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良くある話
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第一印象は、どこかで聞いた話、だ。今の王族の流行りなのか。今までずっと共に支え合って生きてきた大切な婚約者を捨て、新しい恋に生きる。
自分は目移りしないから、ピンとこない。浮気性ではないからだろう。
一度浮気した者は、繰り返すと言うから、隣国の今の状況は、さほど驚くことではない。驚くことと言えば、あの王妃を蹴散らしてまで就いた王妃の座にいる王女の母が、大人しいことぐらい。話だけ聞いていると、気の強い、他のご令嬢に負けないぐらいの人のように感じるのだが。
そう、まさしくあの侯爵令嬢のような。
それが、一度の社交界での失敗に心を折られるなんて、何があったのか。
何となく予想はつく。彼女が社交界でうまくやるには、まず、王子の寵愛が生命線だ。それが、案外早く、失われたのだろう。ハニートラップにかかりやすいのは、図らずも証明が済んでいる。側妃達は、王子を手玉に取るなんて、楽だったことだろう。
何せ、反面教師も、手本も嫌と言うほど見てるのだから。
側妃の侯爵令嬢にとって、身分の高い公爵令嬢は邪魔でしかなかったが、下位貴族出身の王妃を蹴散らすなど、簡単なことだろうし、今は笑いが止まらないのではないかな。
誤算があるとすれば、王妃の娘が、賢かったことぐらいか。
側妃の息子は頭の出来は良くないらしい。婚約者を蔑ろにして、どこぞの平民女に貢いでいる、とも聞いている。
一種の、呪いか何かなのか。学習能力がなさすぎる。
結局は、妃側の身分に左右されるのはどこも同じだ。だからこそ、私の母は、あの人に王妃の座を奪われたのだから。
「あれ、その考え方で行くと、兄上って、サラブレッドじゃない?」
ふと嫌な考えが頭をよぎる。もしも、兄上の出自を知っている隣国の人間が、彼を探しだしたら、どうなるか。
新たな第一王子として、彼を国王にしようと言う者が現れる?
そうなったところで、うちとはあまり関係ないかな。と考えて、いや、と改めた。
あのアホは、権力をもう一度持てば、嬉々としてこちらに復讐してくるに違いない。やっぱり、殺しておくべきだったか。
ただあの時は、殺してしまうと、ジャンヌの心に傷をつけてしまう、と思って回避したのだった。今からでも殺すか?それか……
思いついた結果、彼をもう一度戻さなくてはならない。不本意だが仕方ない。もう一生会わなくていいと思っていたのだが。
念のため、兄上につけていた監視を呼んで、様子を聞くと、相手の女性には既に見限られているらしい。性格の改善も見受けられないとのこと。人はそんなにすぐには変われないもんね。わかるよ。
自分は目移りしないから、ピンとこない。浮気性ではないからだろう。
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そう、まさしくあの侯爵令嬢のような。
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