【完結】ケーキの為にと頑張っていたらこうなりました

すみ 小桜(sumitan)

文字の大きさ
26 / 83

第26話

しおりを挟む
 「レオンス様に弟が居るとは知らなかったわ」

 流れる風景を見つつ私は言った。

 「双子の弟だけどね」
 「え? 双子?」

 二卵性の双子って事よね。二人はそっくりではなかった。アマート様は、タカビーダ侯爵夫人に似ていなかったからタカビーダ侯爵似なのね。

 レオンス様がお継ぎになると言っていたわよね。だとすれば、レオンス様が魔法博士になるとなれば、アマート様が当主になる。そう世間が思ってしまったって事よね。
 でもタカビーダ侯爵は、レオンス様に継いで欲しいと思っていると……。

 あれ、そう言えば早退してきたと言っていたけど、学園に通っている?
 魔法学園には、彼はいない。そもそも今日は、魔法学園はお休みだ。
 では初等科の学園に通っているの? 侯爵家なのに? 普通家庭教師を付けるので行かないのではないの?

 「アマート様は、学園に通っていらっしゃるの?」
 「レオンスが魔法学園にに通っているからアマートには、初等科に通わせる事にしたって聞いたよ」
 「それって普通なの?」
 「うーん。普通は家庭教師を付けるかな。たぶん通っているは、伯爵家以下の子供だと思う」

 だよね。家督を継がないとは言え、どうして通わせているのかしらね。魔法学園に行っている間は、家庭教師がつかないからかしら。レオンス様に合わせたって事?
 って、他の家庭の事情を考えたって仕方ないか。私に関係ないし。

 そう思っていたのだけど、驚く展開になった。



 緊張気味のお父様にリサおばあ様、それに私が並んで座り、向かい側になんと、タカビーダ侯爵ご夫妻とレオンス様が座っている。

 真面目な顔をしていたレオンス様が、私と目が合うとニコリとほほ笑む。私は、ぎこちない笑顔を返すのが精いっぱいだ。
 どうやらこれは、お見合いらしい。いや婚約する為の顔合わせ。どうなってるの!?

 「婚約が解消になったばかりなので、少し時間を置きたい」
 「では、内々と言う事で。ファビアが貴族学園に通うタイミングで、私の養子にします」

 うん? 待って、今なんて言いましたか。リサおばあ様?

 ――今日、タカビーダ侯爵家の方がいらっしゃると言われて正装させられたと思ったら、驚く事にお父様がココドーネ侯爵家に現れて更に驚いていら、倒れそうな事をお父様から聞かされた。

 「婚約するそうだ」

 ――と。
 一体だれが? マリーが? と思ったけど、私が正装させられていて、マリーは来ていない。お父様は迎えに来たのではない様子。

 「まさか。私とレオンス様?」
 「……いや相手は、タカビーダ侯爵家としか……どういう事だ。侯爵家だなんて」
 「私に聞かれてもわかりません!」

 私の独身貴族計画が! 侯爵家が相手だと断れないじゃない。
 というか、トチ狂ったか。もうこの際、誰でもよくなったの?
 聞きたいけど、リサおばあさまは着替え中だし。
 ローレットはいないし。

 そうこうしている間に、レオンス様達が訪ねて来て、ただいま対面中。
 どうやら、この前タカビーダ侯爵家へ伺ったのは、私の事を見てもらう為だったようだ。
 一応、お眼鏡に叶ったって事でしょうかね。
 レオンス様は、私でいいのだろうか。結婚する気ないって言っていたのにな。

 「手続きをするだけとなったから、二人で少し庭でも歩いておいで」

 って、サラッと言わないでよ、リサおばあ様。

 「では、行こうか」
 「は、はい……」

 立ち上がったレオンス様の後について部屋を出て、そのまま庭園へと向かう。

 「あの……」
 「説明は、学園でするよ」
 「……はい」

 一緒にレオンス様の護衛とローレットがついて来ている。普通に会話すると聞こえる距離だ。
 聞かせられない話なのかな。一体どうなっているのか早く知りたいのだけど!

 「悪い話ではないでしょ?」
 「え……」
 「結婚したくないと思っても貴族ならしなくてはいけない」

 そうかもしれないけど。相談ぐらいしてくれもいいんじゃないかな? って、貴族の婚約ってこんなもんなのだろうか。
 結局それ以上聞けないまま、レオンス様達は帰って行った。

 「リサおばあ様。これはどういう事なのでしょうか」
 「悪い話ではないでしょう。相手は侯爵家だ。普通ならあり得ない」

 って、レオンス様と同じ様なセリフ言ってるし。

 「そ、そういう事ではなく、どうしてこうなったのでしょうかという事ですわ」

 少し困り顔でリサおばあ様は私を見た。

 「嫌だったかい?」
 「嫌……ではないですが」

 生涯結婚しないつもりでしたとは言えない。けど、相手がレオンス様なら嫌ではないかなとは思うけどさぁ!

 「貴族は、好き合った同士が結婚する事の方が珍しい。どちらかが好いていて結婚できるのもね。だから婚約中に、愛をはぐくむ。余程無理なら解消するが、私は彼ならファビアを任せられると思っているよ」
 「侯爵家の子息だからですか?」

 違うとリサおばあ様は、首を横に振る。

 「レオンスだからですよ。彼は賢い。まあ少し変わっているところもあるが、二人は気が合っている気がしてね。彼からファビアと結婚したいから協力して欲しいとお願いされたから、協力する事にしたのさ。経緯は自分で話すと言っていたから、聞くといい」

 何ですと! レオンス様からの申し出だったの?
 私のどこをそこまで気に入ったのよ。
 そういえば学園でって言っていたけど、小休み中じゃないの!
 聞けるの一週間後なのだけど……。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

婚約者が最凶すぎて困っています

白雲八鈴
恋愛
今日は婚約者のところに連行されていました。そう、二か月は不在だと言っていましたのに、一ヶ月しか無かった私の平穏。 そして現在進行系で私は誘拐されています。嫌な予感しかしませんわ。 最凶すぎる第一皇子の婚約者と、その婚約者に振り回される子爵令嬢の私の話。 *幼少期の主人公の言葉はキツイところがあります。 *不快におもわれましたら、そのまま閉じてください。 *作者の目は節穴ですので、誤字脱字があります。 *カクヨム。小説家になろうにも投稿。

【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される

風子
恋愛
ブルボマーナ国の第二王女アリアンは絶世の美女だった。 しかし側妃の娘だと嫌われて、正妃とその娘の第一王女から虐げられていた。 そんな時、隣国から王太子がやって来た。 王太子ヴィルドルフは、アリアンの美しさに一目惚れをしてしまう。 すぐに婚約を結び、結婚の準備を進める為に帰国したヴィルドルフに、突然の婚約解消の連絡が入る。 アリアンが王宮を追放され、修道院に送られたと知らされた。 そして、新しい婚約者に第一王女のローズが決まったと聞かされるのである。 アリアンを諦めきれないヴィルドルフは、お忍びでアリアンを探しにブルボマーナに乗り込んだ。 そしてある夜、2人は運命の再会を果たすのである。

世界一美しい妹にせがまれるので婚約破棄される前に諦めます~辺境暮らしも悪くない~

tartan321
恋愛
美しさにかけては恐らく世界一……私の妹は自慢の妹なのです。そして、誰もがそれを認め、私は正直言って邪魔者なのです。でも、私は長女なので、王子様と婚約することになる運命……なのですが、やはり、ここは辞退すべきなのでしょうね。 そもそも、私にとって、王子様との婚約はそれほど意味がありません。私はもう少し静かに、そして、慎ましく生活できればいいのです。 完結いたしました。今後は後日談を書きます。 ですから、一度は婚約が決まっているのですけど……ごたごたが生じて婚約破棄になる前に、私の方から、婚約を取り下げます!!!!!!

悪役令息(冤罪)が婿に来た

花車莉咲
恋愛
前世の記憶を持つイヴァ・クレマー 結婚等そっちのけで仕事に明け暮れていると久しぶりに参加した王家主催のパーティーで王女が婚約破棄!? 王女が婚約破棄した相手は公爵令息? 王女と親しくしていた神の祝福を受けた平民に嫌がらせをした? あれ?もしかして恋愛ゲームの悪役令嬢じゃなくて悪役令息って事!?しかも公爵家の元嫡男って…。 その時改めて婚約破棄されたヒューゴ・ガンダー令息を見た。 彼の顔を見た瞬間強い既視感を感じて前世の記憶を掘り起こし彼の事を思い出す。 そうオタク友達が話していた恋愛小説のキャラクターだった事を。 彼が嫌がらせしたなんて事実はないという事を。 その数日後王家から正式な手紙がくる。 ヒューゴ・ガンダー令息と婚約するようにと「こうなったらヒューゴ様は私が幸せする!!」 イヴァは彼を幸せにする為に奮闘する。 「君は…どうしてそこまでしてくれるんだ?」「貴方に幸せになってほしいからですわ!」 心に傷を負い悪役令息にされた男とそんな彼を幸せにしたい元オタク令嬢によるラブコメディ! ※ざまぁ要素はあると思います。 ※何もかもファンタジーな世界観なのでふわっとしております。

【完結】引きこもりが異世界でお飾りの妻になったら「愛する事はない」と言った夫が溺愛してきて鬱陶しい。

千紫万紅
恋愛
男爵令嬢アイリスは15歳の若さで冷徹公爵と噂される男のお飾りの妻になり公爵家の領地に軟禁同然の生活を強いられる事になった。 だがその3年後、冷徹公爵ラファエルに突然王都に呼び出されたアイリスは「女性として愛するつもりは無いと」言っていた冷徹公爵に、「君とはこれから愛し合う夫婦になりたいと」宣言されて。 いやでも、貴方……美人な平民の恋人いませんでしたっけ……? と、お飾りの妻生活を謳歌していた 引きこもり はとても嫌そうな顔をした。

ヤンキー、悪役令嬢になる

山口三
恋愛
岸田和華(きしだわか)は異世界に飛ばされた。自分が読んでいた小説の悪役令嬢ジュリエットに憑依してしまったのだ。だが和華は短気でガサツで、中学高校と番を張ってたヤンキーだ。高貴な身分の貴族令嬢なんてガラじゃない。「舞踏会でダンス? 踊りなんて盆踊りしか知らないからっ」 一方、リアル世界に残された和華の中にはジュリエットが入っていて・・。

“足りない”令嬢だと思われていた私は、彼らの愛が偽物だと知っている。

ぽんぽこ狸
恋愛
 レーナは、婚約者であるアーベルと妹のマイリスから書類にサインを求められていた。  その書類は見る限り婚約解消と罪の自白が目的に見える。  ただの婚約解消ならばまだしも、後者は意味がわからない。覚えもないし、やってもいない。  しかし彼らは「名前すら書けないわけじゃないだろう?」とおちょくってくる。  それを今までは当然のこととして受け入れていたが、レーナはこうして歳を重ねて変わった。  彼らに馬鹿にされていることもちゃんとわかる。しかし、変わったということを示す方法がわからないので、一般貴族に解放されている図書館に向かうことにしたのだった。

元アラサー転生令嬢と拗らせた貴公子たち

せいめ
恋愛
 侯爵令嬢のアンネマリーは流行り病で生死を彷徨った際に、前世の記憶を思い出す。前世では地球の日本という国で、婚活に勤しむアラサー女子の杏奈であった自分を。  病から回復し、今まで家や家族の為に我慢し、貴族令嬢らしく過ごしてきたことがバカらしくなる。  また、自分を蔑ろにする婚約者の存在を疑問に感じる。 「あんな奴と結婚なんて無理だわー。」  無事に婚約を解消し、自分らしく生きていこうとしたところであったが、不慮の事故で亡くなってしまう。  そして、死んだはずのアンネマリーは、また違う人物にまた生まれ変わる。アンネマリーの記憶は殆ど無く、杏奈の記憶が強く残った状態で。  生まれ変わったのは、アンネマリーが亡くなってすぐ、アンネマリーの従姉妹のマリーベルとしてだった。  マリーベルはアンネマリーの記憶がほぼ無いので気付かないが、見た目だけでなく言動や所作がアンネマリーにとても似ていることで、かつての家族や親族、友人が興味を持つようになる。 「従姉妹だし、多少は似ていたっておかしくないじゃない。」  三度目の人生はどうなる⁈  まずはアンネマリー編から。 誤字脱字、お許しください。 素人のご都合主義の小説です。申し訳ありません。

処理中です...