59 / 105
59
しおりを挟む
蘭珠がいうと、魅音も心得たように頷きました。
「換金所のことね」
持参金とは、何も直接の通貨のみを指すものではありません。
もちろん単純に金銭を示すこともあるのですが……場合によっては土地であったり、宝石であったり、その花嫁の側の所有物だという証拠を携えた価値のあるもの……をも含めて、持参金と呼んでいるのです。
……蘭珠は凌家に嫁ぐ際に、その通貨ではない持参金も多く含ませて凌家へと渡しました。
そして、思い起こされるのは彼女が嫁いでからのこと……
明らかに凌家では高価な調度品や家具の買い替えが進められていました。
魅音としても、凌家と交流のある商人などにそれとなく探りを入れてみましたが……
時期は蘭珠との婚姻が始まってからのこと。間違いなく、彼女の支度金が元手になっているものだと……そう感じられる結果となっていました。
決定的には、今回蘭珠が問い合わせた……銀行と換金所が表明してきた答えです。
こちらは、持参金の返還……国の法がかかわっているため、どの機関としても虚偽を出すのは文字通りの御法度。
魅音は、蘭珠へと微笑みかけます。
「あなたの持参金が世間でどんな扱いを受けているのか、あちらは全く知らないんでしょう?」
「ええ。……少なくとも、単純な値段以上のことはご存じないみたいだったから」
蘭珠も、魅音へと笑みを見せました。これから起こることがどう動いていくのか、彼女たちには分かったのです。
「きっと、相当驚くと思うわ」
「換金所のことね」
持参金とは、何も直接の通貨のみを指すものではありません。
もちろん単純に金銭を示すこともあるのですが……場合によっては土地であったり、宝石であったり、その花嫁の側の所有物だという証拠を携えた価値のあるもの……をも含めて、持参金と呼んでいるのです。
……蘭珠は凌家に嫁ぐ際に、その通貨ではない持参金も多く含ませて凌家へと渡しました。
そして、思い起こされるのは彼女が嫁いでからのこと……
明らかに凌家では高価な調度品や家具の買い替えが進められていました。
魅音としても、凌家と交流のある商人などにそれとなく探りを入れてみましたが……
時期は蘭珠との婚姻が始まってからのこと。間違いなく、彼女の支度金が元手になっているものだと……そう感じられる結果となっていました。
決定的には、今回蘭珠が問い合わせた……銀行と換金所が表明してきた答えです。
こちらは、持参金の返還……国の法がかかわっているため、どの機関としても虚偽を出すのは文字通りの御法度。
魅音は、蘭珠へと微笑みかけます。
「あなたの持参金が世間でどんな扱いを受けているのか、あちらは全く知らないんでしょう?」
「ええ。……少なくとも、単純な値段以上のことはご存じないみたいだったから」
蘭珠も、魅音へと笑みを見せました。これから起こることがどう動いていくのか、彼女たちには分かったのです。
「きっと、相当驚くと思うわ」
93
あなたにおすすめの小説
幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。
灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。
曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。
婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。
前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。
訳あり侯爵様に嫁いで白い結婚をした虐げられ姫が逃亡を目指した、その結果
柴野
恋愛
国王の側妃の娘として生まれた故に虐げられ続けていた王女アグネス・エル・シェブーリエ。
彼女は父に命じられ、半ば厄介払いのような形で訳あり侯爵様に嫁がされることになる。
しかしそこでも不要とされているようで、「きみを愛することはない」と言われてしまったアグネスは、ニヤリと口角を吊り上げた。
「どうせいてもいなくてもいいような存在なんですもの、さっさと逃げてしまいましょう!」
逃亡して自由の身になる――それが彼女の長年の夢だったのだ。
あらゆる手段を使って脱走を実行しようとするアグネス。だがなぜか毎度毎度侯爵様にめざとく見つかってしまい、その度失敗してしまう。
しかも日に日に彼の態度は温かみを帯びたものになっていった。
気づけば一日中彼と同じ部屋で過ごすという軟禁状態になり、溺愛という名の雁字搦めにされていて……?
虐げられ姫と女性不信な侯爵によるラブストーリー。
※小説家になろうに重複投稿しています。
【完結】キズモノになった私と婚約破棄ですか?別に構いませんがあなたが大丈夫ですか?
なか
恋愛
「キズモノのお前とは婚約破棄する」
顔にできた顔の傷も治らぬうちに第二王子のアルベルト様にそう宣告される
大きな傷跡は残るだろう
キズモノのとなった私はもう要らないようだ
そして彼が持ち出した条件は婚約破棄しても身体を寄越せと下卑た笑いで告げるのだ
そんな彼を殴りつけたのはとある人物だった
このキズの謎を知ったとき
アルベルト王子は永遠に後悔する事となる
永遠の後悔と
永遠の愛が生まれた日の物語
婚約破棄寸前だった令嬢が殺されかけて眠り姫となり意識を取り戻したら世界が変わっていた話
ひよこ麺
恋愛
シルビア・ベアトリス侯爵令嬢は何もかも完璧なご令嬢だった。婚約者であるリベリオンとの関係を除いては。
リベリオンは公爵家の嫡男で完璧だけれどとても冷たい人だった。それでも彼の幼馴染みで病弱な男爵令嬢のリリアにはとても優しくしていた。
婚約者のシルビアには笑顔ひとつ向けてくれないのに。
どんなに尽くしても努力しても完璧な立ち振る舞いをしても振り返らないリベリオンに疲れてしまったシルビア。その日も舞踏会でエスコートだけしてリリアと居なくなってしまったリベリオンを見ているのが悲しくなりテラスでひとり夜風に当たっていたところ、いきなり何者かに後ろから押されて転落してしまう。
死は免れたが、テラスから転落した際に頭を強く打ったシルビアはそのまま意識を失い、昏睡状態となってしまう。それから3年の月日が流れ、目覚めたシルビアを取り巻く世界は変っていて……
※正常な人があまりいない話です。
【完結】離縁したいのなら、もっと穏便な方法もありましたのに。では、徹底的にやらせて頂きますね
との
恋愛
離婚したいのですか? 喜んでお受けします。
でも、本当に大丈夫なんでしょうか?
伯爵様・・自滅の道を行ってません?
まあ、徹底的にやらせて頂くだけですが。
収納スキル持ちの主人公と、錬金術師と異名をとる父親が爆走します。
(父さんの今の顔を見たらフリーカンパニーの団長も怯えるわ。ちっちゃい頃の私だったら確実に泣いてる)
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
32話、完結迄予約投稿済みです。
R15は念の為・・
「君の作った料理は愛情がこもってない」と言われたのでもう何も作りません
今川幸乃
恋愛
貧乏貴族の娘、エレンは幼いころから自分で家事をして育ったため、料理が得意だった。
そのため婚約者のウィルにも手づから料理を作るのだが、彼は「おいしいけど心が籠ってない」と言い、挙句妹のシエラが作った料理を「おいしい」と好んで食べている。
それでも我慢してウィルの好みの料理を作ろうとするエレンだったがある日「料理どころか君からも愛情を感じない」と言われてしまい、もう彼の気を惹こうとするのをやめることを決意する。
ウィルはそれでもシエラがいるからと気にしなかったが、やがてシエラの料理作りをもエレンが手伝っていたからこそうまくいっていたということが分かってしまう。
「身分が違う」って言ったのはそっちでしょ?今さら泣いても遅いです
ほーみ
恋愛
「お前のような平民と、未来を共にできるわけがない」
その言葉を最後に、彼は私を冷たく突き放した。
──王都の学園で、私は彼と出会った。
彼の名はレオン・ハイゼル。王国の名門貴族家の嫡男であり、次期宰相候補とまで呼ばれる才子。
貧しい出自ながら奨学生として入学した私・リリアは、最初こそ彼に軽んじられていた。けれど成績で彼を追い抜き、共に課題をこなすうちに、いつしか惹かれ合うようになったのだ。
わたしがお屋敷を去った結果
柚木ゆず
恋愛
両親、妹、婚約者、使用人。ロドレル子爵令嬢カプシーヌは周囲の人々から理不尽に疎まれ酷い扱いを受け続けており、これ以上はこの場所で生きていけないと感じ人知れずお屋敷を去りました。
――カプシーヌさえいなくなれば、何もかもうまく行く――。
――カプシーヌがいなくなったおかげで、嬉しいことが起きるようになった――。
関係者たちは大喜びしていましたが、誰もまだ知りません。今まで幸せな日常を過ごせていたのはカプシーヌのおかげで、そんな彼女が居なくなったことで自分達の人生は間もなく180度変わってしまうことを。
17日本編完結。4月1日より、それぞれのその後を描く番外編の投稿をさせていただきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる