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第25話 魔道具開発
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「いやーこれは失礼。わたしイャグィネ・クロンゴュといいます」
「ヤギさん?」
「クロンゴ? もしかしてヒツジ先生の親戚?」
「これはフィスディァンの姉ですよ」
「え? もしかしてフィスのこと知ってるんです?」
「俺ヒツジ先生の弟子です」
「あらー。弟の弟子ならわたしの弟弟子?」
「違います」
「手厳しい……」
「ヤギさん、これはなに?」
「これは人の話すことを記録する道具です」
「やってみていい?」
「はいどうぞ」
「エドさんは暗黒騎士」
「ひぃっ、にらまないで……」
「おかしなことを覚えられてしまったではないか……」
「これ再生はどうやるの?」
「記録するだけですよ?」
「ん? なにが記録されたかわからないんですか?」
「いえ、裏に文字が刻まれてるでしょう?」
「あ、ほんとだ! すごい!」
「想像と違ってた。ある意味録音よりすごい」
「録音? それはなんのことです?」
「あ、声をそのままとっとくんだよ」
「声だけでなく音をそのままの形で記録して、あとから再生できるようにすることです」
「え? そんなことできるの?!」
「スマホで録音してみよ」
「この板? 光ってる! 絵が動いてる?! なにこれ?」
「再生」
『この板? 光ってる! 絵が動いてる?! なにこれ?』
「ええ?! わたしの声?! なんで? 魔法?!」
「魔法じゃないよ。あのね、わかんないけど」
「音は空気の振動なので、そのパターンを記録するんだ。で、そのまま再現すると同じ音になる」
『この板? 光ってる! 絵が動いてる?! なにこれ?』
「え?! もう一度? 音を溜めておくんじゃないってこと?」
『この板? 光ってる! 絵が動いてる?! なにこれ?』
「虎彦、もういいよ。何度でも再現できるから音楽を聴いたりするのにも使える」
「なるほど。自然現象をもう一度同じように起こすのね。それなら意味のある言葉じゃなくても使える。ちょっと記録する情報量が多そうだけど」
「逆に言葉の意味を検出して文字に変換するほうが難易度高そうだ」
「そんなことないわ。言葉には微量の魔力が乗るから検出するのは簡単よ」
「おお常識の差が出てくるな」
「難しい話始まった? エドさん、あっちの魔道具見に行こう」
「そうですね。こうなったらしばらく盛り上がってるでしょうから」
*****
「つまりこれを魔素解析して周波数で分離すれば」
「待ってこの部分を白魔石に置き換えれば相当効率化と小型化が期待できるわ」
「そうすると微弱魔力波をうまく増幅してこのフィルターを通して」
「ああこれよ! この部分は自動記録と相性がいいわ」
「なんかもっと意味わからなくなってるね」
「トラ様、お昼ごはんをどうぞ。この人たちは影がなんとかしますので」
「ここの感度がもうちょっとなんとかむごっもぐもぐ」
「もっと大容量の記録がぶぁーんんまっ」
「見えなかったけど、実力行使?」
「食べさせておけば大丈夫です」
「魔道具も解説がないとよくわからないし」
「午後はお昼寝なさいますか?」
「エドさんもお昼寝?」
「うっわたしは警護を……トラ様のおそばにいますから安心してください」
「わかった。おやすみぐう」
「ぐるるう」
「なんて素直で愛らしくそして素早いお寝入り。……それに引き替え研究となると周りが見えなくなるあいつの気質は変わっていないな」
「ああ! 魔力波の減衰ってこうなっていたのね!」
「じゃあここをこうして導魔性を高めれば」
「ああダメ、この境目で信号が反射してるわ」
「ここの部品を変えたほうがいいかな」
「トラ様が起きるまでに正気に戻りますかね……」
*****
「ふぁあ~、よく寝た」
「お目覚めですか、トラ様」
「あ、エドさん、ありがと。……あったかいタオル気持ちいい」
「もう夕方ですが、あのとおりまだ盛り上がっています」
「ちょっと、そっちの出力調整お願い」
「もう少し太い導魔線ないかな? 作る?」
「そっちの方にたしかほかのが転がってたと思うわ」
「きったねえな。もうちょっと整理しろよ」
「あれ? なんか仲良くなってる?」
「まあ、そうですね。このレベルの会話ができる相手にお互いになかなか会うことはないでしょうからね。新しい魔道具の開発を始めたみたいですよ」
「そっか。楽しそうでよかったね」
「もうそろそろ夕食の時間ですが、いかがいたしましょう」
「まだそんなにおなかすいてないけど、ちょっとワイバーン串炙ってみて」
「かしこまりました。あれは強烈ですからね」
「でしょ」
「だからその被覆で……ん?」
「これは……ぐぅおなかすいた」
「ぐるう」
「こうかは ばつぐんだ!」
「さあ、お二人ともこちらに座ってください」
「もうごはん?」
「昼飯か?」
「晩ごはんだよ」
「え?」
「え?じゃありません。座りなさい」
「ひぇっ」
「はいっ」
「ヤギさん?」
「クロンゴ? もしかしてヒツジ先生の親戚?」
「これはフィスディァンの姉ですよ」
「え? もしかしてフィスのこと知ってるんです?」
「俺ヒツジ先生の弟子です」
「あらー。弟の弟子ならわたしの弟弟子?」
「違います」
「手厳しい……」
「ヤギさん、これはなに?」
「これは人の話すことを記録する道具です」
「やってみていい?」
「はいどうぞ」
「エドさんは暗黒騎士」
「ひぃっ、にらまないで……」
「おかしなことを覚えられてしまったではないか……」
「これ再生はどうやるの?」
「記録するだけですよ?」
「ん? なにが記録されたかわからないんですか?」
「いえ、裏に文字が刻まれてるでしょう?」
「あ、ほんとだ! すごい!」
「想像と違ってた。ある意味録音よりすごい」
「録音? それはなんのことです?」
「あ、声をそのままとっとくんだよ」
「声だけでなく音をそのままの形で記録して、あとから再生できるようにすることです」
「え? そんなことできるの?!」
「スマホで録音してみよ」
「この板? 光ってる! 絵が動いてる?! なにこれ?」
「再生」
『この板? 光ってる! 絵が動いてる?! なにこれ?』
「ええ?! わたしの声?! なんで? 魔法?!」
「魔法じゃないよ。あのね、わかんないけど」
「音は空気の振動なので、そのパターンを記録するんだ。で、そのまま再現すると同じ音になる」
『この板? 光ってる! 絵が動いてる?! なにこれ?』
「え?! もう一度? 音を溜めておくんじゃないってこと?」
『この板? 光ってる! 絵が動いてる?! なにこれ?』
「虎彦、もういいよ。何度でも再現できるから音楽を聴いたりするのにも使える」
「なるほど。自然現象をもう一度同じように起こすのね。それなら意味のある言葉じゃなくても使える。ちょっと記録する情報量が多そうだけど」
「逆に言葉の意味を検出して文字に変換するほうが難易度高そうだ」
「そんなことないわ。言葉には微量の魔力が乗るから検出するのは簡単よ」
「おお常識の差が出てくるな」
「難しい話始まった? エドさん、あっちの魔道具見に行こう」
「そうですね。こうなったらしばらく盛り上がってるでしょうから」
*****
「つまりこれを魔素解析して周波数で分離すれば」
「待ってこの部分を白魔石に置き換えれば相当効率化と小型化が期待できるわ」
「そうすると微弱魔力波をうまく増幅してこのフィルターを通して」
「ああこれよ! この部分は自動記録と相性がいいわ」
「なんかもっと意味わからなくなってるね」
「トラ様、お昼ごはんをどうぞ。この人たちは影がなんとかしますので」
「ここの感度がもうちょっとなんとかむごっもぐもぐ」
「もっと大容量の記録がぶぁーんんまっ」
「見えなかったけど、実力行使?」
「食べさせておけば大丈夫です」
「魔道具も解説がないとよくわからないし」
「午後はお昼寝なさいますか?」
「エドさんもお昼寝?」
「うっわたしは警護を……トラ様のおそばにいますから安心してください」
「わかった。おやすみぐう」
「ぐるるう」
「なんて素直で愛らしくそして素早いお寝入り。……それに引き替え研究となると周りが見えなくなるあいつの気質は変わっていないな」
「ああ! 魔力波の減衰ってこうなっていたのね!」
「じゃあここをこうして導魔性を高めれば」
「ああダメ、この境目で信号が反射してるわ」
「ここの部品を変えたほうがいいかな」
「トラ様が起きるまでに正気に戻りますかね……」
*****
「ふぁあ~、よく寝た」
「お目覚めですか、トラ様」
「あ、エドさん、ありがと。……あったかいタオル気持ちいい」
「もう夕方ですが、あのとおりまだ盛り上がっています」
「ちょっと、そっちの出力調整お願い」
「もう少し太い導魔線ないかな? 作る?」
「そっちの方にたしかほかのが転がってたと思うわ」
「きったねえな。もうちょっと整理しろよ」
「あれ? なんか仲良くなってる?」
「まあ、そうですね。このレベルの会話ができる相手にお互いになかなか会うことはないでしょうからね。新しい魔道具の開発を始めたみたいですよ」
「そっか。楽しそうでよかったね」
「もうそろそろ夕食の時間ですが、いかがいたしましょう」
「まだそんなにおなかすいてないけど、ちょっとワイバーン串炙ってみて」
「かしこまりました。あれは強烈ですからね」
「でしょ」
「だからその被覆で……ん?」
「これは……ぐぅおなかすいた」
「ぐるう」
「こうかは ばつぐんだ!」
「さあ、お二人ともこちらに座ってください」
「もうごはん?」
「昼飯か?」
「晩ごはんだよ」
「え?」
「え?じゃありません。座りなさい」
「ひぇっ」
「はいっ」
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