元カレの今カノは聖女様

abang

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使用人ヒッピからみた二人

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ヒッピは幼いながら、スラム育ちの所為もあって生きるために身につけた強を持っている。


それでもまだ十歳の子供で、だからこそイブリアはそんなヒッピを大切にしてくれていた。


「あー退屈だなぁ」


子供は遊ぶのが仕事だと言うイブリアの命を遂行する為に遊び相手を探しているものの、皆忙しそうで声を掛けれずにいる。


「ぼくと修行してくれるひといねーかな」


ではなくと言い始めたのは尊敬するディートリヒ様の真似をしたからだった。



あんな人になりたいと言ったら、メイド見習いのシェイルは「子供っぽいヒッピには似合わないよ」と笑ったけど絶対そうなってイブリア様のことを僕が守るんだ。



結局一日中、城の仕事を見学したりイブリア様に呼ばれて勉強をして過ごして晩餐を終えた後はすんなりとベッドに押し込められた。


執事長のアンセルは凄く強くて、ディートリヒ様のお側で執事長として仕えているけど、もう歳だからぼくが強くなって頑張るんだ。


そう考えていると、妙な気配がいくつかして上の階のイブリア様の部屋からだった。


ディートリヒ様はイブリア様の事には敏感だからすぐに駆けつけるけど、それよりもっと先に駆けつけるのが護衛の役目だと得意の瞬間移動で部屋の中に失礼したけど、ディートリヒ様が驚いた顔で呆然としていた。




「イブ……ほんとうに大丈夫ですか?」


「ええ。驚いたけれど一瞬で終わったわ」



困ったように笑うイブリア様は可愛い、続けてちょっと大人っぽくディートリヒ様の目を見て「心配なら早く一緒に眠ってよ」と甘えると、


ディートリヒ様は途端に顔を赤くして、言葉を失うと視線を逸らした。



(イブリア様はオトコゴコロが分かってねーなぁ!)


「イブリア様!ディートリヒ様はガマンしてるんだよ!」


「ヒッピ……やめろ」


ディートリヒ様がぼくの襟を掴んで猫みたいに持ち上げると赤い顔のまま「子供は寝る時間だ」といつもの顔を装って言った。


「我慢って……?」


「イブリア様、旦那様」

駆けつけたアンセルは当たり前のように転がる刺客達を見下ろして、「不甲斐ない」と言ったがまずこの人たちは護衛が必要なのか?とさえぼくは思っている。




「アンセル、大丈夫よ。何処の者か尋問して頂戴」

「僕が直接確かめます」

そう言ったディートリヒ様の瞳は凄く怖くて、イブリア様の侍女のアメリアとメアリ以外の使用人は顔を青白くさせた。


「アメリア、ヒッピをお願いできるかしら?」

「はい。ヒッピ、おいで」

アメリアはいつも涼しい表情をしていて、あまり表情が変わらないけれどとてもいい人だって知ってるから僕は手を伸ばして抱きついた。


メアリが「お着替えを用意します」とイブリア様を連れて出るとアンセルが小さな声で明日の朝伝える予定の要件ですが、と何かを話し始めた。


「セオドア殿下からお手紙が、イブリア様宛で……」


「ああ、では僕が預かる……おっと」


「うっかり燃えてしまったな」と手のひらでチリになった手紙を無表情のまま魔法で消すと呆れているアンセルが咎める前に手紙の時を戻して「嘘だ」と真顔でアンセルに手渡した。

(て、天才だ!カッコいい!!!)

「中身を確認して、害がなければイブに渡してくれ」

「御意」


アメリアが小さな声で「燃やしたままでよかったのに」と言いながらもぼくを抱っこして頭を下げて何事もなく部屋を出るから少し笑った。



「イブリア様から、ヒッピにはまだ護衛は早いからしっかりと寝て学ぶように言われているの。だからもう寝なさいヒッピ」


そういうアメリアの護衛は単調だが何処か優しくて好きだ。



ここの城の者達はみんな、いい人ばかりでそれはディートリヒ様とイブリアさまがいい人で凄い人だからだと思うんだ。


翌日からはどうしてだか、ディートリヒ様がイブリア様と一緒に寝るのだと侍女達が喜んでいて騎士達はそわそわしていた。



ぼくが、ディートリヒ様に「ガマンはやめたのですか?」って聞いたらみんなは慌ててたけど、ディートリヒさまは少しだけ目を見開いて顔を赤くすると、



「ああそうだな」って顔を隠すようにそっぽ向いてから目線だけぼくにもどして照れたようにはにかんだ。


アンセルには叱られたけど、幸せそうなディートリヒ様とイブリア様を見られて僕は嬉しかったからいいんだ。





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