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第12話 ガストン視点
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クソクソクソ!
まさか親同士が、連絡取り合っているなんてあり得ないだろう! 友人でもなかったのに!
呼び出されたから休みの間だけでも手伝いに来いと言われるのかと思っていた。
ソファーに座り目の前の二人を見たら、僕を凄んでいた――。
「レネットと手紙のやり取りをしているそうだな」
「え?」
なぜ手紙の事を知っているんだ。まさか、父上が教えたとか?
「ルトルン伯爵とは、婚約した時から連絡を取り合っていてね。君がレネットと手紙のやり取りをしていると聞いた。レネットは何も言っていなかったが、本当かね?」
は? なんで友人でもない者同士で密に連絡を取り合う。
やばい。チラッと父上に手紙の内容を見られた。愛していると書いているところだったから、友人に出すものだと言う事もできず、相手はレネットだと言ったんだった。
レネットは、何も言っていないという事は、彼女にはまだ確認を取っていないな。だったらこの話が終わったらすぐに彼女に口裏を合わせてもらおう。
ポワッとしている奴だったから、なんとか誤魔化せるだろう。
「えーと。ダメだったでしょうか? 恥ずかしいから秘密にしていたのですが」
「レネットと手紙のやり取りが恥ずかしいと?」
「知ったら読まれるかと……」
グリンマトル伯爵夫人の顔が怖い。
バン!
突然グリンマトル伯爵が、テーブルを叩き立ち上がった。
凄んでいるところではない。鬼の形相だ。なんでだ?
「娘には先に手紙のやり取りをしているか聞いてある! お前とはしていないとハッキリと答えた! それどころか、あれ以降会ってもいないのだな。女性とクラブに出入りしていると聞いた! 君は、婚約者の娘を蔑ろにし、浮気をしていたのだな!」
「な……」
なんだよそれ。先に聞いてあったのかよ。しかも、クラブに出入りしている事を何で知っているんだ。
マスティラン領のクラブは、匿名で部屋を借りれるのに!
「手紙の事は、友人とだったのです。恥ずかしかったので父には、レネットだと。クラブは知りません。人違いです……」
「ほう。今更白を切るのか? レネットと手紙のやり取りをするのを恥ずかしいから黙っていてもらったと言ったではないか! 本人に確認すればわかる嘘を言う必要があったか!」
「う……」
手紙だけなら何とかなったかもしれないのに。誰だよ! クラブの事を密告したのは!
「出ていけ! 婚約は破棄だ! 明日、ルトルン伯爵に直接言いに行く! ないとは思うが、今後一切娘に近づくなよ!」
「ご、誤解なんです」
「まだいいますの? クラブの件は確かな方からなの。レネットは毎日家の手伝いをしていたからクラブなど行く暇などなかったわ!」
「あーもう! 確かにクラブに行きました! 女性ではなく男友達とです!」
「またか。どうにもならなくなったら友達か! どちらにしても明日伺う。そうルトルン伯爵に伝えておけ!」
くそダメか! このままだとますい。
追い出されるように屋敷を出た。
今までは父上にもみ消してもらえたが、次はないと言われている。このままだと、勘当されて平民になるしかなくなる。
僕は悪くない。偶然彼女に出会ってしまったんだ。
そう。紹介したのは、そっちじゃないか。
「ガストン様」
僕を呼ぶ声にビクッとするも彼女だった。
「アンナか」
「こんなところで何を?」
僕が出て来た馬車置き場を見つめアンナが聞く。
「何もしていないさ。それよりまずい事になった。僕達の事がバレた」
「え! それは本当なの?」
「正確には、君の事は知られてはいない。でも明日、婚約破棄の話に家に来ると言っている」
「じゃ私と……」
「そうなるわけないだろう。だったらコソコソしていない! 彼女と結婚して、ここの主にならないと。君の母親もそう言っていただろう」
「……わかったわ。お母様に相談してみる」
「頼むな」
僕だけが悪いわけではないだろう。
レネットだって、手紙の一つもよこさなかったのだから。
まさか親同士が、連絡取り合っているなんてあり得ないだろう! 友人でもなかったのに!
呼び出されたから休みの間だけでも手伝いに来いと言われるのかと思っていた。
ソファーに座り目の前の二人を見たら、僕を凄んでいた――。
「レネットと手紙のやり取りをしているそうだな」
「え?」
なぜ手紙の事を知っているんだ。まさか、父上が教えたとか?
「ルトルン伯爵とは、婚約した時から連絡を取り合っていてね。君がレネットと手紙のやり取りをしていると聞いた。レネットは何も言っていなかったが、本当かね?」
は? なんで友人でもない者同士で密に連絡を取り合う。
やばい。チラッと父上に手紙の内容を見られた。愛していると書いているところだったから、友人に出すものだと言う事もできず、相手はレネットだと言ったんだった。
レネットは、何も言っていないという事は、彼女にはまだ確認を取っていないな。だったらこの話が終わったらすぐに彼女に口裏を合わせてもらおう。
ポワッとしている奴だったから、なんとか誤魔化せるだろう。
「えーと。ダメだったでしょうか? 恥ずかしいから秘密にしていたのですが」
「レネットと手紙のやり取りが恥ずかしいと?」
「知ったら読まれるかと……」
グリンマトル伯爵夫人の顔が怖い。
バン!
突然グリンマトル伯爵が、テーブルを叩き立ち上がった。
凄んでいるところではない。鬼の形相だ。なんでだ?
「娘には先に手紙のやり取りをしているか聞いてある! お前とはしていないとハッキリと答えた! それどころか、あれ以降会ってもいないのだな。女性とクラブに出入りしていると聞いた! 君は、婚約者の娘を蔑ろにし、浮気をしていたのだな!」
「な……」
なんだよそれ。先に聞いてあったのかよ。しかも、クラブに出入りしている事を何で知っているんだ。
マスティラン領のクラブは、匿名で部屋を借りれるのに!
「手紙の事は、友人とだったのです。恥ずかしかったので父には、レネットだと。クラブは知りません。人違いです……」
「ほう。今更白を切るのか? レネットと手紙のやり取りをするのを恥ずかしいから黙っていてもらったと言ったではないか! 本人に確認すればわかる嘘を言う必要があったか!」
「う……」
手紙だけなら何とかなったかもしれないのに。誰だよ! クラブの事を密告したのは!
「出ていけ! 婚約は破棄だ! 明日、ルトルン伯爵に直接言いに行く! ないとは思うが、今後一切娘に近づくなよ!」
「ご、誤解なんです」
「まだいいますの? クラブの件は確かな方からなの。レネットは毎日家の手伝いをしていたからクラブなど行く暇などなかったわ!」
「あーもう! 確かにクラブに行きました! 女性ではなく男友達とです!」
「またか。どうにもならなくなったら友達か! どちらにしても明日伺う。そうルトルン伯爵に伝えておけ!」
くそダメか! このままだとますい。
追い出されるように屋敷を出た。
今までは父上にもみ消してもらえたが、次はないと言われている。このままだと、勘当されて平民になるしかなくなる。
僕は悪くない。偶然彼女に出会ってしまったんだ。
そう。紹介したのは、そっちじゃないか。
「ガストン様」
僕を呼ぶ声にビクッとするも彼女だった。
「アンナか」
「こんなところで何を?」
僕が出て来た馬車置き場を見つめアンナが聞く。
「何もしていないさ。それよりまずい事になった。僕達の事がバレた」
「え! それは本当なの?」
「正確には、君の事は知られてはいない。でも明日、婚約破棄の話に家に来ると言っている」
「じゃ私と……」
「そうなるわけないだろう。だったらコソコソしていない! 彼女と結婚して、ここの主にならないと。君の母親もそう言っていただろう」
「……わかったわ。お母様に相談してみる」
「頼むな」
僕だけが悪いわけではないだろう。
レネットだって、手紙の一つもよこさなかったのだから。
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