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番外編 クロエとウィルヘルム
元王子は顔が良い
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平民になって、馬車もないだろうから、あの男の住んでいる場所は、ここからそんなには離れていないだろう、と推測された。
兄は、勉強で忙しいので、頼るわけにはいかない。自力で何とかしなくては。隣国で叔母に拾われるまでは、孤児院でお手伝いをしながら、生きていたし、仕事も選ばなければ何かしらあるだろうと思われた。
仕事を探しに役所に行こうと、家を出ると、目の前が暗い。顔を上げると、昨日会ったばかりの、元王子、ウィルヘルムがいた。
「どこか行くのか?」
「え?何でいるの?」
見ると、何か大きな包みを抱えている。
「いや、お裾分けだ。野菜を貰ったからな。」
包みの中には、形の歪な新鮮な野菜と少しのパン。昔ならあまりにも質素だが、今では何日か凌げるぐらい。
「これで、美味いものでも、作ってくれ。」
「あ、ありがとう。」
戸惑っていると、勝手にズカズカと入ってきて、ソファで寛いでいる。
この家は、平民としての身分と共にルーカス第二王子殿下が用意してくれたものだ。
「裏に畑があるんだ。そこの爺さんからだよ。後でお礼を言えば良い。」
ただだらしなく座っているだけなのに、血筋と言うのは恐ろしい。腐っても元王子。外見だけは誰にも負けない美しさを持っている。
第二王子は、陛下そっくりの美男子だが、どちらかと言うと、格好良いより、可愛いタイプ。目の前のウィルヘルムは、以前よりはマシになったものの、目つきが鋭い綺麗な顔。
間近で見れば見るほど良い顔をしている。これは、性格を知らなければ、モテただろう。
兄のダミアンが世の中で、一番綺麗と思っていたクロエには、衝撃だった。性格を合わせたら兄の完勝だと思うけれど。
「ねぇ。」
昼間から仕事もしないで、こんなところで油を売る暇はあるのだろうか。
「仕事行かなくて良いの?ルーカス王子殿下に斡旋してもらったんでしょう?」
「ああ、だから今やっている。」
「は?」
「今、お前に会いにきたのが、仕事だ。」
どう言うことかと、聞いてみると、隣国から移り住んだ私達のサポートをすることが仕事のようで、今後亡命したい、と他国の貴族にお願いされた時のモデルケースとしたいらしい。
「あとは、保険だ。失礼ながら、お前らがこの国で悪さをしない保証などないからな。俺がお前を監視しておけば、少しでも危険は減る。」
「既に平民の私に、何の危険が?」
眉間に皺を寄せて考えに考えた結果、導き出された言葉に笑う。
「……風紀を乱すとか?」
「要は、一緒にいた方が、監視しやすいのよ、私達も、貴方も。貴方なんて、既に女連れ込んでるみたいだし?」
「は?連れ込んでない。何の話だ。」
本当に不思議そうに首を傾げる。顔が近くてドキドキする。
「だって、誰かと住んでいるんでしょ?」
「ああ、それは、まあ、お前には言っても良いだろう。一緒に住んでいるのは、死んだことになっている前王妃、俺の母だ。」
兄は、勉強で忙しいので、頼るわけにはいかない。自力で何とかしなくては。隣国で叔母に拾われるまでは、孤児院でお手伝いをしながら、生きていたし、仕事も選ばなければ何かしらあるだろうと思われた。
仕事を探しに役所に行こうと、家を出ると、目の前が暗い。顔を上げると、昨日会ったばかりの、元王子、ウィルヘルムがいた。
「どこか行くのか?」
「え?何でいるの?」
見ると、何か大きな包みを抱えている。
「いや、お裾分けだ。野菜を貰ったからな。」
包みの中には、形の歪な新鮮な野菜と少しのパン。昔ならあまりにも質素だが、今では何日か凌げるぐらい。
「これで、美味いものでも、作ってくれ。」
「あ、ありがとう。」
戸惑っていると、勝手にズカズカと入ってきて、ソファで寛いでいる。
この家は、平民としての身分と共にルーカス第二王子殿下が用意してくれたものだ。
「裏に畑があるんだ。そこの爺さんからだよ。後でお礼を言えば良い。」
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間近で見れば見るほど良い顔をしている。これは、性格を知らなければ、モテただろう。
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「ねぇ。」
昼間から仕事もしないで、こんなところで油を売る暇はあるのだろうか。
「仕事行かなくて良いの?ルーカス王子殿下に斡旋してもらったんでしょう?」
「ああ、だから今やっている。」
「は?」
「今、お前に会いにきたのが、仕事だ。」
どう言うことかと、聞いてみると、隣国から移り住んだ私達のサポートをすることが仕事のようで、今後亡命したい、と他国の貴族にお願いされた時のモデルケースとしたいらしい。
「あとは、保険だ。失礼ながら、お前らがこの国で悪さをしない保証などないからな。俺がお前を監視しておけば、少しでも危険は減る。」
「既に平民の私に、何の危険が?」
眉間に皺を寄せて考えに考えた結果、導き出された言葉に笑う。
「……風紀を乱すとか?」
「要は、一緒にいた方が、監視しやすいのよ、私達も、貴方も。貴方なんて、既に女連れ込んでるみたいだし?」
「は?連れ込んでない。何の話だ。」
本当に不思議そうに首を傾げる。顔が近くてドキドキする。
「だって、誰かと住んでいるんでしょ?」
「ああ、それは、まあ、お前には言っても良いだろう。一緒に住んでいるのは、死んだことになっている前王妃、俺の母だ。」
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