嫌そうにソファーに腰掛ける事を勧めた。
「やあ、久しぶりだな。エルリック、噂通り、ジョゼフィーネを大切にしているようで、安心したよ」
「ジョゼも幸せそうで、良かった」
「ありがとうございます。伯父様、お義父様」
たわいない雑談が終わり、侍女がジョゼフィーネを呼びに来た。
退出した彼女を横目に、クリーク公爵が本題を切り出した。
「処で、何故我々を辺境に呼んだんだ。理由をそろそろ聞かせてもらいたいのだが?」
「そうですね。そろそろ終わりにしたいので、あの事件のケジメを着けたいのですよ。」
「あの事件とは、19年前のことか?お前は関係無いだろう?」
「確かに今まではね。ジョゼフィーネと結婚した以上、黙っているわけにはいかないのです」
「証拠はあるのか?」
「ええ、もうこちらで押さえています。ただ、相手が相手、だから貴方方の協力必要だ。それにそろそろ、きちんと向き合ったらどうですか。ダンドーラ侯爵いや、ジョゼフィーネの本当の父上様とお呼びすれば宜しいですか?」
「やはり、侮れんな。小僧、全てを知っていたのか」
「ええ、調べはついていますよ。それと、ジョゼフィーネ、ドアの前に立っていないで中に入るといいよ」
「「えっ、ジョゼフィーネ?」」
二人は、ドアの方を見ると、ジョゼフィーネが驚いて顔をして、立っていた。
「どうして、わかったのですか?」
「俺は、人の気配を察知するのは、得意なんだ。ここは辺境だから、色んなお客さんが多いからね。神経を研ぎ澄ましながら生きなくては、守るものも守れないからな」
いつもと違う夫の姿に、ジョゼフィーネは、戸惑いを見せるのだった。
次に滞在予定は一週間程なので、簡単に荷物の整理を指示した後、サロンへ客人を案内した。
サロンで客人をもてなす準備をしていると、エルリックが着替えて入ってきた。
先程、ジョゼフィーネに叱られて気まずいのか。いつもより慎重に距離をジリジリと縮めた。
(あら、エル様は今日はいつもより控えめですね。やっぱり、伯父様やお義父様は怖いのかしら)
と盛大な勘違いをしていた。怖いのは、ジョゼフィーネに嫌われることであって、伯父や義父の事などエルリックにとってどうでも良いのだ。
「あ…あの、ジョー、さっきは済まなかった。つい、いつもの癖で、王都からこんなに早く到着すると思ってなかったし、心配してると思ったから、出来るだけ早く安心させたくて…」
「お気持ちは嬉しいのですが、エル様は辺境伯爵です。少しは自重なさって下さい。それと、私も早くエルリック様に会いたかったです。ご無事で良かったです」
恥ずかしそうに頬を染めながら可愛らしく微笑まれ、エルリックの理性が吹き飛んだ。
ジョゼフィーネを抱き締めて、頬に手をあてその可愛らしい唇に自身の唇が重なろうとした瞬間、ドアの方から「ウホン、ゴホン」と咳払いが聞こえた。
客人の登場である。
「チッ」舌打ちをしてジョゼフィーネの腰に手を回して、
「どうぞ、お掛けください。公爵閣下、侯爵様」
エルリックは、いい雰囲気を邪魔されて不機嫌そうにソファーに腰掛ける事を勧めた。
「やあ、久しぶりだな。エルリック、噂通り、ジョゼフィーネを大切にしているようで、安心したよ」
「ジョゼも幸せそうで、良かった」
「ありがとうございます。伯父様、お義父様」
たわいない雑談が終わり、侍女がジョゼフィーネを呼びに来た。
退出した彼女を横目に、クリーク公爵が本題を切り出した。
「処で、何故我々を辺境に呼んだんだ。理由をそろそろ聞かせてもらいたいのだが?」
「そうですね。そろそろ終わりにしたいので、あの事件のケジメを着けたいのですよ。」
「あの事件とは、19年前のことか?お前は関係無いだろう?」
「確かに今まではね。ジョゼフィーネと結婚した以上、黙っているわけにはいかないのです」
「証拠はあるのか?」
「ええ、もうこちらで押さえています。ただ、相手が相手、だから貴方方の協力必要だ。それにそろそろ、きちんと向き合ったらどうですか。ダンドーラ侯爵いや、ジョゼフィーネの本当の父上様とお呼びすれば宜しいですか?」
「やはり、侮れんな。小僧、全てを知っていたのか」
「ええ、調べはついていますよ。それと、ジョゼフィーネ、ドアの前に立っていないで中に入るといいよ」
「「えっ、ジョゼフィーネ?」」
二人は、ドアの方を見ると、ジョゼフィーネが驚いて顔をして、立っていた。
「どうして、わかったのですか?」
「俺は、人の気配を察知するのは、得意なんだ。ここは辺境だから、色んなお客さんが多いからね。神経を研ぎ澄ましながら生きなくては、守るものも守れないからな」
いつもと違う夫の姿に、ジョゼフィーネは、戸惑いを見せるのだった。
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