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第12話
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はぁっと大きなため息をついていると、マリーが大人達を引き連れて現れた。その中にエメリック様の姿もある。
「ファビア。マリーを苛めてはダメよ」
困り顔で継母が言う。
苛めていない事はわかっているくせにね。わざとらしい。
「変な事を言うので諫めただけです」
「そう。マリー。ただの喧嘩だったみたいね」
反発して言えば、継母が慌ててそう言った。マリーが何をしたのかを言われるのを恐れているのかもしれないわね。
下手したら出禁になるかもしれないもの。
「どんな姉妹喧嘩だったのかしらね。興味があるわ。ローレット。あなた知っている?」
「はい。奥様」
私に聞いたのなら継母やお父様が止められるけど、ここの使用人に聞かれたら止める事は二人には無理ね。リサおばあ様も止める気はなさそう。
もしかしたら継母達を出禁にしたいのかも。
「広くていいなとマリー様がおっしゃると、ファビア様は私の部屋だから無理よとおっしゃったのです」
はい? 言葉のチョイスが変じゃない? それでは、私が我儘娘じゃない。
侯爵夫人がニヤリとしている。なるほど。私を追い出そうと画策している時にちょうど、三人が訪ねて来てってところね。
二人は、阿吽の呼吸だこと。
さてどうしようかな。マリーがなんて言ったかがわからないけど、継母が否定していないという事は、もしかしたら内容は言っていないのかもね。
私が苛めたと泣き喚いたのかな?
でもなんて反論しよう。ここで三年間過ごすつもりだから侯爵夫人との仲を拗らせたくなんだけどなぁ。
「ファビア。ローレットの言っている事に間違いはない? あなただけに話を聞かないのは不公平ですもの。彼女勘違いが多いようだから、あなたの言葉で聞きたいわ」
思い悩んでいると、リサおばあ様がそう言ってくれた。これなら言いやすいわ。
前にローレットを庇ったと思っているだろうけど、彼女を庇ったのではなく、私が住みやすい選択をしただけ。今回もそうするわ。
「はい。リサおばあ様。私も驚いています。マリーは、はっきりと言わないとわからない子なので、はっきりと言ったつもりだったのですが、それでも苛められたと言ったようですし。ローレットまで勘違いするなんて、私の言い方が悪かったようですわ」
そこで少ししょんぼりしてみせる。
「私は部外者で借りているだけ、確認しないと住めないわよって言ったのだけど……」
「おや、ローレットは小さな子と同じ思考回路なのかね」
リサおばあ様が、ギロリとローレットを睨む。
今回も彼女を庇うと思ったのでしょうけど、自分に都合がいいから前回は庇っただけですもの。
「申し訳ありません。勘違いをしてしまったようです」
慌ててローレットが謝った。
「そうだ、マリー。今、確認をしてみたらどう?」
わざとそう言ってみる。
マリーはきっと、今の状況を把握していないので、そのまま聞くでしょう。そうなれば、継母共々出禁になるかもしれないわ!
「確認するまでもありませんわ。ファビアは、魔法学園に通う為に住まわせて頂いているのですもの。マリーには、言ってきかせますわ」
慌てて継母がそう言う。
「じゃ私も魔法学園に入る!」
「え……」
マリーの言葉に継母は驚いた顔をする。
魔法学園がどういう学校かわかっているのかしら? それに血の繋がりがないあなたを住まわせてくれるとは限らないわよ。いや、ないわね。
リサおばあ様も侯爵夫人も反対するでしょう。
その前に、絶対に受からないけどね。
「そうすれば、ここに住めるのよね?」
「どういう教育をすると、そんなに図々しくなるのかしらね」
侯爵夫人が冷ややかな視線を継母達に向けた。
「ファビアは良くて、どうして私はダメなの?」
「あなたは、魔法学園には行けないのよ」
「どうして?」
納得できないマリーは、継母に聞いている。
いつもマリーの方が出来るとか、マリーばかり褒めるからこういう時に困るのよね。聞いているこっちが恥ずかしいわよ。
「マリー、あなたは魔力がないでしょう? だから魔法学園に
合格できないわ」
「「え!」」
マリーを諦めさせる為に私がはっきり言うと、ココドーネ侯爵家一同は、驚きの表情になった。
「ないですって……」
侯爵夫人が、信じられないという表情で呟く。
まあ貴族で魔力なしなんて、平民が魔力を持っている事よりも驚きな事だものね。
その昔、魔物が存在していた。
――と、魔法の本に書いてあった。
ドレスは要らないから本が読みたいと言って取り寄せてもらい、ドレスより安いのですぐに買ってもらえた。
魔法の本だけ買ってもらうと魔法に興味があるのかと、バレてしまうので色んな本を買ってもらったわ。そこは抜かりない。
その魔法の本には、貴族が魔法を使えて魔物退治をしていたと書いてあった。どうして平民が魔法を使えない(魔力なし)なのかは書かれていなかったけど。
どんなに魔力が少なかろうとも魔力持ち同士の子供は、魔力を持って生まれたようで、貴族で魔力なしの子はいなかった。平民との間に子を儲けなければ……。
魔力なしと魔力ありの間に、魔力なしの子が産まれる確率は50%。半分の確率だったらしい。
この事は、教育として教わったわけではなく、魔法の本を読んで知った事。
つまり、お父様も知らなかったと思われる。昔はいざ知らず、今は特段必要ない知識なのかもしれない。
私は、本を読んだので知っていたけど、リサおばあ様と公爵夫人はご存じだったようね。
「ファビア。マリーを苛めてはダメよ」
困り顔で継母が言う。
苛めていない事はわかっているくせにね。わざとらしい。
「変な事を言うので諫めただけです」
「そう。マリー。ただの喧嘩だったみたいね」
反発して言えば、継母が慌ててそう言った。マリーが何をしたのかを言われるのを恐れているのかもしれないわね。
下手したら出禁になるかもしれないもの。
「どんな姉妹喧嘩だったのかしらね。興味があるわ。ローレット。あなた知っている?」
「はい。奥様」
私に聞いたのなら継母やお父様が止められるけど、ここの使用人に聞かれたら止める事は二人には無理ね。リサおばあ様も止める気はなさそう。
もしかしたら継母達を出禁にしたいのかも。
「広くていいなとマリー様がおっしゃると、ファビア様は私の部屋だから無理よとおっしゃったのです」
はい? 言葉のチョイスが変じゃない? それでは、私が我儘娘じゃない。
侯爵夫人がニヤリとしている。なるほど。私を追い出そうと画策している時にちょうど、三人が訪ねて来てってところね。
二人は、阿吽の呼吸だこと。
さてどうしようかな。マリーがなんて言ったかがわからないけど、継母が否定していないという事は、もしかしたら内容は言っていないのかもね。
私が苛めたと泣き喚いたのかな?
でもなんて反論しよう。ここで三年間過ごすつもりだから侯爵夫人との仲を拗らせたくなんだけどなぁ。
「ファビア。ローレットの言っている事に間違いはない? あなただけに話を聞かないのは不公平ですもの。彼女勘違いが多いようだから、あなたの言葉で聞きたいわ」
思い悩んでいると、リサおばあ様がそう言ってくれた。これなら言いやすいわ。
前にローレットを庇ったと思っているだろうけど、彼女を庇ったのではなく、私が住みやすい選択をしただけ。今回もそうするわ。
「はい。リサおばあ様。私も驚いています。マリーは、はっきりと言わないとわからない子なので、はっきりと言ったつもりだったのですが、それでも苛められたと言ったようですし。ローレットまで勘違いするなんて、私の言い方が悪かったようですわ」
そこで少ししょんぼりしてみせる。
「私は部外者で借りているだけ、確認しないと住めないわよって言ったのだけど……」
「おや、ローレットは小さな子と同じ思考回路なのかね」
リサおばあ様が、ギロリとローレットを睨む。
今回も彼女を庇うと思ったのでしょうけど、自分に都合がいいから前回は庇っただけですもの。
「申し訳ありません。勘違いをしてしまったようです」
慌ててローレットが謝った。
「そうだ、マリー。今、確認をしてみたらどう?」
わざとそう言ってみる。
マリーはきっと、今の状況を把握していないので、そのまま聞くでしょう。そうなれば、継母共々出禁になるかもしれないわ!
「確認するまでもありませんわ。ファビアは、魔法学園に通う為に住まわせて頂いているのですもの。マリーには、言ってきかせますわ」
慌てて継母がそう言う。
「じゃ私も魔法学園に入る!」
「え……」
マリーの言葉に継母は驚いた顔をする。
魔法学園がどういう学校かわかっているのかしら? それに血の繋がりがないあなたを住まわせてくれるとは限らないわよ。いや、ないわね。
リサおばあ様も侯爵夫人も反対するでしょう。
その前に、絶対に受からないけどね。
「そうすれば、ここに住めるのよね?」
「どういう教育をすると、そんなに図々しくなるのかしらね」
侯爵夫人が冷ややかな視線を継母達に向けた。
「ファビアは良くて、どうして私はダメなの?」
「あなたは、魔法学園には行けないのよ」
「どうして?」
納得できないマリーは、継母に聞いている。
いつもマリーの方が出来るとか、マリーばかり褒めるからこういう時に困るのよね。聞いているこっちが恥ずかしいわよ。
「マリー、あなたは魔力がないでしょう? だから魔法学園に
合格できないわ」
「「え!」」
マリーを諦めさせる為に私がはっきり言うと、ココドーネ侯爵家一同は、驚きの表情になった。
「ないですって……」
侯爵夫人が、信じられないという表情で呟く。
まあ貴族で魔力なしなんて、平民が魔力を持っている事よりも驚きな事だものね。
その昔、魔物が存在していた。
――と、魔法の本に書いてあった。
ドレスは要らないから本が読みたいと言って取り寄せてもらい、ドレスより安いのですぐに買ってもらえた。
魔法の本だけ買ってもらうと魔法に興味があるのかと、バレてしまうので色んな本を買ってもらったわ。そこは抜かりない。
その魔法の本には、貴族が魔法を使えて魔物退治をしていたと書いてあった。どうして平民が魔法を使えない(魔力なし)なのかは書かれていなかったけど。
どんなに魔力が少なかろうとも魔力持ち同士の子供は、魔力を持って生まれたようで、貴族で魔力なしの子はいなかった。平民との間に子を儲けなければ……。
魔力なしと魔力ありの間に、魔力なしの子が産まれる確率は50%。半分の確率だったらしい。
この事は、教育として教わったわけではなく、魔法の本を読んで知った事。
つまり、お父様も知らなかったと思われる。昔はいざ知らず、今は特段必要ない知識なのかもしれない。
私は、本を読んだので知っていたけど、リサおばあ様と公爵夫人はご存じだったようね。
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