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君の中にも
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小さな小瓶を揺らしながら、俺はそれをクリーク公爵に渡した。
「この薬の開発には随分前からやってた。これはクリーク公爵家の為にヴィオレットが行っていた事だ」
「道理で、ジョゼフィーネを寸なり宿せたはずた。普通では考えられない」
「どういう事ですか?伯父様」
「それは…クリーク公爵家の人間は子供を授かるのが難しいのだよ」
「えっ、じゃあお母様は」
「この薬を自分で試していたんだよ。まだ改良途中の試作品をね。そして君を身籠った」
「何故?そんなことをしなくてはいけないのですか?」
「それはね。ジョゼフィーネ、クリーク公爵家の宿命だよ。毒の公爵家と呼ばれているのは知っているだろう?長年の毒の影響で子供が出来にくい体質になっているんだ。私も何とか二人だった。しかもなかなか出来なくて、妻には辛い思いをさせてしまった」
「私もそうなのですね」
「こればかりは仕方の無いことだ。王家に使える身として公爵家は存在するのだから、王族を守る為には必要な事だよ」
「でもジョーは、大丈夫だよ。初夜に俺の魔力石を飲んだだろう。覚えていない?」
ジョゼフィーネは、首を傾げた。
「ほら、こういうの」
俺は、小さな丸い石を見せた。
「あっ、これがそうにですか?」
「そう、これをジョーに飲ませると俺を制御出来るし、俺と交われば俺の魔力に反応して子供も出来る。だから安心して、子供を早く作らなくても暫くは、ジョーを堪能したいから、俺としては今のままでいいかな」
「…」
真っ赤になって俯くジョーの旋毛に唇を落とした。
「話を戻すけど、この妊娠薬と媚薬に共通点があるんだよ。同じ東洋の薬草が使われていて薬草の量によって用途が変わるんだ。つまり毒薬も作れる。殺すのは卵と種だけどね。人を殺せる程の毒ではない。でも妊婦が飲むと流産のショックで死亡する場合もある。ダンドーラ侯爵に使われたのは別の薬草も入っていた。ヴィオレットに使われたのは流産を引き起こす程の強い物だった」
「じゃあ、ヴィオレットはどうやって飲まされたんだ?」
「彼女は飲んだんじゃなくて吸ったんだよ。彼女の部屋に花瓶があった。侍女に扮したあの女が予め用意した花を花瓶に生けたんだろう。花瓶から薬品の臭いが微かにした。花は別の侍女が処分した」
「やっぱり、カーミラ・アンサンブルがやったのか?」
「ああ、もう既に証拠も証人もいるよ。それにアンサンブル侯爵はもう手遅れだ。この媚薬を長く服用すれば麻薬と同じで廃人になる」
「まさか、これをあの男に使っていたのか」
「そうだよ。カーミラが侯爵に飲ませていた。目撃者の話だとカーミラの事をヴィオレットと呼んでいたと」
「そんな…」
ジョゼフィーネは、顔を青くしていた。
他の者も誰も声を出せなかった。幻覚症状を引き起こす程の媚薬を愛する男に飲ませ続ける女の心情に寒気を感じた。
果たしてそれ程まで、あの男が欲しかったのだろうか?
「この薬の開発には随分前からやってた。これはクリーク公爵家の為にヴィオレットが行っていた事だ」
「道理で、ジョゼフィーネを寸なり宿せたはずた。普通では考えられない」
「どういう事ですか?伯父様」
「それは…クリーク公爵家の人間は子供を授かるのが難しいのだよ」
「えっ、じゃあお母様は」
「この薬を自分で試していたんだよ。まだ改良途中の試作品をね。そして君を身籠った」
「何故?そんなことをしなくてはいけないのですか?」
「それはね。ジョゼフィーネ、クリーク公爵家の宿命だよ。毒の公爵家と呼ばれているのは知っているだろう?長年の毒の影響で子供が出来にくい体質になっているんだ。私も何とか二人だった。しかもなかなか出来なくて、妻には辛い思いをさせてしまった」
「私もそうなのですね」
「こればかりは仕方の無いことだ。王家に使える身として公爵家は存在するのだから、王族を守る為には必要な事だよ」
「でもジョーは、大丈夫だよ。初夜に俺の魔力石を飲んだだろう。覚えていない?」
ジョゼフィーネは、首を傾げた。
「ほら、こういうの」
俺は、小さな丸い石を見せた。
「あっ、これがそうにですか?」
「そう、これをジョーに飲ませると俺を制御出来るし、俺と交われば俺の魔力に反応して子供も出来る。だから安心して、子供を早く作らなくても暫くは、ジョーを堪能したいから、俺としては今のままでいいかな」
「…」
真っ赤になって俯くジョーの旋毛に唇を落とした。
「話を戻すけど、この妊娠薬と媚薬に共通点があるんだよ。同じ東洋の薬草が使われていて薬草の量によって用途が変わるんだ。つまり毒薬も作れる。殺すのは卵と種だけどね。人を殺せる程の毒ではない。でも妊婦が飲むと流産のショックで死亡する場合もある。ダンドーラ侯爵に使われたのは別の薬草も入っていた。ヴィオレットに使われたのは流産を引き起こす程の強い物だった」
「じゃあ、ヴィオレットはどうやって飲まされたんだ?」
「彼女は飲んだんじゃなくて吸ったんだよ。彼女の部屋に花瓶があった。侍女に扮したあの女が予め用意した花を花瓶に生けたんだろう。花瓶から薬品の臭いが微かにした。花は別の侍女が処分した」
「やっぱり、カーミラ・アンサンブルがやったのか?」
「ああ、もう既に証拠も証人もいるよ。それにアンサンブル侯爵はもう手遅れだ。この媚薬を長く服用すれば麻薬と同じで廃人になる」
「まさか、これをあの男に使っていたのか」
「そうだよ。カーミラが侯爵に飲ませていた。目撃者の話だとカーミラの事をヴィオレットと呼んでいたと」
「そんな…」
ジョゼフィーネは、顔を青くしていた。
他の者も誰も声を出せなかった。幻覚症状を引き起こす程の媚薬を愛する男に飲ませ続ける女の心情に寒気を感じた。
果たしてそれ程まで、あの男が欲しかったのだろうか?
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