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第51話
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その日は、とりあえず帰ってもらった。
お茶会で疲れている私を気にして、お父様とお母様がそうしてくれたのだが、使者の方が帰った後、家族全員一人で離宮のお茶会に送ったことを悔やみだした。
「やっぱり私が、予定を変更してつい居ていけばよかったんだ」
「あなた。あなたは変更できない予定でしたでしょ。
私のお茶会を、キャンセルすればよかったのよ」
「お母様のお茶会は、侯爵家の奥様方の大切な交流の場です。
キャンセルは出来ませんわ」
「俺が訓練を辞退していっていれば、何とか…」
「お兄様一人では、王妃様の相手は無理ですわ。
今日の場合、お父様かお母様でないと…」
「でもこのままでは、ミシェルが王妃の侍女になってしまうんだぞ」
家族がそう悲観している中、私だけは違った。
「お兄様。なったとしても、作れなければいいのです」
「ん?ミシェル。それはどういう事だ?」
「お父様が、言っていらしたではないですか。娘は作っていない…と」
「あぁ、たしかに言った。言ったが…」
「もし侍女になったとしても、ゲテモノを作るものなど、すぐに要らなくなります」
「まさか…」
「もし、連れて行かれたりした時は、腹痛を催しそうな見た目と味の物を、
平気な顔してお出ししてきます」
私の言葉に、皆が唖然とした。
多分、そんな物も作れるのか?という言葉の現れだと思うが、もちろん作れる。
食べ合わせの悪いもの、甘いものと酸っぱいものの混ぜ合わせ等など、いろんな物がある。
そして見た目は、真っ赤なスープとか、青い食べ物とか…
あぁ…固めたゼリーの中に、本物のお魚を入れても良いかもしれない。
「フッフッフッフッ…」
私が笑うと、家族が引く。
「ミシェル?大丈夫かい?」
「無理しなくていいのよ?」
「お兄様、怖いですわ」
「俺も…」
そんな言葉が聞こえるが、
「大丈夫ですよ。絶対に家では作りませんから」
と言うと皆がホ~~~~ッ…としていた。
それから数日後、王宮からまた、使者が来た。
その使者は、国王陛下からの書状を携えてやって来て、私とお父様の前でそれを発表した。
「オーギュスト公爵閣下、及びその次女ミシェル嬢にお伝えします。
国王陛下の第二子、マルクス王子殿下が、ミシェル嬢を婚約者にと望まれ、
国王陛下に進言いたしました。
つきましては、陛下とマルクス王子、そしてエリス王妃陛下とマルガ側妃様が
揃ってお話できることを国王陛下が望んでおられます。
この事は、そちらの書類にも記してございますので、後でご確認ください」
お父様と私は予想した内容と違うことに、驚きを隠せなかった。
そしてお父様は、きちんとその事を、使者の方に話した。
お茶会で疲れている私を気にして、お父様とお母様がそうしてくれたのだが、使者の方が帰った後、家族全員一人で離宮のお茶会に送ったことを悔やみだした。
「やっぱり私が、予定を変更してつい居ていけばよかったんだ」
「あなた。あなたは変更できない予定でしたでしょ。
私のお茶会を、キャンセルすればよかったのよ」
「お母様のお茶会は、侯爵家の奥様方の大切な交流の場です。
キャンセルは出来ませんわ」
「俺が訓練を辞退していっていれば、何とか…」
「お兄様一人では、王妃様の相手は無理ですわ。
今日の場合、お父様かお母様でないと…」
「でもこのままでは、ミシェルが王妃の侍女になってしまうんだぞ」
家族がそう悲観している中、私だけは違った。
「お兄様。なったとしても、作れなければいいのです」
「ん?ミシェル。それはどういう事だ?」
「お父様が、言っていらしたではないですか。娘は作っていない…と」
「あぁ、たしかに言った。言ったが…」
「もし侍女になったとしても、ゲテモノを作るものなど、すぐに要らなくなります」
「まさか…」
「もし、連れて行かれたりした時は、腹痛を催しそうな見た目と味の物を、
平気な顔してお出ししてきます」
私の言葉に、皆が唖然とした。
多分、そんな物も作れるのか?という言葉の現れだと思うが、もちろん作れる。
食べ合わせの悪いもの、甘いものと酸っぱいものの混ぜ合わせ等など、いろんな物がある。
そして見た目は、真っ赤なスープとか、青い食べ物とか…
あぁ…固めたゼリーの中に、本物のお魚を入れても良いかもしれない。
「フッフッフッフッ…」
私が笑うと、家族が引く。
「ミシェル?大丈夫かい?」
「無理しなくていいのよ?」
「お兄様、怖いですわ」
「俺も…」
そんな言葉が聞こえるが、
「大丈夫ですよ。絶対に家では作りませんから」
と言うと皆がホ~~~~ッ…としていた。
それから数日後、王宮からまた、使者が来た。
その使者は、国王陛下からの書状を携えてやって来て、私とお父様の前でそれを発表した。
「オーギュスト公爵閣下、及びその次女ミシェル嬢にお伝えします。
国王陛下の第二子、マルクス王子殿下が、ミシェル嬢を婚約者にと望まれ、
国王陛下に進言いたしました。
つきましては、陛下とマルクス王子、そしてエリス王妃陛下とマルガ側妃様が
揃ってお話できることを国王陛下が望んでおられます。
この事は、そちらの書類にも記してございますので、後でご確認ください」
お父様と私は予想した内容と違うことに、驚きを隠せなかった。
そしてお父様は、きちんとその事を、使者の方に話した。
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