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狙われたのは…
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友人達の話を聞けば聞く程、俺は混乱していた。
(何故俺に毒を…)
思い当たる事はあるが、それを口に出すのは憚られた。何故なら、これは王家の重大な秘密だからだ。
「はっきり言った方がわかるだろう」
ルドルフは、言い切った。
「今回、首謀者には手を出せない。王にもだ。下手をすれば、こちらが潰される」
「やっぱり、あの人だと思いました」
「それと狙われたのは、ヴィオレットも同じだ」
そのセドリックの言葉に俺は反応した。
「何故?ヴィオレットが…」
「君の子を身籠っているからさ。堕胎薬を嗅がされた」
「嗅がされた?」
アンドレの言葉に俺は動揺した。
「薬を飲ます事が出来ないから、嗅がしたんだ」
セドリックの言葉の意味は、理解できた。クリーク公爵家は、毒や薬の知識が豊富だ。口にするものには、最善の注意を払っているからだ。
(でも、どうやってあの慎重なヴィオレットに嗅がすことが出来る)
「やったのはロバート・アンサンブルだ。彼とは学園時代からの旧友だ。だから警戒心を解いたのだろう」
「本人は、堕胎薬だと思ってない。何故なら媚薬だからな!」
「えっ、媚薬を嗅がしたのか」
「そうだ!」
吐き捨てる様な声で、苦渋の表情をして、セドリックが言った。
「まあ、妊娠初期に媚薬を嗅がされたら、子が流れるからね」
アンドレが付け加えるように言った。
「子供は、無事なのか?ヴィオレットは」
「落ち着け、ヴィオレットも子供も今のところ大丈夫だ」
ルドルフの言葉で、俺は安堵した。
「だが、社交界でかなり醜聞となった。未婚のヴィオレットがアンサンブル侯爵令息と一夜をあかしたとな。実際は、何もなかったが、噂好きの宮廷雀達は、面白可笑しく騒ぐだろう」
「だから、ヴィオレットはアンサンブル侯爵家に嫁ぐ事になった」
セドリックは、横を向いて俺と目を合わさないで告げた。その顔には、親友に残酷な事を告げる苦悩が見てとれた。
「何故だ!俺の子だぞ!何故そうなる」
唸る俺をルドルフが諭すように言った。
「だからだ。今の俺たちには、あの人に対抗できるだけの力がない。今は我慢しろ。お前が自重していれば、ヴィオレットには、危害が及ばなかったんだ。お前の身勝手で浅はかな行動のせいでこうなったんだ」
「だったら、俺を殺せば良かったんだ。あの時に、そうすればヴィオレットに出会わなかった。愛したりしなかった。生まれて来なければ良かったんだよ。俺は、なあそうだろう。従兄弟殿!」
遂に、俺は自分で最大の禁句を口にした。それは、俺がダンドーラ公爵の実の子ではないと言うことだった。
「そんな風に言わないてくれ。父達も助けたくてした事だ。自分に何も価値がない様な言い方はよせ」
ルドルフは、悲しそうに呟いた。
「はっきり言うけど、僕らは知ってるよ。ウィストン」
アンドレの言葉にセドリックも頷く。
「知っていたのか。なら言ってくれたら良かったのに。俺は誰も巻き込みたくなかった」
俺は、生まれた時からの罪人
【禁断の子供】だった。
(何故俺に毒を…)
思い当たる事はあるが、それを口に出すのは憚られた。何故なら、これは王家の重大な秘密だからだ。
「はっきり言った方がわかるだろう」
ルドルフは、言い切った。
「今回、首謀者には手を出せない。王にもだ。下手をすれば、こちらが潰される」
「やっぱり、あの人だと思いました」
「それと狙われたのは、ヴィオレットも同じだ」
そのセドリックの言葉に俺は反応した。
「何故?ヴィオレットが…」
「君の子を身籠っているからさ。堕胎薬を嗅がされた」
「嗅がされた?」
アンドレの言葉に俺は動揺した。
「薬を飲ます事が出来ないから、嗅がしたんだ」
セドリックの言葉の意味は、理解できた。クリーク公爵家は、毒や薬の知識が豊富だ。口にするものには、最善の注意を払っているからだ。
(でも、どうやってあの慎重なヴィオレットに嗅がすことが出来る)
「やったのはロバート・アンサンブルだ。彼とは学園時代からの旧友だ。だから警戒心を解いたのだろう」
「本人は、堕胎薬だと思ってない。何故なら媚薬だからな!」
「えっ、媚薬を嗅がしたのか」
「そうだ!」
吐き捨てる様な声で、苦渋の表情をして、セドリックが言った。
「まあ、妊娠初期に媚薬を嗅がされたら、子が流れるからね」
アンドレが付け加えるように言った。
「子供は、無事なのか?ヴィオレットは」
「落ち着け、ヴィオレットも子供も今のところ大丈夫だ」
ルドルフの言葉で、俺は安堵した。
「だが、社交界でかなり醜聞となった。未婚のヴィオレットがアンサンブル侯爵令息と一夜をあかしたとな。実際は、何もなかったが、噂好きの宮廷雀達は、面白可笑しく騒ぐだろう」
「だから、ヴィオレットはアンサンブル侯爵家に嫁ぐ事になった」
セドリックは、横を向いて俺と目を合わさないで告げた。その顔には、親友に残酷な事を告げる苦悩が見てとれた。
「何故だ!俺の子だぞ!何故そうなる」
唸る俺をルドルフが諭すように言った。
「だからだ。今の俺たちには、あの人に対抗できるだけの力がない。今は我慢しろ。お前が自重していれば、ヴィオレットには、危害が及ばなかったんだ。お前の身勝手で浅はかな行動のせいでこうなったんだ」
「だったら、俺を殺せば良かったんだ。あの時に、そうすればヴィオレットに出会わなかった。愛したりしなかった。生まれて来なければ良かったんだよ。俺は、なあそうだろう。従兄弟殿!」
遂に、俺は自分で最大の禁句を口にした。それは、俺がダンドーラ公爵の実の子ではないと言うことだった。
「そんな風に言わないてくれ。父達も助けたくてした事だ。自分に何も価値がない様な言い方はよせ」
ルドルフは、悲しそうに呟いた。
「はっきり言うけど、僕らは知ってるよ。ウィストン」
アンドレの言葉にセドリックも頷く。
「知っていたのか。なら言ってくれたら良かったのに。俺は誰も巻き込みたくなかった」
俺は、生まれた時からの罪人
【禁断の子供】だった。
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