王子は真実の愛に目覚めたそうです

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ゴミの回収

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「勘違いしないでくださいね。便宜上、貴方の身柄を王宮で預かるだけです。身分は平民のままですから、変な気は起こさないように。」

あの鳥頭でもわかるように、何度もわかりやすく話している側近に同情を禁じ得ない。全然聞いてないわ、アレ。


「おい、早くルーカスを呼んでこい。謝れば許してやる。ついでにジャンヌも呼んでこい。泣いて謝るなら、一度だけ許してやる。」

何様だ。


「何で悪いことしてないのに、貴方に謝る必要が?」

もう会いたくはなかった。薄汚れた体で風呂に入ってないのか、強烈な悪臭を振りまいている。

「ようやく来たか。ほら、聞いてやるぞ。土下座をしろ。どうしてもと、泣いて謝るなら許してやるから。」

「本当に頭が悪いんだね。可哀想だね、ここまでいくと。」

「何だと?」

「凄まれたところで、何もこわくないよ。怖かったのは、貴方の地位と王妃だけだったからね。今は私の方が上。王妃もいない。

さあ、何で平民で働きもせず、ただ生きているだけの君がそんなに偉ぶれるのか、教えてよ。」

おや、ここまで言うと、黙った。睨みは深くなったけど。

側近が、こちらを見てため息をついた。

ごめんごめん。久しぶりに会ったら、あまりにも変わらなくて、面白かっただけなんだ。呆れなくても、ちゃんと、説明するよ。彼が理解できるかはわからないけど。

笑いを押し殺し、目の前の男に向き合う。

「貴方には、当分の間、王宮内で生活していただきます。王子としてではなく、あくまでも平民として、です。ただ、貴方の部屋は用意しますし、お世話をする者もつけますが、王子に返り咲くことはできません。ですから、私はじめ、ジャンヌ、父上、母上などに声をかけるだけで、不敬罪は適用されることをお忘れなきよう。」

「何故、ジャンヌまで。」

「彼女は、公爵令嬢ですよ。貴方が呼び捨てにして良い相手ではありません。私の大切な婚約者です。当たり前でしょう。

それから、隣国から留学生が来られています。学園に入られるので、普段は寮にいらっしゃいますが、王宮内でお会いしても、失礼がないようにして下さいね。何かあれば、国際問題になります。私が庇いきれないこともありますので。

さて、まずは部屋にご案内します。久しぶりに風呂に入ったらどうです?凄く匂いますよ。」

男はこちらを睨みつけていたが、構ってはいられない。踵を返すと、すでに私の頭から平民男は消えていた。これから起こるだろうことがうまくいけば良いが。

一度捨てたゴミに使い途があるなんてな。使い終わればもう一度捨てたら良いのだから、気は楽だった。
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