“足りない”令嬢だと思われていた私は、彼らの愛が偽物だと知っている。

 レーナは、婚約者であるアーベルと妹のマイリスから書類にサインを求められていた。

 その書類は見る限り婚約解消と罪の自白が目的に見える。

 ただの婚約解消ならばまだしも、後者は意味がわからない。覚えもないし、やってもいない。

 しかし彼らは「名前すら書けないわけじゃないだろう?」とおちょくってくる。

 それを今までは当然のこととして受け入れていたが、レーナはこうして歳を重ねて変わった。

 彼らに馬鹿にされていることもちゃんとわかる。しかし、変わったということを示す方法がわからないので、一般貴族に解放されている図書館に向かうことにしたのだった。

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