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【テイラー】危うさ
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「ナビナとレイエンヌとミラニューかしら?」
「ああ、そうだ。毎年、皆で揃ってお墓参りにも来てくれているんだ」
アイルーンのことを今でも忘れていないことが、テイラーは嬉しかった。
「一生許さないと言っている。勿論、殺した者たちもな」
「そうよ!マークたちも許せないけど」
ディオエルたちがいるが、そんなことは関係なかった。
「アイルーンはどんな思いでいたか……亡骸も、本当に悲しくて、辛くて、赤ちゃんを守るように丸まって。ごめんなさい。こんな話、辛いわよね」
「いいえ、アイルーンは丸まっていたのですね」
テイラーは、知ることもないことであった。確かにあの子を守ろうとはしたが、丸まったまま亡くなったのかと、少し恥ずかしくもあった。
「そうよ、アイルーンは子どもを守る立派な母親だったわ」
そう言いながら、ナナリーは涙を拭うことなく流し続けた。
「ナナリーはアイルーンを抱きしめて、今と同じことを言っていたよ」
「ありがとうございます。少し、眠ってもいいですか」
「ええ、もちろんよ」
「もちろんだ」
話していたかったが、痛みもあるのに喋ることも辛いだろう。皆はそのまま黙って、その場にいた。しばらくすると、小さな寝息が聞こえ始めた。
「侍医、どうなんだ?」
ルーベンスは起こさないように、小声で問い掛けた。
「目を覚ましたことは良かったです。ですが、まだ安心はできません」
侍医は王宮の医師と、これからについて話をしていた。
「そうか……引き続き、よろしく頼む」
「もちろんでございます」
侍医はテイラーがアイルーンの記憶があることも聞いていた。だが、王宮の医師にはデリア侯爵家にとって、どのような存在かという体で伝えてある。
ゆえにこんなことになり、手を尽くしていた。だが、頭の中がどうなっているか。今も出血しているかもしれない、どこかに詰まっているかもしれない。
もしも、何か異常が起きても、助けられるか分からない。
ルーベンスにも伝えてはあるが、それは保身のためではなく、何かあればすぐに駆け付けて欲しいという意味であった。
だが、会話が出来たことは良かっただろう。
おそらく彼女が一番自分の状態を分かっている。だからこそ、痛みをこらえてでも、伝えたいことを全て伝えたように思えた。
「私たちは王宮に戻り、国王と話をする。何か要望はあるか?」
ディオエルは留まりたかったが、テイラーが自分がここにいることも不快で、何もできることはないだろうと、王宮に戻ってギリシスと話をすることにした。
「いえ、テイラーの希望を叶えてやってください」
「分かった……その、これからもテイラー嬢の状況を教えては貰えるだろうか」
まだ目を離せない状況に、言い出せるような立場ではなかったが、譲れなかった。
「承知いたしました。王家が連絡係を寄こしておりますので、そちらに伝えます」
「よろしく頼む」
エレサーレは、王宮の医師にこのまま一緒にテイラー嬢を診てくれと話した。
ディオエルたちとエレサーレは、王宮に戻っても、ルーベンスとベルサートとナナリーは変わらず、テイラーの側にいた。
「お義父様、あなたも、私が付いていますから」
ベルサートとナナリーの子どもは、長女、長男、次女がおり、テイラーのことはいずれきちんと説明しなければならないが、まだ何も話していなかった。
現状はアイルーンの恩人だとしか話していない。
長女は既に嫁いでいたが、長男と次女はデリア侯爵家はこれから慌ただしくなるために、落ち着いてからと思い、事情を知っているナナリーの実家へ預けていた。
「そうだな……眠っているのに、皆で引っ付いているのも嫌かもしれぬな」
「そうか……」
ベルサートもテイラーがいくら眠っているとはいえ、ルーベンスの話を聞いて、そうかと思った。
「ああ、そうだ。毎年、皆で揃ってお墓参りにも来てくれているんだ」
アイルーンのことを今でも忘れていないことが、テイラーは嬉しかった。
「一生許さないと言っている。勿論、殺した者たちもな」
「そうよ!マークたちも許せないけど」
ディオエルたちがいるが、そんなことは関係なかった。
「アイルーンはどんな思いでいたか……亡骸も、本当に悲しくて、辛くて、赤ちゃんを守るように丸まって。ごめんなさい。こんな話、辛いわよね」
「いいえ、アイルーンは丸まっていたのですね」
テイラーは、知ることもないことであった。確かにあの子を守ろうとはしたが、丸まったまま亡くなったのかと、少し恥ずかしくもあった。
「そうよ、アイルーンは子どもを守る立派な母親だったわ」
そう言いながら、ナナリーは涙を拭うことなく流し続けた。
「ナナリーはアイルーンを抱きしめて、今と同じことを言っていたよ」
「ありがとうございます。少し、眠ってもいいですか」
「ええ、もちろんよ」
「もちろんだ」
話していたかったが、痛みもあるのに喋ることも辛いだろう。皆はそのまま黙って、その場にいた。しばらくすると、小さな寝息が聞こえ始めた。
「侍医、どうなんだ?」
ルーベンスは起こさないように、小声で問い掛けた。
「目を覚ましたことは良かったです。ですが、まだ安心はできません」
侍医は王宮の医師と、これからについて話をしていた。
「そうか……引き続き、よろしく頼む」
「もちろんでございます」
侍医はテイラーがアイルーンの記憶があることも聞いていた。だが、王宮の医師にはデリア侯爵家にとって、どのような存在かという体で伝えてある。
ゆえにこんなことになり、手を尽くしていた。だが、頭の中がどうなっているか。今も出血しているかもしれない、どこかに詰まっているかもしれない。
もしも、何か異常が起きても、助けられるか分からない。
ルーベンスにも伝えてはあるが、それは保身のためではなく、何かあればすぐに駆け付けて欲しいという意味であった。
だが、会話が出来たことは良かっただろう。
おそらく彼女が一番自分の状態を分かっている。だからこそ、痛みをこらえてでも、伝えたいことを全て伝えたように思えた。
「私たちは王宮に戻り、国王と話をする。何か要望はあるか?」
ディオエルは留まりたかったが、テイラーが自分がここにいることも不快で、何もできることはないだろうと、王宮に戻ってギリシスと話をすることにした。
「いえ、テイラーの希望を叶えてやってください」
「分かった……その、これからもテイラー嬢の状況を教えては貰えるだろうか」
まだ目を離せない状況に、言い出せるような立場ではなかったが、譲れなかった。
「承知いたしました。王家が連絡係を寄こしておりますので、そちらに伝えます」
「よろしく頼む」
エレサーレは、王宮の医師にこのまま一緒にテイラー嬢を診てくれと話した。
ディオエルたちとエレサーレは、王宮に戻っても、ルーベンスとベルサートとナナリーは変わらず、テイラーの側にいた。
「お義父様、あなたも、私が付いていますから」
ベルサートとナナリーの子どもは、長女、長男、次女がおり、テイラーのことはいずれきちんと説明しなければならないが、まだ何も話していなかった。
現状はアイルーンの恩人だとしか話していない。
長女は既に嫁いでいたが、長男と次女はデリア侯爵家はこれから慌ただしくなるために、落ち着いてからと思い、事情を知っているナナリーの実家へ預けていた。
「そうだな……眠っているのに、皆で引っ付いているのも嫌かもしれぬな」
「そうか……」
ベルサートもテイラーがいくら眠っているとはいえ、ルーベンスの話を聞いて、そうかと思った。
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