姑が勝手に連れてきた第二夫人が身籠ったようですが、夫は恐らく……

泉花ゆき

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「子どもも孕まない本妻なんて何の役にも立ちやしない、それどころか疫病神もいいところだ」

蘭珠ランジュの変化……感情の揺れを目ざとく見つけた義母が、追いかけるように言葉を足しました。

「うちには連花リェンホアが来てくれたことだしねぇ?あの子は本当に、子供もすぐに授かって……」

「……かしこまりました」

気をよくした義母がすらすらと並べ立てているところを、とうとう蘭珠ランジュが遮ります。
その声は静かでしたがよく通り、義母の酒に浸った耳にもきちんと通りました。

「え?」

義母が視線を送ると、いつの間にかこちらを見ていた蘭珠ランジュと視線がかち合います。
さっきまでは下を向いていたのに、今では何の恐れもないように蘭珠ランジュがこちらを見ていて……

「分かりました、とお伝えしたつもりです。……離縁でございますよね」

「は?……ああ、ああそうかい」

中身の少なくなった酒器を指先で弄びながら、義母はフンと鼻を鳴らします。
いついかなる時でも着飾っている趣味を忘れない姑は、今日のこの日も布地を潤沢に使ったドレスを身にまとって椅子に座っていました。

(何をすんなりと頷いてるのかね。こういう時は泣いて縋るぐらいするのが当たり前だろう……?)

その椅子の掛け心地が、急に悪くなったようにも感じます。
確かこの椅子は、蘭珠ランジュ涼珩リャンハンが結婚することになって……それをいい機会として買い替えたもののひとつであり……

「それでは、ご都合のつく日取りを待って涼珩リャンハン様との離縁を進めたいと思いますので」

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