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第一夫人が離縁を言い渡され、たいして抵抗もせずに受け入れて生家へと帰って行ってから何日が経ったでしょう。
ある日、凌家へ招いた商人や職人の集団を急に追い払うように帰してしまってから……凌夫人からの連花への態度は日に日に変わっていくことが連花には感じられました。
それでも最初のうちは気のせいだろうと思おうとして、姿を見るごとに明るく話しかけて見ていた連花も……
生返事を寄越されて、専属使用人の数を徐々に減らされて……あげく部屋を移されたとあれば、気付かないわけにはいきませんでした。
彼女は今、元は蘭珠が使用していたとされる凌家で一番日当たりの悪いじめついた部屋の中で憤りをあらわにしていました。
(何よぉ!どういうことなのぉ!?)
いらいらとして部屋の中を歩き回りながら、時々親指の爪をがりがりと噛んで……
少し前まで思い描いていた図との落差を、いまだ受け入れられずに地団太を踏みます。
(話が違うじゃない!何もかも違うわぁ!)
本当だったら今頃は、凌家嫡男である涼珩の子を宿している正当な妻として、職人たちに設えさせた豪華な部屋の中でゆったりとマッサージでもされていなければならないところです。
それが今では、連花に与えられたのは粗末な部屋と門の外に見張りのように据えられた使用人が居るのみ。
(まさか、あのことがバレたって言うのかしらぁ……?でも……そんなはずは……)
ある日、凌家へ招いた商人や職人の集団を急に追い払うように帰してしまってから……凌夫人からの連花への態度は日に日に変わっていくことが連花には感じられました。
それでも最初のうちは気のせいだろうと思おうとして、姿を見るごとに明るく話しかけて見ていた連花も……
生返事を寄越されて、専属使用人の数を徐々に減らされて……あげく部屋を移されたとあれば、気付かないわけにはいきませんでした。
彼女は今、元は蘭珠が使用していたとされる凌家で一番日当たりの悪いじめついた部屋の中で憤りをあらわにしていました。
(何よぉ!どういうことなのぉ!?)
いらいらとして部屋の中を歩き回りながら、時々親指の爪をがりがりと噛んで……
少し前まで思い描いていた図との落差を、いまだ受け入れられずに地団太を踏みます。
(話が違うじゃない!何もかも違うわぁ!)
本当だったら今頃は、凌家嫡男である涼珩の子を宿している正当な妻として、職人たちに設えさせた豪華な部屋の中でゆったりとマッサージでもされていなければならないところです。
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(まさか、あのことがバレたって言うのかしらぁ……?でも……そんなはずは……)
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