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第76話
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ルイス様だけではなく、私達もこの後こってり叱られた。
まず拾って聞いた情報を脅しの様に使った事は、言語道断。
自分達で解決しようとしないで、記憶した内容を大人に聞かせていれば、学園舞踏会の出来事は起きていなかっただろうと。
私達は、落とした魔法陣でベビット殿下だけ悪者になった事に困惑し悩んでいた所に、舞踏会の事件があって、言い出せなくなっていた。という打ち合わせはすでにしてあったのだ。
ただ、魔法陣に記憶されている声の細工に時間がかかって、終わった所にガムン公爵が仕掛けて来た。
もしガムン公爵が仕掛けて来なければ、フロール嬢に陛下に全て話すと言って、一緒に謝ろうと提案するつもりだったのだ。
「君達には、何て礼を言ったらいいのか。ありがとう。僕は、意固地になっていた。闇魔法だって使いようがあるってね」
「独学であれだけ出来れば、証明した事になるのですが。今回は、ファビアの研究にしてしまいましたからね。申し訳ありません」
「いや、お陰で助かった。下手したら僕は、貴族でなくなっていたかもしれない。なぜあんな馬鹿な事をしたのか……」
ノーモノミヤ公爵は、色々やる事があると部屋を出て行ったので私達はこっそりと話し合っていた。
「俺もあんなところに仕掛けるなんて驚きましたが、そのお陰でこちらも助かりましたから」
「彼女はどうなりますかね……」
「ベビット殿下の時は、俺を引き留めただけ。ガムン公爵が何を企んでいたかなんて知らなかったと言えば、お咎めなしだろうけど、舞踏会の事はわかっていて加担している。けどそれは、あなたに危害を加える目的ではなく、自身があなたの妻になる為。けど反省して、暴露しようとして捕らえられていたとなれば、罰は軽くはなるでしょう」
「だといいんだが。あの時、全てを聞かせていれば、ガムン公爵の悪事をあの場で暴けた。僕も罰を受けただろうけどね」
「だけどチャンスと捉え、魔物を倒せば盗聴器の事がチャラになると考えた。お子様の考えだな」
お子様のってところはボソッと呟いたからルイス様には聞こえてないみたいね。
ルイス様は、しょんぼりとしている。
まあ、爵位を継がせるかどうか、考えると言われればそうなるよね。
ベビット殿下の事が明るみに出れば、ルイス様のした事も知れるかもしれない。
そうなれば、姉に跡を継がせるって事になる可能性もある。
「ノーモノミヤ公。首尾はどうだ」
気が付けば、ノーモノミヤ公爵は戻って来ていた。
「はい。問題なく」
「では、打ち合わせをしよう」
「はい。君達も兵士に遅らせるから少し待っている様に」
陛下がフロール嬢と戻って来ると、ノーモノミヤ公爵と出て行く。
「三人共ごめんなさい」
フロール嬢が近づいてくると頭を下げ謝った。
「私もすまなかった」
ルイス様もフロール嬢に謝る。何とか和解できそうね。
「ルイス様が謝る事はありません」
「いや、私が私欲に走った為に舞踏会の事件は起きた」
「……いいえ。それは私もです。利用できると思い……」
「もしそう思わなかったとしても断れましたか?」
「そ、それは」
ルイス様の質問にフロール嬢は口ごもった。
前世の記憶があったとしても、それは無理でしょうね。親子といっても子爵家令嬢と公爵だもの。
そもそも娘を大事に思っているのなら頼まない内容だものね。
「ところでフロール嬢。聞いたのだろう。もう一つの秘密、話してくれないか」
「え……」
レオンス様。まさかそれが聞きたくて、陛下に言ったの? 凄すぎる。
「なるほどね。知っていても知る機会がなければ、って事よね。でも、ここでは無理ですわ」
「そうか。なら一緒に帰ろう」
馬車の中で話せというのね。
魔法で音を遮断すれば、誰にも聞かれない。
「そこまでして知りたいの? 世の中、知らない方がいい事ってあると思うの」
「ここまで来たら知っておきたい。悪い事に使わないからさ」
「そうね。わかったわ」
「……一体何の話なんだ。君にまだ秘密があるのか」
レオンス様とフロール嬢のやり取りを聞いていたルイス様が、二人を驚いた顔で見ていた。
「お気になさらずに。ルイス様は知らない方がいいと思われるから」
「そう思うなら、もっと見えない所ですればいいのに」
「それもそうだったな。俺も疲れてるんだ」
「さいですか」
「あなた方が羨ましい。恋人の様で」
「いや、恋人だろう」
「婚約者と恋人は違うわ。ね、ファビア様」
ねって言われても!
「「顔真っ赤」」
どうして二人共そう言う所は息が合うのかしらね!
あの仏頂面のルイス様が、私達を見て笑っている。思ったよりあどけない笑顔で可愛いわ。
――◆――◇――◆――
本当にあの娘が盗聴器を作っていたなんて! つい、カーっとなって、貶めようとしたばかりに。
私は、なんて間抜けなのだ。うん?
「おや、ナタリオ様。こんなところまで足を運んで、何かありましたかな?」
ベッド付きだとは言え、ここは鉄格子で区切られた部屋。そう牢獄だ。
やはりエイデース帝国に知れていたのか。
「お前に聞きたい事がある」
「なんでしょうか」
「フロール嬢の母親はどこにいる」
「彼女なら死にましたよ」
ナタリオが、目を細めた。
「それは本当か」
「本当ですが。ところでそのような事をわざわざここまで聞きにいらっしゃったのですか?」
「フロール嬢は、あなたの子ではないな?」
「調べたのでしょう? 私の隠し子ですよ」
「調べたから聞いている」
「そうですか。でも彼女は本当に死んだのです。だからフロールを私の隠し子とした。放っておけば、無害です。それとも、戦争でも起こす気ですか?」
何も答えず、ナタリオは去っていく。
牢獄とは言え、最上階にある部屋だ。門番もここに通じる階段にしかいない。
だとしても、ここに来るとはな。侮れん。
知れたと陛下にお伝えした方がいいかもしれないが、さて私の言う事に耳を傾けるかだな。
まず拾って聞いた情報を脅しの様に使った事は、言語道断。
自分達で解決しようとしないで、記憶した内容を大人に聞かせていれば、学園舞踏会の出来事は起きていなかっただろうと。
私達は、落とした魔法陣でベビット殿下だけ悪者になった事に困惑し悩んでいた所に、舞踏会の事件があって、言い出せなくなっていた。という打ち合わせはすでにしてあったのだ。
ただ、魔法陣に記憶されている声の細工に時間がかかって、終わった所にガムン公爵が仕掛けて来た。
もしガムン公爵が仕掛けて来なければ、フロール嬢に陛下に全て話すと言って、一緒に謝ろうと提案するつもりだったのだ。
「君達には、何て礼を言ったらいいのか。ありがとう。僕は、意固地になっていた。闇魔法だって使いようがあるってね」
「独学であれだけ出来れば、証明した事になるのですが。今回は、ファビアの研究にしてしまいましたからね。申し訳ありません」
「いや、お陰で助かった。下手したら僕は、貴族でなくなっていたかもしれない。なぜあんな馬鹿な事をしたのか……」
ノーモノミヤ公爵は、色々やる事があると部屋を出て行ったので私達はこっそりと話し合っていた。
「俺もあんなところに仕掛けるなんて驚きましたが、そのお陰でこちらも助かりましたから」
「彼女はどうなりますかね……」
「ベビット殿下の時は、俺を引き留めただけ。ガムン公爵が何を企んでいたかなんて知らなかったと言えば、お咎めなしだろうけど、舞踏会の事はわかっていて加担している。けどそれは、あなたに危害を加える目的ではなく、自身があなたの妻になる為。けど反省して、暴露しようとして捕らえられていたとなれば、罰は軽くはなるでしょう」
「だといいんだが。あの時、全てを聞かせていれば、ガムン公爵の悪事をあの場で暴けた。僕も罰を受けただろうけどね」
「だけどチャンスと捉え、魔物を倒せば盗聴器の事がチャラになると考えた。お子様の考えだな」
お子様のってところはボソッと呟いたからルイス様には聞こえてないみたいね。
ルイス様は、しょんぼりとしている。
まあ、爵位を継がせるかどうか、考えると言われればそうなるよね。
ベビット殿下の事が明るみに出れば、ルイス様のした事も知れるかもしれない。
そうなれば、姉に跡を継がせるって事になる可能性もある。
「ノーモノミヤ公。首尾はどうだ」
気が付けば、ノーモノミヤ公爵は戻って来ていた。
「はい。問題なく」
「では、打ち合わせをしよう」
「はい。君達も兵士に遅らせるから少し待っている様に」
陛下がフロール嬢と戻って来ると、ノーモノミヤ公爵と出て行く。
「三人共ごめんなさい」
フロール嬢が近づいてくると頭を下げ謝った。
「私もすまなかった」
ルイス様もフロール嬢に謝る。何とか和解できそうね。
「ルイス様が謝る事はありません」
「いや、私が私欲に走った為に舞踏会の事件は起きた」
「……いいえ。それは私もです。利用できると思い……」
「もしそう思わなかったとしても断れましたか?」
「そ、それは」
ルイス様の質問にフロール嬢は口ごもった。
前世の記憶があったとしても、それは無理でしょうね。親子といっても子爵家令嬢と公爵だもの。
そもそも娘を大事に思っているのなら頼まない内容だものね。
「ところでフロール嬢。聞いたのだろう。もう一つの秘密、話してくれないか」
「え……」
レオンス様。まさかそれが聞きたくて、陛下に言ったの? 凄すぎる。
「なるほどね。知っていても知る機会がなければ、って事よね。でも、ここでは無理ですわ」
「そうか。なら一緒に帰ろう」
馬車の中で話せというのね。
魔法で音を遮断すれば、誰にも聞かれない。
「そこまでして知りたいの? 世の中、知らない方がいい事ってあると思うの」
「ここまで来たら知っておきたい。悪い事に使わないからさ」
「そうね。わかったわ」
「……一体何の話なんだ。君にまだ秘密があるのか」
レオンス様とフロール嬢のやり取りを聞いていたルイス様が、二人を驚いた顔で見ていた。
「お気になさらずに。ルイス様は知らない方がいいと思われるから」
「そう思うなら、もっと見えない所ですればいいのに」
「それもそうだったな。俺も疲れてるんだ」
「さいですか」
「あなた方が羨ましい。恋人の様で」
「いや、恋人だろう」
「婚約者と恋人は違うわ。ね、ファビア様」
ねって言われても!
「「顔真っ赤」」
どうして二人共そう言う所は息が合うのかしらね!
あの仏頂面のルイス様が、私達を見て笑っている。思ったよりあどけない笑顔で可愛いわ。
――◆――◇――◆――
本当にあの娘が盗聴器を作っていたなんて! つい、カーっとなって、貶めようとしたばかりに。
私は、なんて間抜けなのだ。うん?
「おや、ナタリオ様。こんなところまで足を運んで、何かありましたかな?」
ベッド付きだとは言え、ここは鉄格子で区切られた部屋。そう牢獄だ。
やはりエイデース帝国に知れていたのか。
「お前に聞きたい事がある」
「なんでしょうか」
「フロール嬢の母親はどこにいる」
「彼女なら死にましたよ」
ナタリオが、目を細めた。
「それは本当か」
「本当ですが。ところでそのような事をわざわざここまで聞きにいらっしゃったのですか?」
「フロール嬢は、あなたの子ではないな?」
「調べたのでしょう? 私の隠し子ですよ」
「調べたから聞いている」
「そうですか。でも彼女は本当に死んだのです。だからフロールを私の隠し子とした。放っておけば、無害です。それとも、戦争でも起こす気ですか?」
何も答えず、ナタリオは去っていく。
牢獄とは言え、最上階にある部屋だ。門番もここに通じる階段にしかいない。
だとしても、ここに来るとはな。侮れん。
知れたと陛下にお伝えした方がいいかもしれないが、さて私の言う事に耳を傾けるかだな。
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