二世帯住宅から冒険の旅へ

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第26話 共同研究

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辰巳とヤギさんは魔道具の共同研究をしたいということで、しばらく高台の魔道具師の屋敷に逗留することになった。


「わたしがいるかぎり規則正しい生活を送ってもらいますから覚悟してください」

「ぴぃっ」

「トラ様との会談に必要な部分だけ掃除して整えましたけど、しばらく滞在するのなら話は別です。徹底的に改造しましょう」

「たす……けて……」

「あのうエドさん、研究に必要な部分はちょっと多めに見」

「必要なものはすべて一か所にまとめて場所を確保しますので問題ありません」

「はい」

「ああ……」

「お掃除手伝うよ」

「トラ様のお手を煩わすわけにはまいりません。これは影のお仕事ですからトラ様に取られてしまうと悲しくなります」

「影の仕事ってそうだっけ?」

「トラ様にお仕えするのが仕事です」

「あ、はい」

「でもなにかしたいよ」

「じゃあ俺たちの研究手伝ってくれよ。なにかほしい魔道具の案とかない?」

「んード○○○○の便利道具全部作ってみる?」

「何種類あるんだ……」

「なにそれ? どんなものがあるの?」

「食いついたな」

「ど○○○○アとか?」

「なにそれ?! 異世界すご!」

「いや、フィクションだからな?」


*****


「いやー、結構大量に作ったな」

「わが魔道具師人生に悔いなし」

「ヤギさんしっかりして」

「一段落したなら特許登録の書類をとっとと書く!」

「ひゃいっ」

「書類整理を任せたらエドさんが厳しい」

「まああれだけやりっぱなしの書類があればな」

「タツ様も今日じゅうによろしくお願いしますね」

「あ、はい……」

「トラ様はこちらでおやつを食べましょうね」

「ひ、ヒイキじゃない!」

「贔屓しますがなにか?」

「あぅ」

「ヤギさん、あきらめて書類仕事に集中しよう」

「わたしに書類仕事をさせるなんて……」

「まあ壊滅的だからな」

「だからわたしが指導補佐しているでしょう? 文句を言わずに手を動かしなさい」

「でもエドさん厳しそうに見えてなんだかんだ手伝ってるの優しいよね」

「うぐ」

「あ、顔赤くなったよ」

「虎彦それ以上はやめて差し上げなさい」

「ん?? わかった」

「今日じゅうに全部書き切れる気がしないけど、とりあえず明日は登録に行くんだよね?」

「そうですね。できた分だけでもすぐに登録しておくべきでしょう」

「だれも真似できないからそんなに急がなくても……」

「そうやって何年も放置したんだろう? だからいまが苦しいんだ。わかったらキリキリやれ」

「むかしからそうやってエドゥオンだけちゃんと宿題やるせいでわたしたちが怒られるのよ」

「おまえたちがやらないからだろう。当たりまえだ」

「辰巳、なんでニヤニヤしてるの?」

「ちょ、虎彦いまいいところだから黙って見てろ」

「……タツ様? ずいぶん余裕がおありのようですね?」

「いえっ! ありません! 精一杯です!」

「魔道具と材料の在庫の棚卸表、今日じゅうにあるとうれしいですね」

「それは! ムリ! ムリです!」

「ふふふ、冗談ですよ」

「エドさんの目が笑ってないよ」

「グィネ、どこに行くんです?」

「ふぇっ?! いまのうちに逃げようと思ったのに……」

「脚を椅子の脚と同化したほうがよいですか?」

「それは拷問! 拷問術だから!」

「なにそれ怖い」


*****


「なんとか終わったみたいだね」

「うぅぅ……」

「ぁあぃゃぅぉえっ」

「さて片付けましょうか」

「ナチュラルにヤギさん摘まんで運んでる」

「うぅ……そのままベッドでごゆっくり~」

「タツ様も片付けましょうか?」

「エドさんの目が笑ってないよ」

「あ、俺は、ちょっと用事が」

「辰巳、晩ごはん作って」

「ああ! そうだな! なにがいい?」

「んー、さっぱり系」

「じゃあ冷やしミルヘドリンそうめんのトラムグヒャーなんとかあえ」

「あの冷麺みたいなやつか。いいね」

「がう」

「チョコちゃんはワイバーンがいいって」

「ワイバーンにチーズも付けてやろう」

「ぐるる」

「ふぅ、やっと落ち着きましたね」

「エドさんお疲れ」

「いえいえ、トラ様もこの一週間はご苦労なさいましたね」

「そうでもないよ。ちょっと口出してただけだし」

「ど○○○○アはムリだったけど短距離拠点間転移魔道具もできたし、通○○○○○プみたいのもできたし、着○○○○○ラはムリだったけど変装魔道具もできたし」

「ああ、エドさんがやたら細かい注文付けてたやつね」

「あれはいいものができました」

「完全に暗殺セットなんだよな」

「明日朝には魔道具師組合に特許申請に行きますので、タツ様は棚卸をお願いします」

「ちょ、ムリだって!」

「ふふふ、冗談ですよ」

「エドさんの目が笑ってないよ」
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