空手馬鹿の俺が転生したら規格外の治癒士になっていた 〜筋力Eのひ弱少年治癒士が高みを目指す!?〜

くまみ

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後編 ヒールが使えない治癒士〜ついに魔力覚醒!?〜

第四十話 少年のプライド

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 ライオスは鋭くノエルを睨みつけた。

 「あら、ライオス君じゃない!」

 サリーサが話しかけると、ライオスはパッと顔が華やいだ。

 「サリーサさん……昨日はどうも!」

 「あら?サリーサ!イカルロス様の息子さんとお知り合いなの?」

 「知り合いって言うか……昨日初めて……」

 「はい!マブだちです!」ライオスはサリーサの言葉を遮り、堂々と胸を張った。

 「マ、マブだち!?」サリーサは目を丸くした。

 「ラ、ライオス君?初めまして!私はマリーベルよ!お父様のイカルロス様には先日命を助けられて、本当に感謝しているわ!」

 「マリーベルさん!お近づきの印に握手しましょう!」ライオスは深々と90度に頭を下げ、右手を差し出した。

 (こいつ会話噛み合ってないぞ。しかもこのスタイルは……告白かっ!?……汗)

 「えっ?あっ……はい……」マリーベルはライオスの迫力に圧倒されつつ、手差し伸べる。

 「マリーベルさん!どうぞよろしくお願いします!」ライオスは両手で彼女の手をぎゅっと握りしめた。

 「痛い!あ、あのライオス君……ちょっと手が痛いんだけど……汗」

 「マリーベルさん。すみません!また手を握り潰してしまうところでした!」
ライオスは慌てて手を離した。

 「えっ?握り潰す!?……汗」

 (こ、こいつ大丈夫か……!?)

 「マリーベルさん……今日はどうしたのですか?」

 「えっ?あっ……大量発生したモルマウスを討伐に来たの……ノエルとはパーティ組んでるのよ!」

 「ヌァんだと!またノエルとパーティ!?……マリーベルさん……ノエルなんかとパーティ解消して、俺とパーティ組んでください!必ず幸せにします!」

 (おいおい、こいつ言葉の使い方間違ってるぞ!もしかして天然か!?……汗)

 「なんだライオス!友達か?」

 「はい、先輩!ノエル以外はマブだちです!」

 (……こいつは変な奴だ。絶対に変な奴だ!学校に二回しか行かなかったから気が付かなかった……)ノエルの顔が引き攣った。

 「ならそいつらと一緒に行けよ!……こっちは大丈夫だからよ!」自警団員の一人がライオスに声をかけた。

 (な、なんだって!?冗談じゃねぇ!)

 「わっかりました!一緒に行って、僕がマリーベルさんとサリーサさんをお守りします!」

 (……マ、マジかよ!……勘弁してくれよ……)

 「ちょっと待ってください!そんなことを勝手に決められたら困ります!」マリーベルは毅然と言い返した。

 (よし!マリーベル!ナイスだ!良く言った!)

 「こいつは冒険者登録こそしちゃいねぇが、凄腕だぞ!お嬢ちゃんたちを守ってくれるってのは事実だ!」

 「マリーベル……私も昨日、彼の実力を見たわ!本当に凄かったわ……いいんじゃない?私たちはこの依頼気乗りしていないし……」

 「それに……ノエルよりは役に立つわよきっと」サリーサはマリーベルの耳元で囁いた。

 「サリーサ……あなたね!でも、私たちが気乗りしていないのは事実だし、じゃあ今回だけならいわ」

 (おいおい、サリーサのヤツ!聞こえてんぞ!マリーベルも絆されやがった!!……あぁぁ……なんでこうなるの……)

 ライオスは意気揚々と準備体操を始め、ムキムキの筋肉をアピールしている。

 「じゃあ俺たちは東の入り口から駆除していくから、お前たちは西の入り口から頼む!中で落ち合えたら駆除は完了だ!」自警団員たちは手を上げ去っていった。

 ***

 「良かったよなぁ、アイツ暑苦しいんだよ……」

 「七光りのガキのお守りは懲り懲りだぜ……」

 去り際に聞こえてきた自警団員の本音。

 (アイツらライオスを体よく押し付けやがったな!……でも……)
 
 やっかまれているライオスの背中を見て、ノエルは少しだけ複雑な心境になるのだった。

 
 
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