空手馬鹿の俺が転生したら規格外の治癒士になっていた 〜筋力Eのひ弱少年治癒士が高みを目指す!?〜

くまみ

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後編 ヒールが使えない治癒士〜ついに魔力覚醒!?〜

第四十一話 下水道の戦い

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 「あぁ、やっぱり臭うわね……」サリーサが顔をしかめて呟いた。

 ノエルたち一行は、西の下水道入口の前に立っていた。

 入り口は直径は三メートルのドーム型。中央に下水を流れる水路があり、その両端は人がすれ違えるほどの通路になっている。この下水道は城下町を東西に貫き、遥か先の川に繋がっていた。

 「すげぇ立派な下水道だ......」ノエルは思わず感嘆の声を漏らす。

 「そりゃそうよ。こういったインフラ設備は一級魔法建築士が手がけているんだから!ここの下水だって、川の水を汚染しないように、魔法で浄化処理してから川に流れ込むようになっているのよ」マリーベルは知識を誇るように胸を張った。

 (なるほど......。街の設備が想定より近代的なのは、重機に代わりに魔法がその機能を果たしているからなのか。合点いったぜ!)ノエルは前世の知識と照らし合わせ、一人納得する。

 「ノエル、らしくない難しい顔をしているわよ!」サリーサが意地悪く声をかけた。

 「何でもねぇっすよ!」(こいつ、意地悪いのは基本変わらねぇんだな......)

 「そうだ、ノエル!ボサットしていないで行くぞ!!俺が先頭を行くからお前は最後尾だ!」ライオスが当然のように指示を飛ばす。

 (くぅぅ......。飛び入り参加のくせに偉そうに!どうせいつも俺は最後尾だよ!)ノエルは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。

 「マリーベルさん、サリーサさん、足元に注意してくださいね」ライオスは紳士を装って二人に声を掛ける。

 「ありがとう......優しいのね!」マリーベルは声を返した。

 「そ、それほどでも......あります!」ライオスは自信満々に胸を張った。

 「うげぇ......」マリーベルとサリーサは、ライオスの過剰な自信に呆気にとられ、開いた口が塞がらなかった。

 (おいおい、ライオス......そこは謙遜して「そんなことはありません」くらい言えねぇのかよ......)ノエルは心の中で呆れる。

 「やっぱり臭うわ、鼻が曲がりそう......これだからこのクエストは嫌なのよ!」

 「仕方ないでしょ、魔法処理がされているって言っても限界はあるわよ。それにこれはクエストじゃなくて緊急招集なんだからね!」

 「マリーベル、どっちだって同じじゃない!」

 「サリーサー、それは違うは!モルマウスの大量発生を放っておいたら街に感染症が蔓延しちゃうのよ!」

 (それって......ファンタジーらしからぬリアルな話だ......汗)ノエルは冷や汗を拭った。

 「サリーサさん、任せてください!俺がこの臭いを一掃して見せます!うぉりやぁぁぁ!」ライオスが背中に背負っていた大剣を不用意に振り回した。

 凄まじい突風が巻き起こり、辺りの空気がかき回される。

 「ちょっと!やめてライオス君!臭い風が顔に当たるじゃない!」サリーサは叫んだ。

 「サリーサさん!どうでしょう!少しは良くなりましたか!......あっ」

 見れば、サリーサの髪が突風でボロボロの逆毛になっていた。

 「サ、サリーサさん......その髪型どうしたのですか?」ライオスは不思議そうな顔で彼女を見つめる。

 「あんたがやったのよ!!」

 「え?俺が?......?」

 「こいつ......マジで天然なんだな......」ノエルとマリーベルは顔を見合わせ、深く溜息をついた。

 「チュー......チュー......」その時、暗闇の奥から無数に光る赤い点が近づいてきた。不気味な鳴き声が反響する。

 「みんな!モルマウスよ!構えて!」マリーベルの鋭い声が響き、一行に緊張が走った。


<あとがき>

 いつもご精読ありがとうございます。連載開始より1日も欠かさずに投稿させていただいておりましたが、昨日は体調不良により投稿を休ませていただきました。

 実は職場でノロウィルスが流行しており、昨日、夜勤でその対応をしていたら自分も感染してしまったのです。今朝は早退し、自宅療養しています。

 落ち付きがない私ですが、年始早々に怪我をしたり、病気になったりとすることで、生活に強制ストップがかかりました。

 さて、弱った私とは違って、ノエルやパーティメンバーは元気いっぱいにこれから激しくバトルを繰り広げて参ります。

 今後とも「空手馬鹿の俺が転生したら規格外の治癒士になっていた」をご支援、ご精読、よろしくお願い申し上げます。

くまみ

 
 
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