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後編 ヒールが使えない治癒士〜ついに魔力覚醒!?〜
第五十九話 マル秘勉強術
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「ライオス、ちょっと頭を貸せ!……『ヒール』」ノエルがライオスの頭の上に手を置くと、その右手が淡く緑色に光った。
「ノエル!俺に何をしたんだ!」
「頭が良くなるおまじないさ!」
「……本当か……!」ライオスは目を輝かせた。
「あぁ、俺に任せろ!ライオス......お前は机の上の勉強は向かない。庭に行くぞ」
「外に行ったら勉強出来ないんじゃねぇのか?」ライオスは首を傾げながらも、ノエルに従い庭へと出た。
***
「よし!素振りだ!1、2、3……」ライオスは掛け声に合わせて木刀を上下に振る。
「ではここで問題です」(こんな方法で本当に大丈夫なのかしら?)マリーベルは半信半疑ながらも、用意した問題を読み上げる。
問四 ブラウンスライム一匹100エンタ、モルマウス一匹100エンタです。一日目は十匹討伐しました。二日目にモルマウスを十五匹討伐しました。一日目はギルドで買取一割り増しキャンペーンをやっていました。
合計で何エンタを手に入れましたか。
①2,500エンタ
②2,400エンタ
③2,600エンタ
マリーベルは問題文を読み上げた。
「おい、必死に素振りしている最中に計算なんかできるか!」
「大丈夫だ、ライオス!お前は普通じゃねぇ。戦士の資質『A』を信じろ、こっちの方が集中できるはずだ!」
「......初日が一割増しってことは十一匹か!モルマウスは十五匹だから全部で二十六匹……答えは③番だ!」
「正解!次は腕立て伏せだ!今度は俺も一緒に付き合う。一、二、三……、マリーベル、次の問題だ……!」
「凄いわ......ノエル、どうしてこんな方法で問題が解けるようになるの?さっきの『ヒール』に秘密があるの?」驚くマリーベルに、ノエルは腕立て伏せを続けながら答えた。
「まさか、ヒールそのもので頭が良くなるわけじゃない。ただ、脳の血流量を活性化させ脳を刺激し、副交感神経を整えてリラックスさせたんだ」
「そんなことが出来るの!?ノエル……最近どうしちゃったのよ!まるで凄腕の治癒士みたいで変よ!」
(「治癒士みたい」って、俺は元々治癒士なんだけど……汗)
***
(次郎が言うには……。ライオスは「机では集中出来ない」「周囲の目で緊張する」「好きな事なら集中出来る」......。この特性を逆手にとって編み出したライオス向け学習方法……名付けて「マル秘勉強術」我ながら天才的だな!)
**『ノエル……調子に乗るな。考えたのは僕だ……』**
心の中で次郎に釘を刺されつつも、こうしてノエルとライオスの特訓は一カ月続いた。
***
そして、迎えた飛び級卒業試験当日。
「まさかライオス君がこれを受けることになるとはな......」
先生も、周囲の生徒たちも。信じられないものを見る目でライオスを見つめている。
「ではライオス君......試験を始めるとしよう」
***
***試験終了。
「ライオス君......結果だが......。不合格だ......。いや、非常に惜しい......。60点合格のところ、59.2点だった」
「先生......。その刻みはなんだよ!」
「誤字と回答欄間違いだ......」
「誤字と回答欄間違い!?......うぁ、やっちまった......汗」
「だが、君の頑張りは見た。そもそも勉強には向かない君をここに縛り付けておくのも忍びない。......協議の結果、『おまけ』で合格にする!」
「えっ?本当か!?」
「あぁ、合格おめでとう!晴れてエレメンタリースクール卒業だ!これ卒業証書ね!」先生と生徒から拍手喝采が起きた。
***エレメンタリースクールの正門前。
「ノエル!みんな!俺、合格したぞ!これを見ろ!」ライオスが誇らしげに掲げた卒業証書を見て、ノエルは目を細めた。
「......ラ、ライオス......この卒業証書の隅っこに赤字で『おまけ』って書いてあるぞ......汗」
「バレたか......だが合格は合格だ!ワハハハハハ!」ライオスは豪快に笑った。
(この世界の教育は結構適当なんだな......。しかし卒業証書に「おまけ」とか普通書くか?......汗)
(でも......。これでようやく次へと進める)
ノエルは、晴れやかな顔のライオスを見て小さく笑った。
「ノエル!俺に何をしたんだ!」
「頭が良くなるおまじないさ!」
「……本当か……!」ライオスは目を輝かせた。
「あぁ、俺に任せろ!ライオス......お前は机の上の勉強は向かない。庭に行くぞ」
「外に行ったら勉強出来ないんじゃねぇのか?」ライオスは首を傾げながらも、ノエルに従い庭へと出た。
***
「よし!素振りだ!1、2、3……」ライオスは掛け声に合わせて木刀を上下に振る。
「ではここで問題です」(こんな方法で本当に大丈夫なのかしら?)マリーベルは半信半疑ながらも、用意した問題を読み上げる。
問四 ブラウンスライム一匹100エンタ、モルマウス一匹100エンタです。一日目は十匹討伐しました。二日目にモルマウスを十五匹討伐しました。一日目はギルドで買取一割り増しキャンペーンをやっていました。
合計で何エンタを手に入れましたか。
①2,500エンタ
②2,400エンタ
③2,600エンタ
マリーベルは問題文を読み上げた。
「おい、必死に素振りしている最中に計算なんかできるか!」
「大丈夫だ、ライオス!お前は普通じゃねぇ。戦士の資質『A』を信じろ、こっちの方が集中できるはずだ!」
「......初日が一割増しってことは十一匹か!モルマウスは十五匹だから全部で二十六匹……答えは③番だ!」
「正解!次は腕立て伏せだ!今度は俺も一緒に付き合う。一、二、三……、マリーベル、次の問題だ……!」
「凄いわ......ノエル、どうしてこんな方法で問題が解けるようになるの?さっきの『ヒール』に秘密があるの?」驚くマリーベルに、ノエルは腕立て伏せを続けながら答えた。
「まさか、ヒールそのもので頭が良くなるわけじゃない。ただ、脳の血流量を活性化させ脳を刺激し、副交感神経を整えてリラックスさせたんだ」
「そんなことが出来るの!?ノエル……最近どうしちゃったのよ!まるで凄腕の治癒士みたいで変よ!」
(「治癒士みたい」って、俺は元々治癒士なんだけど……汗)
***
(次郎が言うには……。ライオスは「机では集中出来ない」「周囲の目で緊張する」「好きな事なら集中出来る」......。この特性を逆手にとって編み出したライオス向け学習方法……名付けて「マル秘勉強術」我ながら天才的だな!)
**『ノエル……調子に乗るな。考えたのは僕だ……』**
心の中で次郎に釘を刺されつつも、こうしてノエルとライオスの特訓は一カ月続いた。
***
そして、迎えた飛び級卒業試験当日。
「まさかライオス君がこれを受けることになるとはな......」
先生も、周囲の生徒たちも。信じられないものを見る目でライオスを見つめている。
「ではライオス君......試験を始めるとしよう」
***
***試験終了。
「ライオス君......結果だが......。不合格だ......。いや、非常に惜しい......。60点合格のところ、59.2点だった」
「先生......。その刻みはなんだよ!」
「誤字と回答欄間違いだ......」
「誤字と回答欄間違い!?......うぁ、やっちまった......汗」
「だが、君の頑張りは見た。そもそも勉強には向かない君をここに縛り付けておくのも忍びない。......協議の結果、『おまけ』で合格にする!」
「えっ?本当か!?」
「あぁ、合格おめでとう!晴れてエレメンタリースクール卒業だ!これ卒業証書ね!」先生と生徒から拍手喝采が起きた。
***エレメンタリースクールの正門前。
「ノエル!みんな!俺、合格したぞ!これを見ろ!」ライオスが誇らしげに掲げた卒業証書を見て、ノエルは目を細めた。
「......ラ、ライオス......この卒業証書の隅っこに赤字で『おまけ』って書いてあるぞ......汗」
「バレたか......だが合格は合格だ!ワハハハハハ!」ライオスは豪快に笑った。
(この世界の教育は結構適当なんだな......。しかし卒業証書に「おまけ」とか普通書くか?......汗)
(でも......。これでようやく次へと進める)
ノエルは、晴れやかな顔のライオスを見て小さく笑った。
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