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第13話
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ガストン様が浮気していた? どこかの令嬢と手紙のやり取りをしていたの? 相手は誰だろう。私の知っている人かしら? ルトルン領の子かもしれないわね。
私は、窓に近づき外を見つめる。
今日は私の気分と同じく、天気が悪い。土砂降りの雨。
お父様達はもうルトルン伯爵家に着いたかしら。
「お嬢様! 大変でございます」
ドアがノックされるのと同時に侍女の慌てた声が聞こえた。
何かあったのかしら?
「どうしたの?」
ドアを開けると侍女が青い顔して言った。
「旦那様が乗った馬車が横転したそうです」
「レネット! すぐに現場に向かうわよ」
エルダ夫人も青白い顔で言うので、慌てて頷きウルミーシュ子爵家の馬車に乗り、現場に向かう。
場所は、ルトルン領に続く道で、今道路補修中だったところ。
マスティラン領は、道路がきちんと整備されていて雨が降っても横転などする事もない。
けど、間が悪い事に工事していた為に、ぬかるみになって横転したと報告があった。
そんな事ってある?
雨さえ降っていなければ、工事さえしていなければ。ううん。ルトルン伯爵家に向かわなければこうならなかった!
ギュッとスカート握る。
私のせい?
せめて、手紙を出して彼を気に掛けていれば彼の浮気を防げた?
「大丈夫よ。お医者様もすぐに向かったと聞いたわ」
エルダ夫人がそう言うと、アンナもそうよと頷く。
雨降りのせいかアンナは、今日は家にいたのだ。
事故現場に着いて私は唖然とした。
思っていたより酷かったのだ。
馬車の車輪が取れ、馬車は立木にぶつかったようで、大破していた。
「うそ……」
私は、慌てて馬車から降りた。
人だかりが出来ている場所へと急ぐ。
そこには医者の姿も見えたからだ。
あそこに、お父様とお母様がいるに違いない。
「見ない方がいい」
突然、手を取られ止められた。
驚いて振り向くとフランシスク様だった。
「フ、フランシスク様。どうしてあなたがここに」
「私が婿入りする家が、道路などを整備する仕事に従事していて、事故が起きたと聞いて来たら君のご両親だった」
「ではフランシスク様がご連絡を?」
「いや、馬車に家紋があったからすでに連絡はしてあった。馬車はどうやら車輪が外れて、一回転してようだ」
「え……」
だからあんなにバラバラに……。
「お、お父様とお母様は?」
フランシスク様は、無情にも首を横に振ったのだ。
「いやぁ!」
私は、公衆の面前で泣き崩れた。
やっと親孝行ができる。今世は、両親と一緒に過ごせると思っていたのに!
私ではなく、両親が死んでしまうなんて!
「すまない……」
私の背を撫でながらフランシスク様がぽつりと呟いた。
「お兄様!」
エルダ夫人が、叫ぶ声が聞こえる。
「お母様!」
アンナの驚いた声で少し平常を取り戻し、声の方を見るとエルダ夫人が倒れていた。
「二人の姿を見てしまったのだろう」
「そんなに酷い姿に?」
「血だらけだからな……」
普通なら目にする事がない姿。それが実の兄の姿なら、気を失っても当然か。
それからしばらくして、ウルミーシュ子爵も来て私達は、ここに居ても仕方がないからと屋敷へと帰った。
食事は食べる事は出来ず、ベッドでその日は泣いていた。
目はパンパン。
お父様とお母様は埋葬され、葬儀が行われた。
葬儀には、領主であるマスティラン侯爵とフランシスク様も参列。道路工事によって起きた事故だったので、参加したみたい。
もちろん、ルトルン伯爵家一行も参列している。
恨めしい目で見てしまう。
事故は彼らのせいではないとわかっているのに。
本来、学園の生徒も参列するものだけど、春休みだったので知らされておらず、グリンマトル伯爵の仕事関係の人達が大半だった。
プロンテヌ侯爵は、連絡したけど葬儀には時間的に間に合わない。きっと後日訪ねて来るだろう。
手紙は、葬儀が終わったころにつくだろうから。
「後は任せて、レネットは休みなさい」
「はい……」
エルダ夫人にそう言われ、婚約破棄するばずだったルトルン伯爵家を彼女に任せ、私は部屋に戻った。
後の事を考える余裕などなかったのよ。
私は、窓に近づき外を見つめる。
今日は私の気分と同じく、天気が悪い。土砂降りの雨。
お父様達はもうルトルン伯爵家に着いたかしら。
「お嬢様! 大変でございます」
ドアがノックされるのと同時に侍女の慌てた声が聞こえた。
何かあったのかしら?
「どうしたの?」
ドアを開けると侍女が青い顔して言った。
「旦那様が乗った馬車が横転したそうです」
「レネット! すぐに現場に向かうわよ」
エルダ夫人も青白い顔で言うので、慌てて頷きウルミーシュ子爵家の馬車に乗り、現場に向かう。
場所は、ルトルン領に続く道で、今道路補修中だったところ。
マスティラン領は、道路がきちんと整備されていて雨が降っても横転などする事もない。
けど、間が悪い事に工事していた為に、ぬかるみになって横転したと報告があった。
そんな事ってある?
雨さえ降っていなければ、工事さえしていなければ。ううん。ルトルン伯爵家に向かわなければこうならなかった!
ギュッとスカート握る。
私のせい?
せめて、手紙を出して彼を気に掛けていれば彼の浮気を防げた?
「大丈夫よ。お医者様もすぐに向かったと聞いたわ」
エルダ夫人がそう言うと、アンナもそうよと頷く。
雨降りのせいかアンナは、今日は家にいたのだ。
事故現場に着いて私は唖然とした。
思っていたより酷かったのだ。
馬車の車輪が取れ、馬車は立木にぶつかったようで、大破していた。
「うそ……」
私は、慌てて馬車から降りた。
人だかりが出来ている場所へと急ぐ。
そこには医者の姿も見えたからだ。
あそこに、お父様とお母様がいるに違いない。
「見ない方がいい」
突然、手を取られ止められた。
驚いて振り向くとフランシスク様だった。
「フ、フランシスク様。どうしてあなたがここに」
「私が婿入りする家が、道路などを整備する仕事に従事していて、事故が起きたと聞いて来たら君のご両親だった」
「ではフランシスク様がご連絡を?」
「いや、馬車に家紋があったからすでに連絡はしてあった。馬車はどうやら車輪が外れて、一回転してようだ」
「え……」
だからあんなにバラバラに……。
「お、お父様とお母様は?」
フランシスク様は、無情にも首を横に振ったのだ。
「いやぁ!」
私は、公衆の面前で泣き崩れた。
やっと親孝行ができる。今世は、両親と一緒に過ごせると思っていたのに!
私ではなく、両親が死んでしまうなんて!
「すまない……」
私の背を撫でながらフランシスク様がぽつりと呟いた。
「お兄様!」
エルダ夫人が、叫ぶ声が聞こえる。
「お母様!」
アンナの驚いた声で少し平常を取り戻し、声の方を見るとエルダ夫人が倒れていた。
「二人の姿を見てしまったのだろう」
「そんなに酷い姿に?」
「血だらけだからな……」
普通なら目にする事がない姿。それが実の兄の姿なら、気を失っても当然か。
それからしばらくして、ウルミーシュ子爵も来て私達は、ここに居ても仕方がないからと屋敷へと帰った。
食事は食べる事は出来ず、ベッドでその日は泣いていた。
目はパンパン。
お父様とお母様は埋葬され、葬儀が行われた。
葬儀には、領主であるマスティラン侯爵とフランシスク様も参列。道路工事によって起きた事故だったので、参加したみたい。
もちろん、ルトルン伯爵家一行も参列している。
恨めしい目で見てしまう。
事故は彼らのせいではないとわかっているのに。
本来、学園の生徒も参列するものだけど、春休みだったので知らされておらず、グリンマトル伯爵の仕事関係の人達が大半だった。
プロンテヌ侯爵は、連絡したけど葬儀には時間的に間に合わない。きっと後日訪ねて来るだろう。
手紙は、葬儀が終わったころにつくだろうから。
「後は任せて、レネットは休みなさい」
「はい……」
エルダ夫人にそう言われ、婚約破棄するばずだったルトルン伯爵家を彼女に任せ、私は部屋に戻った。
後の事を考える余裕などなかったのよ。
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