18 / 168
第18話
しおりを挟む
馬車を降りて、離宮を見上げる。
隣りに立つ王宮と比べて、とっても質素ではあったが、清掃が行き届いていて、とても清潔だった。
こんなにきれいな場所で、体調不良なんておかしくない?
とは思ったが何も言わず、兄を先頭に中庭のガセポに向かう。
中庭は花で溢れていて赤や黄色、水色に白等沢山の種類の花が咲き乱れていた。
「アクイラス、こっちだ」
お兄様を呼ぶ声に振り向くと、真っ黒な髪に黒い瞳と緑の瞳を持つオッドアイの青年が、ガセポの前に立っていた。
「済まない。遅れたか?」
「いいや。俺が早く来ただけだ。王妃陛下はまだ来ていない」
「側妃様は?」
「今日は少し、体調がいいみたいだよ。心配してくれてありがとう」
お兄様とマルクス殿下は、友達のように挨拶を交わした。
「お初にお目にかかります。
アンソニー・オーギュストの妻、メリテッサと申します」
「初めまして、オーギュスト侯爵の次女、ミシェルと申します」
お母様と私はカーテシーをし、初めての挨拶をした。
「ご丁寧にありがとうございます。
俺はマルクス・エルディニア。この国の…第二王子です」
「王妃様は、まだなのかしら?」
「はい。あっ、とりあえずこちらに…」
そう言ってガセポの中の席を薦めてくれる。
が
「いいえ。王妃陛下が来られるまで、待ちますわ」
とお母様がやんわりと断った。
「そうですか…すみません。
俺はあまり、貴族の決まりに詳しくなくて…」
「いいえ、いいのですよ。私達を気遣ってのことでしょう」
お母様と第2王子様が話しをしていた。
その間、私はお兄様に
「お兄様」
「ん?」
「お花の近くに行っても、いいですか?」
「俺と行こうか」
「はい」
そして花の近くで座り込み、花の匂いを嗅いだりする。
私の後ろにお兄様が立ち、私が知らないの中で花で知っている名前を、教えてくれていると
「あら?割とたくさんの名前を知ってるのね」
知らない女性の声が、お兄様の後ろから響いた。
「王妃様、娘が驚きます」
「ごめんなさい、メリテッサ。でも男性でこんなに知ってる方は、初めてよ」
「私の息子の、アクイラスです」
「あぁ~」
お兄様は、私を立たせてから振り返り
「オーギュスト家嫡男、アクイラスと申します」
礼を取った。
私はすぐに、カーテシーをして
「オーギュスト公爵家次女、ミシェルと申します」
と挨拶をした。
「まぁ、ありがとう。マルクス、貴男は挨拶はしたの?」
「はい」
「頂きましたわ。私達に気を使ってくださいましたわ」
「それは良かった。では皆様、お茶会を始めましょう」
あんな言い方で、第二王子に礼をしたのかと聞いた自分が、していない。
それって…いいのでしょうか?
隣りに立つ王宮と比べて、とっても質素ではあったが、清掃が行き届いていて、とても清潔だった。
こんなにきれいな場所で、体調不良なんておかしくない?
とは思ったが何も言わず、兄を先頭に中庭のガセポに向かう。
中庭は花で溢れていて赤や黄色、水色に白等沢山の種類の花が咲き乱れていた。
「アクイラス、こっちだ」
お兄様を呼ぶ声に振り向くと、真っ黒な髪に黒い瞳と緑の瞳を持つオッドアイの青年が、ガセポの前に立っていた。
「済まない。遅れたか?」
「いいや。俺が早く来ただけだ。王妃陛下はまだ来ていない」
「側妃様は?」
「今日は少し、体調がいいみたいだよ。心配してくれてありがとう」
お兄様とマルクス殿下は、友達のように挨拶を交わした。
「お初にお目にかかります。
アンソニー・オーギュストの妻、メリテッサと申します」
「初めまして、オーギュスト侯爵の次女、ミシェルと申します」
お母様と私はカーテシーをし、初めての挨拶をした。
「ご丁寧にありがとうございます。
俺はマルクス・エルディニア。この国の…第二王子です」
「王妃様は、まだなのかしら?」
「はい。あっ、とりあえずこちらに…」
そう言ってガセポの中の席を薦めてくれる。
が
「いいえ。王妃陛下が来られるまで、待ちますわ」
とお母様がやんわりと断った。
「そうですか…すみません。
俺はあまり、貴族の決まりに詳しくなくて…」
「いいえ、いいのですよ。私達を気遣ってのことでしょう」
お母様と第2王子様が話しをしていた。
その間、私はお兄様に
「お兄様」
「ん?」
「お花の近くに行っても、いいですか?」
「俺と行こうか」
「はい」
そして花の近くで座り込み、花の匂いを嗅いだりする。
私の後ろにお兄様が立ち、私が知らないの中で花で知っている名前を、教えてくれていると
「あら?割とたくさんの名前を知ってるのね」
知らない女性の声が、お兄様の後ろから響いた。
「王妃様、娘が驚きます」
「ごめんなさい、メリテッサ。でも男性でこんなに知ってる方は、初めてよ」
「私の息子の、アクイラスです」
「あぁ~」
お兄様は、私を立たせてから振り返り
「オーギュスト家嫡男、アクイラスと申します」
礼を取った。
私はすぐに、カーテシーをして
「オーギュスト公爵家次女、ミシェルと申します」
と挨拶をした。
「まぁ、ありがとう。マルクス、貴男は挨拶はしたの?」
「はい」
「頂きましたわ。私達に気を使ってくださいましたわ」
「それは良かった。では皆様、お茶会を始めましょう」
あんな言い方で、第二王子に礼をしたのかと聞いた自分が、していない。
それって…いいのでしょうか?
15
あなたにおすすめの小説
王宮に薬を届けに行ったなら
佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。
カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。
この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。
慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。
弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。
「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」
驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。
「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」
※ベリーズカフェにも掲載中です。そちらではラナの設定が変わっています。内容も少し変更しておりますので、あわせてお楽しみください。
【完結】あいしていると伝えたくて
ここ
恋愛
シファラは、生まれてからずっと、真っ暗な壁の中にいた。ジメジメした空間には明かり取りの窓すらない。こんなことは起きなかった。公爵の娘であるシファラが、身分の低い娼婦から生まれたのではなければ。
シファラの人生はその部屋で終わるはずだった。だが、想定外のことが起きて。
*恋愛要素は薄めです。これからって感じで終わります。
マジメにやってよ!王子様
猫枕
恋愛
伯爵令嬢ローズ・ターナー(12)はエリック第一王子(12)主宰のお茶会に参加する。
エリックのイタズラで危うく命を落としそうになったローズ。
生死をさまよったローズが意識を取り戻すと、エリックが責任を取る形で両家の間に婚約が成立していた。
その後のエリックとの日々は馬鹿らしくも楽しい毎日ではあったが、お年頃になったローズは周りのご令嬢達のようにステキな恋がしたい。
ふざけてばかりのエリックに不満をもつローズだったが。
「私は王子のサンドバッグ」
のエリックとローズの別世界バージョン。
登場人物の立ち位置は少しずつ違っています。
王弟が愛した娘 —音に響く運命—
Aster22
恋愛
村で薬師として過ごしていたセラは、
ハープの音に宿る才を王弟レオに見初められる。
その出会いは、静かな日々を終わらせ、
彼女を王宮の闇と陰謀に引き寄せていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる