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お花畑に住めなくなった家族1
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ソアリ伯爵は王城で、マリクワン侯爵に孫がいることを耳にして、ルイフォードが養子を取ったのだと思っていた。
それならば、ベルアンジュを離縁させて、邸に戻せば良かった。死ぬにしても、無理矢理にでも戻していれば、虐待で裁かれることもなかった。
それから、私たちの予定通りにキャリーヌがルイフォードに嫁いで、養子を取れば良かったなどと考えていた。
だが、そのキャリーヌは労働刑となり、さすがに庇うことは出来ない、お金はどうにもならなかったので、借金も背負わなくていいとホッとした癖に、離れて働いていると思うと、可哀想にという気持ちになっていた。
ベントルは部屋からほとんど出て来なくなった、援助してくれる令嬢が嫁いでくれればいいが、縁談を持ち込む前から会っても貰えない。
今でもベルアンジュに酷いことをしたという感覚もなく、キャリーヌが病気なのだから、悪いことをしたとも思っていない。
誤解だと言うべきベルアンジュべのせいだとは思っているが、亡くなっていることから、どこにもぶつけられず、何も解決しないことも分かっているが、考えることを止められない。
今のところ日々の生活は出来ているが、このままでは伯爵家は継続が出来ない。
私の代で終わるなど、プライドが許さない。ベントルに譲ったところで、没落が早まるだけである。
援助をして貰えれば、キャリーヌもいないことから、持ち直せるかもしれないと、バスチャン伯爵にお伺いを立てて置こうと思っていたが、ベルーナの白紙となったそうで、荒れていると聞くことになった。
そんな時に、援助の話をするのは得策ではないことくらい分かる。
「参ったな…」
「どうしたの?」
「ベルーナの婚約が白紙になったらしい」
「そうなの?元々、ベルーナに公爵家なんて無理だと思っていたのよ!私の勘が当たったわね」
ノーマはベルーナがラオルス公爵家に嫁ぐことを聞いた際に、良かったわねと言いながらも、どうしてベルーナなんかがと、悔しく思っていた。ゆえに白紙には笑いが漏れそうだったが、下品なので堪えた。
「そんな話ではない!援助の話をしてみようと思っていたんだ…それなのに、荒れているそうでな。そんな際に話は出来ないだろう?」
「それは、そうね…」
「ラオルス公爵家と縁続きになれば、援助して貰えたと思わないか」
「あっ、ええ…」
ノーマはバスチャン伯爵夫人に勝ちたい、馬鹿にしたいが、また援助はして貰いたいと思っていた。夫が言ってくれるなら、自分は関係ない顔をすればいい、だが婚約の白紙が影響するなんてと思っていた。
結局、頼むことが出来ないまま、時は過ぎていた。
ある日、キャリーヌが妊娠したと修道院から手紙が届いた。
「は?どういうことだ…」
「どうしたの?」
「キャリーヌが妊娠したと…」
「妊娠って、あの子は持病があるのよ?妊娠も出産も、危険だから出来ないと言ってあったでしょう」
ノーマもチェイスと一緒で、離れてから可哀想だと心配している。
それ以前にキャリーヌの男性関係を知らないはずなのに、簡単に男性と関係を持つ方に、疑問を持たないのかと思うところである。
「刑に服しているのに、どうして妊娠することになるんだ?」
「何かの間違いではないの?」
チェイスが手紙を読み進めると、事実であることが書かれていた。
「偶然、貴族令息と知り合って、関係を持って、子どもが出来たということらしい。キャリーヌは結婚すると言っていると、王家にも報告をしてあり、結婚は出来るならばすればいいが、刑は続くということらしい」
結局、キャリーヌはアデュエルとマックスと同じことを繰り返していた。
「貴族令息と、どこで知り合うの?」
「貴族令息ではないらしい…」
「何ですって…」
それならば、ベルアンジュを離縁させて、邸に戻せば良かった。死ぬにしても、無理矢理にでも戻していれば、虐待で裁かれることもなかった。
それから、私たちの予定通りにキャリーヌがルイフォードに嫁いで、養子を取れば良かったなどと考えていた。
だが、そのキャリーヌは労働刑となり、さすがに庇うことは出来ない、お金はどうにもならなかったので、借金も背負わなくていいとホッとした癖に、離れて働いていると思うと、可哀想にという気持ちになっていた。
ベントルは部屋からほとんど出て来なくなった、援助してくれる令嬢が嫁いでくれればいいが、縁談を持ち込む前から会っても貰えない。
今でもベルアンジュに酷いことをしたという感覚もなく、キャリーヌが病気なのだから、悪いことをしたとも思っていない。
誤解だと言うべきベルアンジュべのせいだとは思っているが、亡くなっていることから、どこにもぶつけられず、何も解決しないことも分かっているが、考えることを止められない。
今のところ日々の生活は出来ているが、このままでは伯爵家は継続が出来ない。
私の代で終わるなど、プライドが許さない。ベントルに譲ったところで、没落が早まるだけである。
援助をして貰えれば、キャリーヌもいないことから、持ち直せるかもしれないと、バスチャン伯爵にお伺いを立てて置こうと思っていたが、ベルーナの白紙となったそうで、荒れていると聞くことになった。
そんな時に、援助の話をするのは得策ではないことくらい分かる。
「参ったな…」
「どうしたの?」
「ベルーナの婚約が白紙になったらしい」
「そうなの?元々、ベルーナに公爵家なんて無理だと思っていたのよ!私の勘が当たったわね」
ノーマはベルーナがラオルス公爵家に嫁ぐことを聞いた際に、良かったわねと言いながらも、どうしてベルーナなんかがと、悔しく思っていた。ゆえに白紙には笑いが漏れそうだったが、下品なので堪えた。
「そんな話ではない!援助の話をしてみようと思っていたんだ…それなのに、荒れているそうでな。そんな際に話は出来ないだろう?」
「それは、そうね…」
「ラオルス公爵家と縁続きになれば、援助して貰えたと思わないか」
「あっ、ええ…」
ノーマはバスチャン伯爵夫人に勝ちたい、馬鹿にしたいが、また援助はして貰いたいと思っていた。夫が言ってくれるなら、自分は関係ない顔をすればいい、だが婚約の白紙が影響するなんてと思っていた。
結局、頼むことが出来ないまま、時は過ぎていた。
ある日、キャリーヌが妊娠したと修道院から手紙が届いた。
「は?どういうことだ…」
「どうしたの?」
「キャリーヌが妊娠したと…」
「妊娠って、あの子は持病があるのよ?妊娠も出産も、危険だから出来ないと言ってあったでしょう」
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結局、キャリーヌはアデュエルとマックスと同じことを繰り返していた。
「貴族令息と、どこで知り合うの?」
「貴族令息ではないらしい…」
「何ですって…」
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