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お花畑に住めなくなった家族2
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「キャリーヌは勝手に貴族令息だと思っていたようだが、ただの孤児の傭兵で、仕事で既に別の国に行ったと」
「っな!」
「だが、キャリーヌは貴族令息だ、結婚すると喚いていると、医療刑務所に入ることになったということだ…」
既にキャリーヌは、王都の外れにある医療刑務所に入れられている。
「そんな男の子どもを…」
「それで育てられないから、子どもが生まれたらどうするかと」
「無事に産めるわけないでしょう!可哀想だけど、堕胎させましょう。キャリーヌは純粋だから、きっとその男に騙されたんだわ」
ノーマはキャリーヌは病弱な子どものままで、今でもキャリーヌに子どもを産ますことは、あり得ないと思っており、また騙されたのだと信じていた。
「キャリーヌは絶対に産むと言っていて、喘息も安定しているから、出産は大丈夫だろうということだ」
「な、そんなはずないわ」
「会いに行ってみるしかないな…」
「ええ、話をすれば分かるはずよ」
チェイスとノーマは、仕事を休むことは出来ないので、休みの日に医療刑務所にいるキャリーヌに会いに行った。
「何しに来たの?」
「キャリーヌ!」
「キャリーヌ…」
ノーマは久し振りに見るキャリーヌに嬉しくなったが、チェイスは妊娠した娘に複雑な思いを抱えていた。
「妊娠したって聞いて来たに決まっているでしょう?あなたは子どもは産めないの。何度も話したでしょう?」
「医者は大丈夫だって言ったわ」
「藪医者なのよ、喘息の女性は子どもは産めないの!常識なの!」
ノーマはすっかり心配する母になっているが、罰を受けている最中に子どもを作っているおかしさに気付くべきである。
「安定しているから大丈夫だって言ってたわ」
「もう、どうしてお母様の言うことの方が、本当だってどうしてわかってくれないの?しかも、傭兵の子どもだなんて…」
「そうよ、暇ならカイザーを連れて来てよ!」
「もう別の国に行ったそうよ」
前の二人は逃げてしまっただけであるが、何の因果なのか、キャリーヌの相手は他国に行ってしまう。
「だから、連れて来てって言ってるの!」
さすがにキャリーヌにも、カイザーは別の国に行っていると聞いている。
「孤児だけど、親は貴族なんだから」
「そう言われたの?はあ…騙されたのよ…あなたは純粋だから、信じてしまったのでしょう?」
「違うわ!彼は貴族なの!見れば分かるんだから」
孤児になってしまったが、カイザーは貴族令息のような精悍な顔立ちであったために、キャリーヌはまた勝手にきっと貴族令息だと思い込んだだけである。
周りもキャリーヌに説明はしたが、そんなはずはないと言い張っており、勝手に言っているだけだから、もういいかとされている状態である。
「そうではないわ、子どもは諦めましょう。命が危ないのよ?」
「嫌よ!子どもを産んで、カイザーと結婚するんだから!没落しそうな伯爵家より、良い暮らしをするんだから」
出産して、結婚したとしても、罰がなくなるわけではない。
だが、ノーマもずっとキャリーヌを見て来たからこそ、興奮させることは良くないことは分かっている。
「落ち着いて…カイザーという人がどこにいるか知っているの?」
「知らないわ」
「どこの国の方なの?」
「ミズラー王国。でも孤児だから、分からないって」
「家名は?」
「分からないって」
「探しようもないじゃない」
子どもの父親なら何らかの責任を取らせたいが、傭兵ならば定住先はないと思っていいだろう。そんな相手を探す方がお金が掛かってしまう。
「だから探すように頼んでって言ってるの!子どもが出来たことを知らないのよ?きっと知ったら、飛んで来るはずよ」
「そんなお金はないのよ…あなたも知っているでしょう」
ソアリ伯爵家にそんな余裕はない。
「っな!」
「だが、キャリーヌは貴族令息だ、結婚すると喚いていると、医療刑務所に入ることになったということだ…」
既にキャリーヌは、王都の外れにある医療刑務所に入れられている。
「そんな男の子どもを…」
「それで育てられないから、子どもが生まれたらどうするかと」
「無事に産めるわけないでしょう!可哀想だけど、堕胎させましょう。キャリーヌは純粋だから、きっとその男に騙されたんだわ」
ノーマはキャリーヌは病弱な子どものままで、今でもキャリーヌに子どもを産ますことは、あり得ないと思っており、また騙されたのだと信じていた。
「キャリーヌは絶対に産むと言っていて、喘息も安定しているから、出産は大丈夫だろうということだ」
「な、そんなはずないわ」
「会いに行ってみるしかないな…」
「ええ、話をすれば分かるはずよ」
チェイスとノーマは、仕事を休むことは出来ないので、休みの日に医療刑務所にいるキャリーヌに会いに行った。
「何しに来たの?」
「キャリーヌ!」
「キャリーヌ…」
ノーマは久し振りに見るキャリーヌに嬉しくなったが、チェイスは妊娠した娘に複雑な思いを抱えていた。
「妊娠したって聞いて来たに決まっているでしょう?あなたは子どもは産めないの。何度も話したでしょう?」
「医者は大丈夫だって言ったわ」
「藪医者なのよ、喘息の女性は子どもは産めないの!常識なの!」
ノーマはすっかり心配する母になっているが、罰を受けている最中に子どもを作っているおかしさに気付くべきである。
「安定しているから大丈夫だって言ってたわ」
「もう、どうしてお母様の言うことの方が、本当だってどうしてわかってくれないの?しかも、傭兵の子どもだなんて…」
「そうよ、暇ならカイザーを連れて来てよ!」
「もう別の国に行ったそうよ」
前の二人は逃げてしまっただけであるが、何の因果なのか、キャリーヌの相手は他国に行ってしまう。
「だから、連れて来てって言ってるの!」
さすがにキャリーヌにも、カイザーは別の国に行っていると聞いている。
「孤児だけど、親は貴族なんだから」
「そう言われたの?はあ…騙されたのよ…あなたは純粋だから、信じてしまったのでしょう?」
「違うわ!彼は貴族なの!見れば分かるんだから」
孤児になってしまったが、カイザーは貴族令息のような精悍な顔立ちであったために、キャリーヌはまた勝手にきっと貴族令息だと思い込んだだけである。
周りもキャリーヌに説明はしたが、そんなはずはないと言い張っており、勝手に言っているだけだから、もういいかとされている状態である。
「そうではないわ、子どもは諦めましょう。命が危ないのよ?」
「嫌よ!子どもを産んで、カイザーと結婚するんだから!没落しそうな伯爵家より、良い暮らしをするんだから」
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だが、ノーマもずっとキャリーヌを見て来たからこそ、興奮させることは良くないことは分かっている。
「落ち着いて…カイザーという人がどこにいるか知っているの?」
「知らないわ」
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「探しようもないじゃない」
子どもの父親なら何らかの責任を取らせたいが、傭兵ならば定住先はないと思っていいだろう。そんな相手を探す方がお金が掛かってしまう。
「だから探すように頼んでって言ってるの!子どもが出来たことを知らないのよ?きっと知ったら、飛んで来るはずよ」
「そんなお金はないのよ…あなたも知っているでしょう」
ソアリ伯爵家にそんな余裕はない。
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