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6 二度目の誘拐
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「今夜は学生時代のお友達とディナーに行くわ」
家にいて、彼が来たらまた気持ちが滅入ってしまう。テオドールは、そんな私を気にかけてくれてディナーに誘ってくれた。
告白を断ったので少し気まずかったが、彼の態度は友達の時と全く変わらず接してくれて有り難かった。
「何人か来られるのですか?」
「ええ、同じクラスの六人よ。結婚された方もいるから、久しぶりに会う方もいらっしゃるの」
「それはよろしゅうございますね。気分転換に目一杯おめかししましょう」
ハンナは宣言通り私に気合を入れたヘアメイクをしてくれた。ドレスは流石に煌びやかな舞踏会用だとおかしいので、シンプルめなものを選んだ。
「お嬢様、お綺麗です」
「ありがとう」
ハンナは侍女としてお店まで付いてきてくれるので、二人で馬車に乗り込んだ。
他愛のない話をしながら時間を過ごしていると、いきなり馬車が急停止した。
「きゃあっ!」
ハンナが私を守るように抱き締めてくれたので、怪我をしなくて済んだ。
「お嬢様、ご無事ですか」
「大丈夫よ。ありがとう」
外から言い争うような声がする。これは……何か嫌な予感がする。
「お嬢様、絶対に鍵を開けてはいけません。私から離れないでください」
ガタガタと震えながら、ハンナは私を守ってくれようとした。
ドンドンドン、と外からドアを叩くような音がする。
「アメリア様、いるのわかってるんですよ。さっさと出てきてください」
「こいつらどうなってもいいんですか? 出てこないなら殺しますよ」
「俺たち金が欲しいだけなんで、お嬢様がいればいいんですよ」
ゲラゲラと笑いながら、非道なことを言う男たち。
「私以外に手を出さないと誓うなら、出て行きましょう」
「お嬢様、絶対にだめです」
「ハンナは黙っていなさい」
私がそう伝えると、外の男たちは「わかった、わかった。約束しよう」と言った。正直、信用できないが……このままここにいても結局ドアを蹴破られるだろう。
ガチャリ
「他の者に手を出したら許しません」
私は怖くて身体が震えていたが、気付かれないように気丈に振る舞った。
「お嬢様っ……私たちのことは……気にせずお逃げください」
「うるせぇんだよ」
「うゔっ」
倒れている私の護衛や御者を大勢で、蹴り飛ばしている。思ったより人数がいる。我が家の護衛は優秀だが、この人数が一気に来られてはどうしようもないだろう。
「さっそく約束を違えるのですか!」
「おい、お前らやめろ」
リーダーのような男の一声で、ピタッと他の男たちの動きが止まった。
「俺らはあんた以外いらないんだ。こいつらはここに置いて行く」
「……絶対ですよ」
「はいはい。それにしても、生粋のお嬢様ってのは綺麗だねぇ」
下卑た目で上から下まで見つめられて、気持ちが悪い。明らかにガラの悪いゴロつきたちだった。
「傷付けずに運ばなきゃいけねぇから、大人しくしててくれよ」
この男たちが『傷付けずに運ぶ』と言っているということは、私はすぐに殺されることはないだろう。その点においては、ひとまず安心だ。
「お嬢様っ!」
ハンナが泣きながら私の名前を呼ぶ声が聞こえた気がしたが、反応はできなかった。
なぜならハンカチに薬を染み込ませたものを、口に当てられて気を失ったからだ。
――フィン様、助けて。
薄れゆく意識の中で、私は無意識に彼に助けを求めていた。
家にいて、彼が来たらまた気持ちが滅入ってしまう。テオドールは、そんな私を気にかけてくれてディナーに誘ってくれた。
告白を断ったので少し気まずかったが、彼の態度は友達の時と全く変わらず接してくれて有り難かった。
「何人か来られるのですか?」
「ええ、同じクラスの六人よ。結婚された方もいるから、久しぶりに会う方もいらっしゃるの」
「それはよろしゅうございますね。気分転換に目一杯おめかししましょう」
ハンナは宣言通り私に気合を入れたヘアメイクをしてくれた。ドレスは流石に煌びやかな舞踏会用だとおかしいので、シンプルめなものを選んだ。
「お嬢様、お綺麗です」
「ありがとう」
ハンナは侍女としてお店まで付いてきてくれるので、二人で馬車に乗り込んだ。
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「きゃあっ!」
ハンナが私を守るように抱き締めてくれたので、怪我をしなくて済んだ。
「お嬢様、ご無事ですか」
「大丈夫よ。ありがとう」
外から言い争うような声がする。これは……何か嫌な予感がする。
「お嬢様、絶対に鍵を開けてはいけません。私から離れないでください」
ガタガタと震えながら、ハンナは私を守ってくれようとした。
ドンドンドン、と外からドアを叩くような音がする。
「アメリア様、いるのわかってるんですよ。さっさと出てきてください」
「こいつらどうなってもいいんですか? 出てこないなら殺しますよ」
「俺たち金が欲しいだけなんで、お嬢様がいればいいんですよ」
ゲラゲラと笑いながら、非道なことを言う男たち。
「私以外に手を出さないと誓うなら、出て行きましょう」
「お嬢様、絶対にだめです」
「ハンナは黙っていなさい」
私がそう伝えると、外の男たちは「わかった、わかった。約束しよう」と言った。正直、信用できないが……このままここにいても結局ドアを蹴破られるだろう。
ガチャリ
「他の者に手を出したら許しません」
私は怖くて身体が震えていたが、気付かれないように気丈に振る舞った。
「お嬢様っ……私たちのことは……気にせずお逃げください」
「うるせぇんだよ」
「うゔっ」
倒れている私の護衛や御者を大勢で、蹴り飛ばしている。思ったより人数がいる。我が家の護衛は優秀だが、この人数が一気に来られてはどうしようもないだろう。
「さっそく約束を違えるのですか!」
「おい、お前らやめろ」
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「お嬢様っ!」
ハンナが泣きながら私の名前を呼ぶ声が聞こえた気がしたが、反応はできなかった。
なぜならハンカチに薬を染み込ませたものを、口に当てられて気を失ったからだ。
――フィン様、助けて。
薄れゆく意識の中で、私は無意識に彼に助けを求めていた。
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