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【テイラー】沈黙
「話ができて良かった……後は危機を脱してくれれば」
「ええ、本当に」
「大丈夫よ、きっと、神様は二度もこんなことをしないわ」
ナナリーの言葉に、ルーベンスとベルサートも医師たちも頷いた。
「マークのことも、見てたのね」
「ああ……向こうは気付くことはなくとも、テイラーは分かっているのだから」
「ナナリー、何か言い掛けていなかったか?」
ベルサートはナナリーが『でも』と言っていたことから、気になっていたが、あの場では聞くことはしなかった。
「そうなの、でも言わない方がいいのかもしれないと思って」
「マークのことか?」
「ええ、でもここで話す話ではないわ。少し、隣で話しましょうか。お医者様、何か少しでも変化があれば呼んでください」
「はい、すぐにお呼びします」
ナナリーとルーベンスとベルサートは、すぐ隣の部屋に移った。
「簡潔に話すと、上手くいっていないそうなの」
「え?」
「番なのにという言葉は、当てはまらないことを私たちは知っているからな」
「そうですね」
番なのにという言葉が思わず出てしまう話ではあったが、そんなことは関係ないことはここにいる三人には痛いほど分かっていた。
「あなたにも、お義父様にもわざわざ話すことでもないと思っていたの」
ナナリーは結構前にその話を掴んでいたが、二人には話してはいなかった。
「まあ、今更だよな」
「アイルーンのことは関係あるのかい?」
アイルーンが殺されたということは、ミリオン王国でも報じられたので、間違いなくマークの耳にも入っている。
「いえ、その前からよ。正確には上手く隠していたけど、早い段階からということらしいわ。私はあなたが知るように、関わっていないでしょう?でも、友人伝いに聞いたのよ。あの妻、アーシャだったかしら?大人しいのだけど、実際は粘着質っていうのかしら?嫉妬深いというのか」
二人もマークの妻・アーシャのことは知っていたが、そんな風には見えなかった。
だが、上手くいっているのも癪だったが、上手くいっていないのではないか。いや、でも番だものなと思っていた。
「番だからではなく?」
「彼女の本質じゃないかしら?だけど、マークは違うわけよ」
「温度差があるということか?」
「そういうこと!それでギクシャクしていて、テイラーが見たのは表面上ってことよ。でも幸せそうで良かったと言っていたでしょう?だからこんなことを今、聞かされてもねと思ったの」
「そうだな」
元気な状態だったら、話していたと思うが、こんな時に上手くいっていないと言われても、テイラーはざまあみろという気持ちにはならないだろう。
「子どもがいないでしょう?」
マークとアーシャは既に結婚したが、子どもには恵まれなかった。後継者は、マークのきょうだいの子どもに決まっている。
「その影響もあるってことか?」
「そうではないかと思うのよ。あの二人には番だからと期待もされていただろうし、でもできなかったことで、マークは責めたりするような質ではないだろうけど、追い詰められたのではない?」
「こういうことを聞きたくはないが、妻の方が原因なのか?」
「そうらしいわ」
マークのことは当時は忌々しい気持ちだったが、ディオエルの番だと分かって、その気持ちが薄れていた。
だが、アイルーンが亡くなり、ペナルティが終わっても、再びマークのことは視界に入れたくはなかった。
そして、アイルーンが殺されたことが分かり、ディオエルや犯人たちへの怒りが勝るようになった。ゆえにマークについては、親しくする気はないが、無視するほどではないという関係性であった。
ナナリーはテイラーの元へ戻り、ルーベンスとベルサートは執務室に向かった。
王宮に戻ったディオエルたちとエレサーレは、シュアリアに会いに行き、エレサーレがテイラーについて報告を行った。
「ええ、本当に」
「大丈夫よ、きっと、神様は二度もこんなことをしないわ」
ナナリーの言葉に、ルーベンスとベルサートも医師たちも頷いた。
「マークのことも、見てたのね」
「ああ……向こうは気付くことはなくとも、テイラーは分かっているのだから」
「ナナリー、何か言い掛けていなかったか?」
ベルサートはナナリーが『でも』と言っていたことから、気になっていたが、あの場では聞くことはしなかった。
「そうなの、でも言わない方がいいのかもしれないと思って」
「マークのことか?」
「ええ、でもここで話す話ではないわ。少し、隣で話しましょうか。お医者様、何か少しでも変化があれば呼んでください」
「はい、すぐにお呼びします」
ナナリーとルーベンスとベルサートは、すぐ隣の部屋に移った。
「簡潔に話すと、上手くいっていないそうなの」
「え?」
「番なのにという言葉は、当てはまらないことを私たちは知っているからな」
「そうですね」
番なのにという言葉が思わず出てしまう話ではあったが、そんなことは関係ないことはここにいる三人には痛いほど分かっていた。
「あなたにも、お義父様にもわざわざ話すことでもないと思っていたの」
ナナリーは結構前にその話を掴んでいたが、二人には話してはいなかった。
「まあ、今更だよな」
「アイルーンのことは関係あるのかい?」
アイルーンが殺されたということは、ミリオン王国でも報じられたので、間違いなくマークの耳にも入っている。
「いえ、その前からよ。正確には上手く隠していたけど、早い段階からということらしいわ。私はあなたが知るように、関わっていないでしょう?でも、友人伝いに聞いたのよ。あの妻、アーシャだったかしら?大人しいのだけど、実際は粘着質っていうのかしら?嫉妬深いというのか」
二人もマークの妻・アーシャのことは知っていたが、そんな風には見えなかった。
だが、上手くいっているのも癪だったが、上手くいっていないのではないか。いや、でも番だものなと思っていた。
「番だからではなく?」
「彼女の本質じゃないかしら?だけど、マークは違うわけよ」
「温度差があるということか?」
「そういうこと!それでギクシャクしていて、テイラーが見たのは表面上ってことよ。でも幸せそうで良かったと言っていたでしょう?だからこんなことを今、聞かされてもねと思ったの」
「そうだな」
元気な状態だったら、話していたと思うが、こんな時に上手くいっていないと言われても、テイラーはざまあみろという気持ちにはならないだろう。
「子どもがいないでしょう?」
マークとアーシャは既に結婚したが、子どもには恵まれなかった。後継者は、マークのきょうだいの子どもに決まっている。
「その影響もあるってことか?」
「そうではないかと思うのよ。あの二人には番だからと期待もされていただろうし、でもできなかったことで、マークは責めたりするような質ではないだろうけど、追い詰められたのではない?」
「こういうことを聞きたくはないが、妻の方が原因なのか?」
「そうらしいわ」
マークのことは当時は忌々しい気持ちだったが、ディオエルの番だと分かって、その気持ちが薄れていた。
だが、アイルーンが亡くなり、ペナルティが終わっても、再びマークのことは視界に入れたくはなかった。
そして、アイルーンが殺されたことが分かり、ディオエルや犯人たちへの怒りが勝るようになった。ゆえにマークについては、親しくする気はないが、無視するほどではないという関係性であった。
ナナリーはテイラーの元へ戻り、ルーベンスとベルサートは執務室に向かった。
王宮に戻ったディオエルたちとエレサーレは、シュアリアに会いに行き、エレサーレがテイラーについて報告を行った。
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