【完結】ケーキの為にと頑張っていたらこうなりました

すみ 小桜(sumitan)

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第75話

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 口供室は、騒然となった。
 前代未聞でしょうね。宰相が学生をいや、他国の王子まで嵌めて悪事を働いたなんて。

 「三人共すまなかった。まさか彼がこんな事を行うなんて。しかし、なぜこんな事をしたのか」

 まあ、色々とゲーム内の情報を使ってフロール嬢が動かした結果なのでしょうけど。

 「いえ。最後に信じて頂き感謝します」
 「して、その彼女の魔法の事なのだが」
 「研究していて偶然見つけたものです。ただ闇魔法でしか使えなかったのを彼が改良していて、あの時は驚きました」

 なぜか、陛下の言葉にレオンス様が受け答えしている。

 「そうか。だがしかし、この事が知られると狙われる可能性がある。盗聴器の事は他に漏らさない様に!」
 「「っは」」

 兵士達も返事を返した。

 「これからの事だが、ノーモノミヤ公。あなたに宰相代理を頼みたい」
 「っは。承知しました」
 「さて、フロール嬢。ガムン公爵に加担したと先ほど述べていたが、脅されたのか」
 「いえ。お願いされ、実行致しました」

 フロール嬢は、俯いてギュッと握りこぶしを作っている。
 よく考えれば、彼女が最初からここに居ても、ガムン公爵の罪を暴こうとしていたのなら同じ結果になっていたのよね。
 こうなる事を覚悟していた。
 もう幸せになる事は無理だと思ったのかしら。

 「陛下、フロール嬢の事に関してお伝えしたい事がございます。発言宜しいでしょうか」
 「うむ。聞こう」

 レオンス様は、臆することなく陛下を見つめ発言を始めた。

 「フロール嬢は、ファビアに今日昼に私達を捕らえに来ると伝えてくれました。そのお陰で、魔法陣を研究室から移す事が出来たのです。それと、ガムン公爵の不正の証にと、学園舞踏会の時にこれを渡されておりました」

 レオンス様は、懐から小瓶を出した。
 お酒が入っていると言っていた小瓶だ。
 兵士が受け取ると、陛下に渡す。

 「ふむ」

 陛下は、小瓶に目を落とした。

 「これは、ガムン公爵に渡されたものなのか」
 「はい……。酔わされたフリをしろと」
 「では、ルイスを貶めるとわかっていて協力したという事だな」
 「はい……」
 「陛下、その事なのですが……」

 レオンス様はそう言うと、チラッとフロール嬢を見た。目が合うとフロール嬢は、目を逸らし俯く。

 「彼女は、盗聴器に録音されていたようにルイス様に襲われたではなく、逢引きをしていたように見せるつもりだったのです」
 「うーむ。しかしだなぁ」

 陛下は、レオンス様の言葉を聞くとノーモノミヤ公爵を見た。

 「彼女もガムン公爵に言われれば、従うしかなかったでしょう。ただなぜ、彼がルイスを嵌めようと思ったのかがわかりませんが」
 「父上、それについては私が悪いのです」
 「悪いとは?」

 ルイス様が、直角になるほど頭を下げた。

 「実は、ファビア嬢だけ解放してほしいとお願いする時に、録音を聞かせました。彼女が落としたのは知っていたので、その……申し訳ありませんでした!」
 「なんだと!? なぜ、そんな行動を取ったのだ! それによりこのような事態になったのだぞ! 陛下、愚息が申し訳ありません」

 ノーモノミヤ公爵も陛下にビシッと頭を下げる。

 「申し訳ありませんでした。彼女に要らぬ罪を追わせてしまいました」

 ルイス様も陛下に頭を下げた。
 理由は違うけど、私を助けた事はガムン公爵から知れる事だから、この場で謝る事にはなっていたけど、フロール嬢に罪を追わせてしまったというセリフはなかった。
 ルイス様がそう感じたって事かしら。

 「いえ。私が公爵が父だと嬉しくなって、隠れて文通した結果です」
 「そなたは、いつ知ったのだ。公爵から教わったのか」

 違うとフロール嬢は首を横に振る。

 「いいえ。貴族学園に入学して気が付いたのです。普通では、これだけの教育を受けられないと。それでガムン公爵に行き当たり、お手紙をお出ししたところ、そうだとお返事を頂いて……」
 「困ったものだ。知れたと言わずに利用するなど……」

 陛下がボソッと呟いた。
 やっぱり、ガムン公爵とフロール嬢の関係を最初から知っていたのね。陛下の子でもなさそう。

 「陛下、生意気な事を言う事をお許しください。フロール嬢に、本当の事を話してあげてくれませんか」
 「な、なに……」

 驚いて陛下がレオンス様を見つめると、レオンス様はそれをしっかり受け止めた。

 「私は、何があったかはもちろん知りません。ですが、何となくそのような気がして……。ただの勘です。的外れでしたら申し訳ありません」
 「いや。フロール嬢。場所を移そう。ノーモノミヤ公、後は頼んだぞ」
 「っは」

 二人が出て行く姿を私達は見送った。

 「レオンス、君は何を知っている」
 「先ほど言った様に、何も知りません。本当ですよ。ただ、何となく違和感があったものですから」

 ノーモノミヤ公爵の問いに、令息スマイルでレオンス様が答える。

 「まったく君は、息子より一つ上だとは思えないな」

 精神年齢は、もっと上ですからね。彼も。

 ――◆――◆――◆――

 ふう。疲れたぁ。なんとかなったな。
 二人共学生だから、そこまで重い罰は受けないだろう。
 ただガムン公爵の失脚は、世間を騒がせるだろうな。

 問題は、そうなる前に俺達が連行されたって事だ。
 絶対に俺達が関わっていたと知れる。
 きっとフロール嬢がガムン公爵の娘だったと言う話が出回る事だろう。

 まあフロール嬢が、ガムン公爵を動かそうなんて思わなければこうはならなかっただろうな。
 乙女ゲームで、もし彼女が言った様に誰かが出資してくれたと思ったとしても、普通は本家だ。
 彼女の立場では、そこまで調べられないはずだからな。

 なので、本来はガムン公爵と手を組んでなどいないはずだ。
 まあ最後に頼って来たから、少しだけ助けてやったけど、これ以上は俺でも無理だ。
 って、もう面倒な事に巻き込まないでくれ!
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