王子は真実の愛に目覚めたそうです

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番外編 ジャンヌとルーカス

限界

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ルーカスは、第二王子ながら、王太子になり、次期王として執務をこなしながら、特に忙しさも感じずに過ごしていたのだが、最近時間が足りない、と実感していた。

王太子殿下として、仕事のみをするならまだしも、愛しいジャンヌと過ごす時間が削られるのは納得がいかず、ごねてはみるのだが、ジャンヌも聞き分けがよく、寂しくても我慢する性質なため、男の私が我儘を言うわけにいかなくて、会う時間がなくなってしまっている。ただでさえ、弟の役割を長年担ってしまったのだから、意識してもらいたいのだが。

仕事の合間に、押しかけて、イチャイチャしたくとも、疲れて寝てしまったりして、中々甘い時間を過ごすことができない。

「もう限界だ。私は休むぞ。」

そう言って、少ないが三日間の休みをもぎ取ると、ジャンヌを攫いに行く。ジャンヌの行きたいところは調べてあるのだが、中々一緒にいける時間がなくて、今日になってしまった。ジャンヌは喜んでくれるだろうか。

ジャンヌは、私を見つけると、嬉しそうな顔をした後、怪訝そうに眉を顰めた。

「どうされたのですか?」
「君を攫いに来た。行こう。」

手を取り、頬にキスをすると、わかりやすく狼狽えるジャンヌが可愛い。

「どちらに?」
「行けばわかるよ。乗って。」

馬車にエスコートすると、少し嬉しそうにしている。いつもとは違い、隣に座り、抱きしめる。

ジャンヌは、顔を赤らめて、可愛らしい顔で驚いている。

「今日はどうされたのですか?執務は、大丈夫なのですか?」

「三日間、休みをもぎ取ったんだ。ジャンヌに会えないのは苦痛で、限界だったんだ。補充させてくれ。」

ギュッと抱きしめて、ジャンヌを堪能する。

「私も、限界が近かったので、嬉しいですわ。」

可愛いことを言うジャンヌの顔が見たかったけれど、私の胸にしっかりと顔を埋めていたため、見ることが出来なかった。

恥ずかしいから、でも良いから、抱きつかれているのは嬉しい。

「本当は、二人きりで馬に乗って行こうかとも思ったんだけど。疲れた時に眠るジャンヌを見たいと思って、馬車にしたんだ。こちらの方がのんびりできるしね。」

「どちらにしても、私はドキドキしてしまいますわ。ルーカスとゆっくり出かけるなんて、初めてですもの。」

「そうだね。二人が婚約してからは初めてだね。」

「ねえ、前にも聞いたけど、後悔はしていない?貴方なら、良い人たくさんいたでしょうに。」

「またその話か。私は初恋を叶えたんだよ?恥ずかしい話、私はジャンヌしか見てないんだ。生まれてこの方、ずっと、君しか目に入らなかったんだから。今更君が嫌がったとしても、君を諦めきれないと思う。だから、諦めてくれない?私は君を離せないんだからさ。」

ジャンヌは兄の元婚約者で、今は私の婚約者であることを、ずっと気にしている。

婚約破棄の原因は兄にあるのはわかりきっているのだから、気にしなくて良いのに。
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