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that day
大輝
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「幸せじゃなかったの?」
紗凪にそう聞かれてどう答えるべきか悩んでしまう。
彼女との生活はそれなりに快適で、【幸せ】か【幸せではなかった】かの選択肢しかないのなら迷わず【幸せ】だったと言えるだろう。
だけどきっと、紗凪が望んでいるのはそんな答えではないのだと感じ、どう答えるべきかと頭を悩ませ言葉を続ける。
「快適だったかな、」
ボクのその言葉に紗凪が傷ついた顔を見せる。そんな顔をさせたいわけじゃないのにどう伝えるべきかが分からない。
「紗凪はどうだったの?
あの人との生活は」
オレの前で楽しそうに貴哉の話をしていたせいか、貴哉との関係が思っていたのと違ったことに対する戸惑いもある。
紗凪がオレにした話はアレを作ってもらった、コレを作ってもらった、あそこに行った、ここに行ったとポジティブな内容ばかりで、昨夜の怯えた様子を連想できるようなことはひとつも無かったように思う。
無意識に隠していたのか、それともひた隠しにしていたのかは分からないけれど、その話を聞く度に逃げた自分を後悔していた程だ。
だから腕を掴んだ時に見せた怯えた表情と、媚びるように誘った様子は信じられないものだったけれど、そう思って考え直せば思い当たる節が無いわけじゃない。
貴哉と付き合うと報告されたあの日、言いにくそうに告げた理由はマイノリティだと告げることに抵抗があったからだと思っていた。学生の頃に付き合っていた相手を知っていたから言いにくかったのだろうと。
もしもあの時に気付けていたら。
それ以前に一緒にこの家で暮らしていた時に紗凪がバイセクシャルだと知っていたらオレたちの関係は今とは違っていただろう。
貴哉と距離が近づいていくことに嫉妬して、その勢いに任せて自分の想いを伝えることができていたかもしれない。
それでもし選ばれなかったとしても色々とその後の関係に変化が出ていたと思う。
もし紗凪がオレを受け入れてくれていたら貴哉との関係を深めることはなかっただろうし、彼女との恋愛を偽装することもなかった。
偽装と言ってしまうと彼女に対して誠実ではなかったことになってしまうけれど、彼女は彼女でオレとの関係が都合が良かった部分もあったのだからどっちもどっちだったのだろう。
だけど、今回のこの馬鹿げた噂がなければ彼女との関係はきっと続いていた。
彼女に紗凪を重ねて始まった関係だったけれど、きっといつかは彼女の中に紗凪を探すこともしなくなり、紗凪への想いを昇華して彼女とは家族になれたのではないかと思っていた。
彼女もきっと同じだったはずだ。
新しいパートナーがいるという彼への未練を昇華して、快適なオレとの生活を送るうちにその想いは変化していっただろう。
オレたちの相性は悪くなかった。
生活スタイルも、性格も、身体も。
だからきっと、その関係が深まれば深まるほどお互いに無理することなく快適な生活を送ることができたはずだと思う。
その関係が彼氏と彼女から夫と妻となり、父と母となり、いずれは祖父と祖母になるそんな未来だってあったはずだ。
そして紗凪と貴哉だってあの噂が無ければ紗羅と交わることなく関係は続いていくはずだった。
貴哉は紗羅に対して未練があったかもしれない。オレと一緒で紗羅を紗凪に重ねて半ば無理矢理に始まった関係だったかもしれないけれど、それでも時間と共にその想いはきっと変化していっただろう。
オレが写真を送ったことで紗羅にその関係は伝わっていたけれど、この噂が無ければふたりの逢瀬の時間を取ることだってできなかったのだから紗羅もまた貴哉に対しての想いを変化させるしかなかったはずだ。
写真を送ってからあの噂が流れ出すまで何も動きはなかったのは動けなかったせいもあるけれど、紗羅にとって即時に動くほどの案件ではなかったからで、即時に動かないのはその想いが薄れてきていたからだろう。
貴哉と別れ、別の男と結婚して、子どもを授かる。
家族ができ、守るものができれば過去の想いなんて取るに足らないものになるのだから。
「貴哉との生活は悪くはなかったかな」
答えを待ちながら思考を巡らせていたオレにそう言った紗凪は、少し目を伏せて言葉を続ける。
「ボクが逆らわなければ優しかったし、大切にしてくれたし」
「逆らわなければって、」
「貴哉は姉さんのことがトラウマになってるんだよ、きっと。
ボクが少しでも逆らおうとすると姉さんみたいにいなくなると思うみたい」
その言葉で紗凪の昨夜の行動が理解できた気がした。
貴哉は自分の元に引き入れるだけでは不安で、力と恐怖と快楽で紗凪を支配したのだろう。繰り返される度に学習し、自分を守るために身につけた無意識の行動。
だから力を込めたオレに恐怖して媚びるようにベッドに誘い、従順であることを示そうとしたのだ。
「それは、暴力とか?」
「殴られたり蹴られたりとか、そんなのは無かったよ。ただ、なんて言うのか、」
言い淀んで顔を赤く染めるのを見て察し、自分の中でどす黒い感情が湧き上がる。順々に従い、宥めるように誘ったのは、その時に当たり前のように『貴哉』と呼んだのはそれが初めてのことではないから。
紗凪の心が離れそうになる度に力で押さえつけ、恐怖で支配して、快楽を与えることで自分に縛り付けたのだろう。
それならば昨夜、正気を失った紗凪に流され彼を抱き、快楽を植え付けて同じように縛りつければ良かったのだろうか。
貴哉のように力でねじ伏せるのではなく、信頼を逆手に取り甘えさせて、溺れさせて、そして離れられなくすればそれがそれが当たり前になるかもしれない。
それに、もしも離れようとしたら閉じ込めるだけだ。
そんなことを考えてしまい、それではやっているのは貴哉と変わらないじゃないかと自嘲する。
「どうするの、戻るの?」
今現在、日付が変わり少し時間が経ったけれど変化もその予兆も無い。このまま何事もなく明日を迎えれば貴哉はこちらに戻ってくるだろう。
あんなふうに顔を赤く染めたのは貴哉に対する好意が捨てきれないせいで、鍵を置いて部屋を出たと言ったけれどそれは貴哉の気持ちを試しているだけなのかもしれない。
連絡を取ることができないように拒否したと口では言っているけれどそれだって嘘かもしれないし、貴哉が本気で紗凪を探そうと思えばふたりの関係を紗凪の家族に伝えて協力を仰ぐことだってできるのだ。
紗凪が戻ってしまったら、日常生活に困らないようにと急いで揃えた寝具や生活用品はあの部屋に残されたままになるのだろうか。
「え、…。
そっか、そうだよね、」
オレの質問に驚いたのか、何か言いたそうなそぶりを見せながらも考え込み「彼女も戻ってくるの?」と見当違いのことを言い出した紗凪は「事務所移転するなら近くに越しちゃダメ?」と困ったように尋ねる。
それは戻らないという意思表示なのかと少しだけ期待する。
この数日の間に紗凪の居場所を作り、この先も一緒に過ごすことを前提に話してきたつもりだったのに、それが伝わっていなかったのかともどかしく思いながら自分の気持ちを伝える。
「彼女は戻ってこないし、事務所移転するなら紗凪の部屋も当然だけど用意するつもりだよ。
紗凪があいつのところに戻るなら止めないけど」
「ボクは戻るつもりはないよ?」
オレの言葉の続きを待たずにそう言った紗凪は「でも、また同じこと繰り返したくないから部屋は別の方がいいと思う」と苦笑いを見せる。
「ボクの実家って両親も祖父母もいたから静かなのが苦手なんだよね。
だからひとり暮らし始めてすぐは淋しくて実家によく電話してたんだけど、はじめは良かったんだけどだんだん鬱陶しがられるようになって、電話できなくなって。
4年間ひとり暮らしだったから慣れはしたんだけど、大輝と一緒なのが当たり前になってたから部屋を探して欲しいって言われた時に戸惑ったんだ」
紗凪の事情を聞かされて実家にあまり帰らない理由が分かったような気がした。紗羅のこともあったのだろうけれど、紗凪の中で鬱陶しいと思われたことが傷になっているのかもしれない。
そう思うとオレが告げた言葉も紗凪を傷付けるのもだったのだと気付き、居た堪れない気持ちになる。
自分はそんなつもりではなかったと伝えたくて、何かを言おうと思うものの余計に傷付けることが怖くて言葉が出てこない。
「だから貴哉に誘われて嬉しかったんだ、淋しい思いをしなくて済むって。
早く部屋を探さないといけないって分かってたけど探すふりして居座って、だから…貴哉にされたことを言い訳にして、流されて。
自業自得なんだよ。
give&take?
居場所を与えてもらったんだから、対価を払えばずっと一緒にいられると思ってたのに。
でも、そんな狡いこと考えてるから要らないって言われるんだよね」
紗凪の一言一言がオレのしてしまったことの重さを伝えてくる。
オレがあの時に紗凪を諦めなければ。
オレがあの時に自分の想いから逃げなければ、こんなにも紗凪を傷付けることはなかったのに。
「オレは、要らないなんて思ってなかったよ」
全ての罪が自分にあるのだと背負い込み、自分を押し殺してでも必要とされたかった紗凪にどうやって伝えたらいいのかと考えて考えて、そして、口から出たのはそんな言葉だった。
紗凪にそう聞かれてどう答えるべきか悩んでしまう。
彼女との生活はそれなりに快適で、【幸せ】か【幸せではなかった】かの選択肢しかないのなら迷わず【幸せ】だったと言えるだろう。
だけどきっと、紗凪が望んでいるのはそんな答えではないのだと感じ、どう答えるべきかと頭を悩ませ言葉を続ける。
「快適だったかな、」
ボクのその言葉に紗凪が傷ついた顔を見せる。そんな顔をさせたいわけじゃないのにどう伝えるべきかが分からない。
「紗凪はどうだったの?
あの人との生活は」
オレの前で楽しそうに貴哉の話をしていたせいか、貴哉との関係が思っていたのと違ったことに対する戸惑いもある。
紗凪がオレにした話はアレを作ってもらった、コレを作ってもらった、あそこに行った、ここに行ったとポジティブな内容ばかりで、昨夜の怯えた様子を連想できるようなことはひとつも無かったように思う。
無意識に隠していたのか、それともひた隠しにしていたのかは分からないけれど、その話を聞く度に逃げた自分を後悔していた程だ。
だから腕を掴んだ時に見せた怯えた表情と、媚びるように誘った様子は信じられないものだったけれど、そう思って考え直せば思い当たる節が無いわけじゃない。
貴哉と付き合うと報告されたあの日、言いにくそうに告げた理由はマイノリティだと告げることに抵抗があったからだと思っていた。学生の頃に付き合っていた相手を知っていたから言いにくかったのだろうと。
もしもあの時に気付けていたら。
それ以前に一緒にこの家で暮らしていた時に紗凪がバイセクシャルだと知っていたらオレたちの関係は今とは違っていただろう。
貴哉と距離が近づいていくことに嫉妬して、その勢いに任せて自分の想いを伝えることができていたかもしれない。
それでもし選ばれなかったとしても色々とその後の関係に変化が出ていたと思う。
もし紗凪がオレを受け入れてくれていたら貴哉との関係を深めることはなかっただろうし、彼女との恋愛を偽装することもなかった。
偽装と言ってしまうと彼女に対して誠実ではなかったことになってしまうけれど、彼女は彼女でオレとの関係が都合が良かった部分もあったのだからどっちもどっちだったのだろう。
だけど、今回のこの馬鹿げた噂がなければ彼女との関係はきっと続いていた。
彼女に紗凪を重ねて始まった関係だったけれど、きっといつかは彼女の中に紗凪を探すこともしなくなり、紗凪への想いを昇華して彼女とは家族になれたのではないかと思っていた。
彼女もきっと同じだったはずだ。
新しいパートナーがいるという彼への未練を昇華して、快適なオレとの生活を送るうちにその想いは変化していっただろう。
オレたちの相性は悪くなかった。
生活スタイルも、性格も、身体も。
だからきっと、その関係が深まれば深まるほどお互いに無理することなく快適な生活を送ることができたはずだと思う。
その関係が彼氏と彼女から夫と妻となり、父と母となり、いずれは祖父と祖母になるそんな未来だってあったはずだ。
そして紗凪と貴哉だってあの噂が無ければ紗羅と交わることなく関係は続いていくはずだった。
貴哉は紗羅に対して未練があったかもしれない。オレと一緒で紗羅を紗凪に重ねて半ば無理矢理に始まった関係だったかもしれないけれど、それでも時間と共にその想いはきっと変化していっただろう。
オレが写真を送ったことで紗羅にその関係は伝わっていたけれど、この噂が無ければふたりの逢瀬の時間を取ることだってできなかったのだから紗羅もまた貴哉に対しての想いを変化させるしかなかったはずだ。
写真を送ってからあの噂が流れ出すまで何も動きはなかったのは動けなかったせいもあるけれど、紗羅にとって即時に動くほどの案件ではなかったからで、即時に動かないのはその想いが薄れてきていたからだろう。
貴哉と別れ、別の男と結婚して、子どもを授かる。
家族ができ、守るものができれば過去の想いなんて取るに足らないものになるのだから。
「貴哉との生活は悪くはなかったかな」
答えを待ちながら思考を巡らせていたオレにそう言った紗凪は、少し目を伏せて言葉を続ける。
「ボクが逆らわなければ優しかったし、大切にしてくれたし」
「逆らわなければって、」
「貴哉は姉さんのことがトラウマになってるんだよ、きっと。
ボクが少しでも逆らおうとすると姉さんみたいにいなくなると思うみたい」
その言葉で紗凪の昨夜の行動が理解できた気がした。
貴哉は自分の元に引き入れるだけでは不安で、力と恐怖と快楽で紗凪を支配したのだろう。繰り返される度に学習し、自分を守るために身につけた無意識の行動。
だから力を込めたオレに恐怖して媚びるようにベッドに誘い、従順であることを示そうとしたのだ。
「それは、暴力とか?」
「殴られたり蹴られたりとか、そんなのは無かったよ。ただ、なんて言うのか、」
言い淀んで顔を赤く染めるのを見て察し、自分の中でどす黒い感情が湧き上がる。順々に従い、宥めるように誘ったのは、その時に当たり前のように『貴哉』と呼んだのはそれが初めてのことではないから。
紗凪の心が離れそうになる度に力で押さえつけ、恐怖で支配して、快楽を与えることで自分に縛り付けたのだろう。
それならば昨夜、正気を失った紗凪に流され彼を抱き、快楽を植え付けて同じように縛りつければ良かったのだろうか。
貴哉のように力でねじ伏せるのではなく、信頼を逆手に取り甘えさせて、溺れさせて、そして離れられなくすればそれがそれが当たり前になるかもしれない。
それに、もしも離れようとしたら閉じ込めるだけだ。
そんなことを考えてしまい、それではやっているのは貴哉と変わらないじゃないかと自嘲する。
「どうするの、戻るの?」
今現在、日付が変わり少し時間が経ったけれど変化もその予兆も無い。このまま何事もなく明日を迎えれば貴哉はこちらに戻ってくるだろう。
あんなふうに顔を赤く染めたのは貴哉に対する好意が捨てきれないせいで、鍵を置いて部屋を出たと言ったけれどそれは貴哉の気持ちを試しているだけなのかもしれない。
連絡を取ることができないように拒否したと口では言っているけれどそれだって嘘かもしれないし、貴哉が本気で紗凪を探そうと思えばふたりの関係を紗凪の家族に伝えて協力を仰ぐことだってできるのだ。
紗凪が戻ってしまったら、日常生活に困らないようにと急いで揃えた寝具や生活用品はあの部屋に残されたままになるのだろうか。
「え、…。
そっか、そうだよね、」
オレの質問に驚いたのか、何か言いたそうなそぶりを見せながらも考え込み「彼女も戻ってくるの?」と見当違いのことを言い出した紗凪は「事務所移転するなら近くに越しちゃダメ?」と困ったように尋ねる。
それは戻らないという意思表示なのかと少しだけ期待する。
この数日の間に紗凪の居場所を作り、この先も一緒に過ごすことを前提に話してきたつもりだったのに、それが伝わっていなかったのかともどかしく思いながら自分の気持ちを伝える。
「彼女は戻ってこないし、事務所移転するなら紗凪の部屋も当然だけど用意するつもりだよ。
紗凪があいつのところに戻るなら止めないけど」
「ボクは戻るつもりはないよ?」
オレの言葉の続きを待たずにそう言った紗凪は「でも、また同じこと繰り返したくないから部屋は別の方がいいと思う」と苦笑いを見せる。
「ボクの実家って両親も祖父母もいたから静かなのが苦手なんだよね。
だからひとり暮らし始めてすぐは淋しくて実家によく電話してたんだけど、はじめは良かったんだけどだんだん鬱陶しがられるようになって、電話できなくなって。
4年間ひとり暮らしだったから慣れはしたんだけど、大輝と一緒なのが当たり前になってたから部屋を探して欲しいって言われた時に戸惑ったんだ」
紗凪の事情を聞かされて実家にあまり帰らない理由が分かったような気がした。紗羅のこともあったのだろうけれど、紗凪の中で鬱陶しいと思われたことが傷になっているのかもしれない。
そう思うとオレが告げた言葉も紗凪を傷付けるのもだったのだと気付き、居た堪れない気持ちになる。
自分はそんなつもりではなかったと伝えたくて、何かを言おうと思うものの余計に傷付けることが怖くて言葉が出てこない。
「だから貴哉に誘われて嬉しかったんだ、淋しい思いをしなくて済むって。
早く部屋を探さないといけないって分かってたけど探すふりして居座って、だから…貴哉にされたことを言い訳にして、流されて。
自業自得なんだよ。
give&take?
居場所を与えてもらったんだから、対価を払えばずっと一緒にいられると思ってたのに。
でも、そんな狡いこと考えてるから要らないって言われるんだよね」
紗凪の一言一言がオレのしてしまったことの重さを伝えてくる。
オレがあの時に紗凪を諦めなければ。
オレがあの時に自分の想いから逃げなければ、こんなにも紗凪を傷付けることはなかったのに。
「オレは、要らないなんて思ってなかったよ」
全ての罪が自分にあるのだと背負い込み、自分を押し殺してでも必要とされたかった紗凪にどうやって伝えたらいいのかと考えて考えて、そして、口から出たのはそんな言葉だった。
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