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第8話
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「無属性なの!? よくそれで」
それから私は、自分の属性の話をした。
エメリック様が凄く驚いた顔をする。
「まあ。それであのぼんくらは、魔法学園によく行かせる事にしたわね」
リサおばあ様は呆れ顔。
ぼんくらって、お父様の事よね。よく思われていないとは思ってたいけど、それなりに気は掛けてもらっている方みたいね。
全く興味がない相手なら、ぼんくらという単語すら出て来ないだろうから。
「お義母様が、受けたいのなら受けて見なさいって言って下さったの」
「あの女狐め!」
私の言葉を聞くと、リサおばあ様の目が三角になった。怖い顔になっているわよ、リサおばあ様。
「おばあ様。顔が怖いよ。ファビアが怯えている。まあ、どうだろうとは思うけど、そのお陰で魔法博士になったのだし」
私の才能に気が付いて言ったわけではないからね。きっと、今のを聞いて、何か裏があったのだろうとリサおばあ様は思ったのよね。私もそう思ったのだし。
「ごめんなさいね。でもまあ、彼女のお陰でこうして魔法博士になったのだものね」
さっきから魔法博士にって言ってるけどまだですからね。
「あのね、私はまだ魔法博士にはなってないわ」
「うん。でも卒業したらなれるんだよね?」
エメリック様の言葉に、私はこくんと頷く。
「でもね、入学した半分ほどしか最終的に魔法博士にはなれないんだって」
「まあ。学校に行って勉強しても半分しかなれない程難しいのね。ファビア。私達はあなたを応援するわ。何か必要な物や事があったら遠慮せずに言うのよ。不正以外の事なら何でも叶えてあげるわ」
「ありがとうございます」
ちゃんと不正はダメって言うところが好きよ、リサおばあ様。
「ここから通わせて頂けるだけで、大変助かりますわ」
「ここからなら30分で行けるから大分違うよね。もう日が暮れて来たから中に入ろうか。君の部屋まで案内するよ」
「ありがとうございます。エメリック様」
「おいで」
エメリック様は、立ち上がった。
リサおばあ様も立ち上がったので、私も立ち上がり屋敷の中へと入る。
魔法のお話なんて、初めてしたかも。楽しかったなぁ。あっという間に時間が過ぎて行った。
日が暮れたという事は、夜7時ぐらいよね。
そう言えば、お父様が荷物を取ってこっちに来るとなると、9時過ぎかしら。
明日届けてもらえばよかったかしら。それから帰ったら夜中になるわね。
部屋は2階の奥。
驚く事に凄く広い。寝室とお風呂場も部屋続きにあり、しかもリラックスルームだと言って、図書館なみに本棚がある部屋が用意されていた。
「趣味の部屋に使うといいよ。ここにいる時は、出来るだけ邪魔しないように言ってあるから」
「あ、ありがとうございます。私の為にここまでしていただいて……」
私的には、寝泊まり出来ればいいのだけど、侯爵家としてはそうもいかないわよね。
「あ、そうそう。君の専属侍女の事だけど、うちの侍女からでいいかな? 子爵家から連れて来てもいいけど」
「いえ、それはいりません」
「え? なぜ?」
「前からおりませんし」
そう言うと、凄く驚かれた。
まあ侯爵家だとあり得ないのかもしれないけど。
子爵家なら居てもおかしくないのだけど、私には必要なかったから。身の回りの事は自分自身でしていたし。
「そうなんだ。では、こちらで選んでおくらか。遠慮しなくていいからね。気兼ねに頼める相手だと思って」
「はい……」
別に遠慮はしていない。いらないんだけどな。
◇
待っていたディナーの時間になった。リサおばあ様の隣に当主のココドーネ侯爵、リサおばあ様向かい側にエメリック様、その横にココドーネ侯爵夫人で、更にその横に私。
たまに真横から凄い視線が飛んでくる。怖い。
気にしてはダメよ。食事に味がなくなるわ。
鈍感な子供のフリをして、気づかないフリをしないと。
一応、ディナーの嗜みも習っておいてよかったわ。私自身も、ガチャガチャ音を立てて食べるのは好きではないし。
「お義母様。本当にこの子を住まわせる気ですか? 変な噂が立たないかしら?」
チラッとココドーネ侯爵夫人が私を見る。
そうよね。やっぱりそうよね。気に入らないわよね。
「一体どんな噂が立つと言うのかしら?」
「エメリックの相手なのかしらって。そんな噂が立ったらエメリックの婚約者のドングニ伯爵家に申し訳ないわ。まるでここから通う為に、魔法学園に入学したようなものですものね」
そう言うと、隣に座る私をギロリと睨む。
さすがに私も動きが止まった。
リサおばあ様とエメリック様が優しいから大丈夫かと思ったけど、やはり貴族の洗礼を受けたわ。
きっと継母の仕業だと思っているのよね。全く違うのだけど。
美味しかった食事が途端に味がしなくなったのだった――。
それから私は、自分の属性の話をした。
エメリック様が凄く驚いた顔をする。
「まあ。それであのぼんくらは、魔法学園によく行かせる事にしたわね」
リサおばあ様は呆れ顔。
ぼんくらって、お父様の事よね。よく思われていないとは思ってたいけど、それなりに気は掛けてもらっている方みたいね。
全く興味がない相手なら、ぼんくらという単語すら出て来ないだろうから。
「お義母様が、受けたいのなら受けて見なさいって言って下さったの」
「あの女狐め!」
私の言葉を聞くと、リサおばあ様の目が三角になった。怖い顔になっているわよ、リサおばあ様。
「おばあ様。顔が怖いよ。ファビアが怯えている。まあ、どうだろうとは思うけど、そのお陰で魔法博士になったのだし」
私の才能に気が付いて言ったわけではないからね。きっと、今のを聞いて、何か裏があったのだろうとリサおばあ様は思ったのよね。私もそう思ったのだし。
「ごめんなさいね。でもまあ、彼女のお陰でこうして魔法博士になったのだものね」
さっきから魔法博士にって言ってるけどまだですからね。
「あのね、私はまだ魔法博士にはなってないわ」
「うん。でも卒業したらなれるんだよね?」
エメリック様の言葉に、私はこくんと頷く。
「でもね、入学した半分ほどしか最終的に魔法博士にはなれないんだって」
「まあ。学校に行って勉強しても半分しかなれない程難しいのね。ファビア。私達はあなたを応援するわ。何か必要な物や事があったら遠慮せずに言うのよ。不正以外の事なら何でも叶えてあげるわ」
「ありがとうございます」
ちゃんと不正はダメって言うところが好きよ、リサおばあ様。
「ここから通わせて頂けるだけで、大変助かりますわ」
「ここからなら30分で行けるから大分違うよね。もう日が暮れて来たから中に入ろうか。君の部屋まで案内するよ」
「ありがとうございます。エメリック様」
「おいで」
エメリック様は、立ち上がった。
リサおばあ様も立ち上がったので、私も立ち上がり屋敷の中へと入る。
魔法のお話なんて、初めてしたかも。楽しかったなぁ。あっという間に時間が過ぎて行った。
日が暮れたという事は、夜7時ぐらいよね。
そう言えば、お父様が荷物を取ってこっちに来るとなると、9時過ぎかしら。
明日届けてもらえばよかったかしら。それから帰ったら夜中になるわね。
部屋は2階の奥。
驚く事に凄く広い。寝室とお風呂場も部屋続きにあり、しかもリラックスルームだと言って、図書館なみに本棚がある部屋が用意されていた。
「趣味の部屋に使うといいよ。ここにいる時は、出来るだけ邪魔しないように言ってあるから」
「あ、ありがとうございます。私の為にここまでしていただいて……」
私的には、寝泊まり出来ればいいのだけど、侯爵家としてはそうもいかないわよね。
「あ、そうそう。君の専属侍女の事だけど、うちの侍女からでいいかな? 子爵家から連れて来てもいいけど」
「いえ、それはいりません」
「え? なぜ?」
「前からおりませんし」
そう言うと、凄く驚かれた。
まあ侯爵家だとあり得ないのかもしれないけど。
子爵家なら居てもおかしくないのだけど、私には必要なかったから。身の回りの事は自分自身でしていたし。
「そうなんだ。では、こちらで選んでおくらか。遠慮しなくていいからね。気兼ねに頼める相手だと思って」
「はい……」
別に遠慮はしていない。いらないんだけどな。
◇
待っていたディナーの時間になった。リサおばあ様の隣に当主のココドーネ侯爵、リサおばあ様向かい側にエメリック様、その横にココドーネ侯爵夫人で、更にその横に私。
たまに真横から凄い視線が飛んでくる。怖い。
気にしてはダメよ。食事に味がなくなるわ。
鈍感な子供のフリをして、気づかないフリをしないと。
一応、ディナーの嗜みも習っておいてよかったわ。私自身も、ガチャガチャ音を立てて食べるのは好きではないし。
「お義母様。本当にこの子を住まわせる気ですか? 変な噂が立たないかしら?」
チラッとココドーネ侯爵夫人が私を見る。
そうよね。やっぱりそうよね。気に入らないわよね。
「一体どんな噂が立つと言うのかしら?」
「エメリックの相手なのかしらって。そんな噂が立ったらエメリックの婚約者のドングニ伯爵家に申し訳ないわ。まるでここから通う為に、魔法学園に入学したようなものですものね」
そう言うと、隣に座る私をギロリと睨む。
さすがに私も動きが止まった。
リサおばあ様とエメリック様が優しいから大丈夫かと思ったけど、やはり貴族の洗礼を受けたわ。
きっと継母の仕業だと思っているのよね。全く違うのだけど。
美味しかった食事が途端に味がしなくなったのだった――。
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