ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神

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セイクリッド・マテリアル編

151. 一難去ってまた一難

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「いやー、危うく殺傷事件にまで発展するかと思ったスよ」

 ソファやテーブルが倒れ散乱した店内を見回し、鉄太がしみじみと呟いた。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 数分前のことである。
 ルーナがユーゴにキスをした。しかもがっつり舌を入れて。
 それを呆然と視続けること十秒。ゆらりと雪が立ち上がり、そして何の前触れもなく虚空から一振りの太刀を取り出した。かと思えば、

「キエエエエエエエエエエエエイッ!!!!」

 突如奇声を上げてユーゴに斬り掛かった。

「おいちょっとマジかよっ!?」

 ユーゴは考えるよりも早く、反射で両腕が動いた。
 真剣白刃取り。
 九重雪相手に成功したのは、ユーゴ的にもミラクルファインプレーだった。次は成功する自信がない。

「旦那様? 危のうございますからその手をお離しくださいませ。でないと、その泥棒猫を成敗できません」

「この手を離すと俺まで成敗されそうだから断る」

「ユキぴよ良いよ、そのまま殺っちゃって。大丈夫、死んでもウチが生き返らせるから。ウチがこの世界から抜け出せたらだけど」

 何とここでユーラウリアが雪のサポートに入った。ユーゴ的には狙い通りだが、別の意味で狙いが逸れた感は否めない。自分を標的にされるのは勘定に入っていない。

「ねぇ、二人共落ち着いて?」

「おお、ゼフィーリア。お前だけでも冷静で良かっ───」

「ここじゃ処理が面倒だから、別の場所で殺りましょう? ある程度のことは、バーグマン家ウチの財力と優秀な使用人たちの力で何とかなるわ」

「全然冷静じゃねぇなっ!! キャラが変わってねぇか!? ちょっ! マジで落ち着けって! おいルーナ。今のうちに取り敢えず何処かへ避難してろ!」

「はーい」

 そこから雪は逃げるルーナを追い回し、それをユーゴが防衛。ユーラウリアとゼフィーリアも雪の援護にわまり、一同は店内を惨憺たる有様にした。
 流石に見かねた鉄太がルーナの策をバラしたことで、事態は一応の落ち着きを見せたのだった。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「まったくだ。しかし、俺の責任でもあるな。それはスマン。焦っていたとはいえ、何故あんな火に油を注ぐ選択肢をしちまったんだろうな」

「それを言ったら、ルーナも何であんな提案をしたのか理解に苦しむッスね」

「そのルーナって女、以前からあんなにエキセントリックなのか?」

「いや……どちらかというと天然というか、たしかに偶にトンチンカンな事をしてたスけど、大人しくて目立たない印象ッスね。でも周りをよく見て気の利いた所もあるから、アレもあの子なりになんとかしてあげたいって気持ちの現われじゃないっスかね?」

「まぁアイツらも鎮火したみたいだから、結果オーライではあるか」

 雪もユーラウリアもゼフィーリアもひとまずは落ち着きを取り戻し、今は黙々と片付けを行っている。
 原因の一端である自分も手伝うかとユーゴが横倒しの椅子に手を伸ばした時、バン! と出入り口の扉が開いた。

「ゼフィ! 元気かい!?」

 勢いよく店内に這入って来たのは、金髪の青年ロイである。
 そして彼に続き、四つの人影が現れた。

「ロイ。それにカイト、シュン、クリス、マロン」

 ゼフィーリアに名前を呼ばれた彼らは、一様に嬉しそうな笑顔を浮かべた。だがそれもすぐに消え去り、真剣な眼差しでユーゴを見据えた。

「ユーゴ・タカトー! 今日こそ決闘に応じたまえ!」

 先日と同じようにロイが宣言した。ユーゴはこの世界がめちゃくちゃ前倒しでループしてしまったのかと錯覚したほど、前回と同じ調子で。

「だからイヤだっつったろ。面倒くせぇ。ていうかよく考えたらお前、何でここがわかったんだよ」

「あ、それは俺の仕業ッスね。ゼフィーリア嬢が彼らの安否を心配してたから、俺の知っている情報屋……ほら、以前会ったリコーナ姐さんにお願いして、内緒で伝言を頼んでおいたんスよ」

「鉄太の仕業か、なら納得だ。疑問が解消されたことだし、じゃあ俺はこれで」

 軽く手を挙げて踵を返そうとするユーゴだが、当然待ったがかかる。

「待ちたまえ。逃げようとしても、そうはいかないぞ」

「チッ、流石に強引すぎたか。なぁゼフィーリア、こいつらお前の担当だろ? 何とかしてくれ。鬱陶しい」

 ついさっき修羅場が終わったばかりのユーゴは疲労困憊である。なので担当者に引き渡すことにした。

「ロイ、ちょっとどうしちゃったの? いきなり決闘だなんて。ねぇ、みんなも止めてよ」

 担当者ゼフィーリアはカイト達に擁護を求めたが、カイトは首を横にふる。

「すまないゼフィ。俺たちにはロイを止める事はできない。むしろ逆だ」

「逆って、もしかして……」

 嫌な予感がして、ゼフィーリアの口角が引きつった。

「そうだ。俺たちもユーゴ・タカトー殿に決闘を申し込みにきたのだ」

「……勘弁してくれよ」

 顔を手で覆って俯くユーゴに、ユーラウリアが囁く。

「ユー君ってほんとこういう展開多いよねー。しかも女の子絡みがほとんどだし? 古の時代から英雄は女好きが多いけど、ちょ~っと数が多すぎじゃね?」

「別に女嫌いとは言わねぇけど、この状況は俺が望んだわけでもねぇな」

「で、どうすんの?」

「どうするってもなぁ……」

 ユーゴとしてはもちろん御免被りたいところだが……。

「ちょ、ちょちょ、ちょっと待って! なんで皆まで!?」

 ゼフィーリアの疑問はもっともだが、当人たちにしてみれば至極真っ当な事なのだ。

「止めないでくれ、ゼフィ。これは俺たちの誇りをかけた闘いなのだ」

 褐色の肌の青年シュンが静かに、だが覚悟を感じさせる声音で呟いた。他の四人も頷いた。

「そんな……なぜなの?」

 男友達の今まで見せたことのない行動に、ゼフィーリアは困惑しきりである。
 そんなゼフィーリアを見て、「こいつ、こんなに鈍感だったのか?」とユーゴは呆れた。
 そして同時に、相手にしないとロイ達からいつまで付き纏われそうなだ、とも考えた。
 乙賀尚勝の場合と違ってユーゴがあまり乗り気にならないのは、彼らから尚勝ほどの覚悟や気合が感じられないからというのもある。
 更に一番の問題は実力差である。
 しかし事ここに至っては、面倒臭いが引導を渡してやるより他ない。
 引いてだめなら押してみるの精神である。

「わかったわかった、相手してやるよ」

「ちょっ……勇悟っ!?」

 慌てふためくゼフィーリアを手で制し、ユーゴは続ける。

「ただし、知っていると思うが俺は強いぞ。自慢でも挑発でもないが、その気はなくてもうっかり殺してしまうかもしれねぇ。そこは覚悟しておけよ?」

 ユーゴの忠告に、しかしロイ達は不敵に笑う。

「ふ。僕たちもそこは考えてある。決闘とは言ったが、殴り合いや剣術での試合とは言ってない」

「あ?」

「君には、僕たち五人がそれぞれ決めた方法で勝負してもらう!」

「………………は?」
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