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【テイラー】戻王宮
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「目が覚めたの?」
シュアリアはまず、その言葉で口元をほころばせた。
「眠ってしまいましたが、少し話をすることができました。まだ予断を許さない状況なのは、変わりありませんが」
「そう、なのね」
深刻な状況だと言われていたので、安易に喜ぶことは抑えはしたが、目が覚めたということに思わず、頬を緩めてしまった。
「母上が派遣した医師も、そのまま残るように言いました」
「それでいいわ、長引くなら他の医師も派遣するから」
「それがいいと思います。後、テイラー嬢の状況を伝えるために、連絡係をデリア侯爵邸にお願いします」
「分かったわ」
エレサーレを行かせたので、現在、連絡係はまだ向かわせておらず、すぐさま指示を出した。そして、ディオエルへある書類を差し出した。
「皇帝陛下、こちらがギリシスに何をしたか、何を言ったか、書かせたものです。お読みください」
デリア侯爵邸に行っている間に、宰相に睨まれながらギリシスが書いた書類を、シュアリアは引き取りに行き、おそらくエレサーレは戻ったら、自分の元へ来るだろうと待ち構えていた。
「分かった、読ませて貰う」
ディオエルは座って、ギリシスの文を読むことにした。
エレサーレはこの間にテイラーの言葉を、シュアリアに伝えることにした。
「先にテイラー嬢からの言葉を伝えます」
「ええ」
シュアリアは、無意識に背筋を伸ばした。
「テイラー嬢は、私にもしも何かあった場合の手紙を昨日、書いていたそうです」
「えっ?知っていたの?」
シュアリアはまさか事前に連絡があり、その上で会ったのかと思った。
「そうではありません。アイルーン嬢の言葉は届くのに、18年も掛かりました。それも、テイラー嬢がいたからこそです」
「そうね」
18年……長い間、殺されたのに病死だったと思われていた。
その事実は、ミリオン王国にとっても、許せないことであった。だが、疑っていたとしても、竜帝国に意見ができたかは分からない。一つ分かっているのは、ギリシスには無理であることだけは確かである。
それを本人と言ってもいい、テイラーが自分の力で明らかにした。
だが、それで良かったと思ってはならない。
殺されたということを知らせることは、本来は不可能だとしても、アイルーンは何か残していればと後悔していたのかもしれない。
「ですから、私の言葉を誰かに残して置きたいと、母上とデリア侯爵に書いたそうです。寮の部屋の引き出しにあると申しておりました」
「そういうことね、信頼して貰って良かったわ。でもその手紙は開くことなく、元気になったテイラーの口から聞くわ」
預かることはいい、だが開くことはしたくない。それはテイラーがいなくなることを、示しているからである。
「はい、そうなると信じています。デリア侯爵もそう思っているでしょう。エイク子爵はどうなっていますか?」
「まだ連絡はないわ。あの人は監視しているから大丈夫、エイク子爵から何か動きがあれば、私に連絡が来るようにしてあるわ」
もはや、ギリシスのことを国王陛下やあなた、夫とも呼びたくもなくなっていた。
「良かったです。勝手に会って、勝手なことを言っていたらと、思っていたので」
「そんなことさせるものですか!」
「テイラー嬢はエイク子爵家とは縁を切っているので、夫妻の見舞いは断るとのことです」
「分かったわ」
もし連絡があったり、やって来ることがあれば、テイラーの状況を話さなくてはならないかもしれない。
だが、テイラーが会わないと言うのなら、会わせる気はない。
シュアリアはデリア侯爵と違って、どんな理由があるにしろ、エイク子爵夫妻をまともではないと思っている。
場所も言わなければいい。見付かったとしても、いるのはデリア侯爵邸なら入り込むことも困難だろう。
シュアリアはまず、その言葉で口元をほころばせた。
「眠ってしまいましたが、少し話をすることができました。まだ予断を許さない状況なのは、変わりありませんが」
「そう、なのね」
深刻な状況だと言われていたので、安易に喜ぶことは抑えはしたが、目が覚めたということに思わず、頬を緩めてしまった。
「母上が派遣した医師も、そのまま残るように言いました」
「それでいいわ、長引くなら他の医師も派遣するから」
「それがいいと思います。後、テイラー嬢の状況を伝えるために、連絡係をデリア侯爵邸にお願いします」
「分かったわ」
エレサーレを行かせたので、現在、連絡係はまだ向かわせておらず、すぐさま指示を出した。そして、ディオエルへある書類を差し出した。
「皇帝陛下、こちらがギリシスに何をしたか、何を言ったか、書かせたものです。お読みください」
デリア侯爵邸に行っている間に、宰相に睨まれながらギリシスが書いた書類を、シュアリアは引き取りに行き、おそらくエレサーレは戻ったら、自分の元へ来るだろうと待ち構えていた。
「分かった、読ませて貰う」
ディオエルは座って、ギリシスの文を読むことにした。
エレサーレはこの間にテイラーの言葉を、シュアリアに伝えることにした。
「先にテイラー嬢からの言葉を伝えます」
「ええ」
シュアリアは、無意識に背筋を伸ばした。
「テイラー嬢は、私にもしも何かあった場合の手紙を昨日、書いていたそうです」
「えっ?知っていたの?」
シュアリアはまさか事前に連絡があり、その上で会ったのかと思った。
「そうではありません。アイルーン嬢の言葉は届くのに、18年も掛かりました。それも、テイラー嬢がいたからこそです」
「そうね」
18年……長い間、殺されたのに病死だったと思われていた。
その事実は、ミリオン王国にとっても、許せないことであった。だが、疑っていたとしても、竜帝国に意見ができたかは分からない。一つ分かっているのは、ギリシスには無理であることだけは確かである。
それを本人と言ってもいい、テイラーが自分の力で明らかにした。
だが、それで良かったと思ってはならない。
殺されたということを知らせることは、本来は不可能だとしても、アイルーンは何か残していればと後悔していたのかもしれない。
「ですから、私の言葉を誰かに残して置きたいと、母上とデリア侯爵に書いたそうです。寮の部屋の引き出しにあると申しておりました」
「そういうことね、信頼して貰って良かったわ。でもその手紙は開くことなく、元気になったテイラーの口から聞くわ」
預かることはいい、だが開くことはしたくない。それはテイラーがいなくなることを、示しているからである。
「はい、そうなると信じています。デリア侯爵もそう思っているでしょう。エイク子爵はどうなっていますか?」
「まだ連絡はないわ。あの人は監視しているから大丈夫、エイク子爵から何か動きがあれば、私に連絡が来るようにしてあるわ」
もはや、ギリシスのことを国王陛下やあなた、夫とも呼びたくもなくなっていた。
「良かったです。勝手に会って、勝手なことを言っていたらと、思っていたので」
「そんなことさせるものですか!」
「テイラー嬢はエイク子爵家とは縁を切っているので、夫妻の見舞いは断るとのことです」
「分かったわ」
もし連絡があったり、やって来ることがあれば、テイラーの状況を話さなくてはならないかもしれない。
だが、テイラーが会わないと言うのなら、会わせる気はない。
シュアリアはデリア侯爵と違って、どんな理由があるにしろ、エイク子爵夫妻をまともではないと思っている。
場所も言わなければいい。見付かったとしても、いるのはデリア侯爵邸なら入り込むことも困難だろう。
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