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第二部
第10話
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「うぅ…。」
「すいませんってば。」
布団をかぶってベッドでうめいていると、三目君が頬をかきながら謝ってくる。こんなことが前にもあったような気がするが、どうでもいい。
「三目君の変態、エッチ、変態。」
「男はみんな変態なんですよ。」
開き直ったように笑う三目君をジロリと睨みつけると、流石に申し訳なくなったのかしょんぼりと肩を落とした。
「やりすぎました。すいません。許してください、幸尚さん。もうあんな激しいこと言いませんから。」
「そ、それは…。」
先程の雄臭い三目君を思い出すと、ズクリと腹のあたりが疼いてしまう。正直に言うと、とてもカッコよかったし、感じてしまった。
「…幸尚さんもそんなに嫌そうじゃないみたいだし、またやりますね。」
「そんなこと言ってない!!!」
三目君に気持ちを見透かされてしまってようで、そんなことを言われてしまう。顔を真っ赤にして暴れていると、「はいはい。そろそろご飯ですよ。」とギャルソンエプロンをつけた瀬尾君が部屋に入ってくる。
「ほら、2人とも腹減ったでしょ。作ったから早く食べましょう。明日も仕事なんだから早く寝ないと。」
「「はーい。」」
3人で過ごすことが多くなって、それぞれの部屋に本人以外のスーツやシャツが置かれるようになってしまった。部屋に行けばそう言う雰囲気になって泊まることが多くなってきたからだ。もちろん瀬尾君の部屋にも自分と三目君のスーツや下着が一式置いてある。
「相変わらず美味しいね。」
「料理の腕だけは認めてやる。」
「ありがとうございます、幸尚さん。」
瀬尾君が作ってくれたカルボナーラを食べる。するとやっぱり話題は小鳥遊君のことになってしまった。
「あの小鳥遊って奴。営業なんてできてるの?Ωなことを全面に出して媚び媚び営業しからできなさそうだけど。」
三目君が口いっぱいにカルボナーラを頬張る。頬にソースが付いてしまっていたので、ティッシュで拭いてあげると「幸尚さん、お嫁さんみたい…。」と言われて、瀬尾君に頭を叩かれていた。
「…否定できないのが指導役として痛い所だな。確かに小鳥遊は容姿とΩって所を強くアピールして契約を取ってきてる。取引先の会社や相手について調べたり話したりしているところは見たことないな。…一応俺もしっかり調べるように伝えてはいるんだが、なかなか響かない。それに…。」
「自分に迫ってくる始末って?あーヤダヤダ。ああいうΩがいるから本当に仕事頑張ってるΩが馬鹿にされるんだよね。番のαを探しにきてるだけの役立たずってね。小鳥遊なんてそんな奴らの典型でしょ?」
三目君の言葉を聞いて、カルボナーラを食べる手を止める。そして不思議そうな顔をしている三目君の頬を思いっきり引っ張ってやった。
「いだだだだだ!いだい!いだいですよ、幸尚さん!」
「そんな悪口を言うのはこの口かなぁ?んー?どうかなぁ?分かんないなぁ?もう少し引っ張るかなぁ?」
「あーーー!いだい!いだいです!!ごめんなさい!もういいまぜんがらぁ!」
「よし、それでいい。」
手を離してやると、三目君は涙目で頬をさすっていた。
「うー、どうしてあんな奴庇うんですか、幸尚さん。あなたを虐めた奴なんですよ。それに指導役の瀬尾だっててをやいてるんだからろくな奴じゃないですって!」
「もう一度引っ張られたいのかなぁ?」
「ごめんなさい!」
今度は一瞬で謝ってきた。
「…俺もあいつを一人前にしてやりたいんですけど、ああもあからさまにアピールされるとやり辛くて。小鳥遊はΩだから下手なことをしてフェロモンなんか出されたら俺も危ないかなぁって、っでいでぇ!」
今度は瀬尾君の頭にチョップを喰らわしてやった。あまりダメージはないようだが、恨みがましい目でこちらを見てくる。
「…小鳥遊君はいい子だよ。」
「幸尚さんの博愛精神ですか?駄目ですよ、いくら優しいからってあんな奴を甘やかしたら。」
三目君の言葉に首を横に振る。
「ううん、甘やかしてる訳じゃない。俺は小鳥遊君をとても評価してる。彼はね、立派な営業マンになれるはずだよ。」
「…営業部内でも小鳥遊のやり方は問題になってきてます。でも契約がとれてきてるので上も何も言えない状態で。最近はそのせいで部内の雰囲気も悪くなってきてるんです。…俺が指導役として未熟だから。」
「はいはい。反省も大事だけど、現状を良くするための方法を考えるのが先だよ。小鳥遊君の営業スタイルが問題になってるんだよね?」
瀬尾君に聞くと、コクリと頷く。
「それなら営業スタイルを変えてもらえばいいだけだろ。」
「…そんな簡単にいきますかねぇ。いでっ!」
また生意気なことをいう三目君にチョップを喰らわしておいた。
「瀬尾君、悪いんだけど営業部の部長に繋いでくれないかな?」
「え?あ、分かりました。」
瀬尾君がポカンと口を開けてしばらく呆けた後、慌てて頷く。
「何するつもりですか、幸尚さん。」
三目君の言葉に「秘密!」と返して、残りのカルボナーラをかきこんだ。
「すいませんってば。」
布団をかぶってベッドでうめいていると、三目君が頬をかきながら謝ってくる。こんなことが前にもあったような気がするが、どうでもいい。
「三目君の変態、エッチ、変態。」
「男はみんな変態なんですよ。」
開き直ったように笑う三目君をジロリと睨みつけると、流石に申し訳なくなったのかしょんぼりと肩を落とした。
「やりすぎました。すいません。許してください、幸尚さん。もうあんな激しいこと言いませんから。」
「そ、それは…。」
先程の雄臭い三目君を思い出すと、ズクリと腹のあたりが疼いてしまう。正直に言うと、とてもカッコよかったし、感じてしまった。
「…幸尚さんもそんなに嫌そうじゃないみたいだし、またやりますね。」
「そんなこと言ってない!!!」
三目君に気持ちを見透かされてしまってようで、そんなことを言われてしまう。顔を真っ赤にして暴れていると、「はいはい。そろそろご飯ですよ。」とギャルソンエプロンをつけた瀬尾君が部屋に入ってくる。
「ほら、2人とも腹減ったでしょ。作ったから早く食べましょう。明日も仕事なんだから早く寝ないと。」
「「はーい。」」
3人で過ごすことが多くなって、それぞれの部屋に本人以外のスーツやシャツが置かれるようになってしまった。部屋に行けばそう言う雰囲気になって泊まることが多くなってきたからだ。もちろん瀬尾君の部屋にも自分と三目君のスーツや下着が一式置いてある。
「相変わらず美味しいね。」
「料理の腕だけは認めてやる。」
「ありがとうございます、幸尚さん。」
瀬尾君が作ってくれたカルボナーラを食べる。するとやっぱり話題は小鳥遊君のことになってしまった。
「あの小鳥遊って奴。営業なんてできてるの?Ωなことを全面に出して媚び媚び営業しからできなさそうだけど。」
三目君が口いっぱいにカルボナーラを頬張る。頬にソースが付いてしまっていたので、ティッシュで拭いてあげると「幸尚さん、お嫁さんみたい…。」と言われて、瀬尾君に頭を叩かれていた。
「…否定できないのが指導役として痛い所だな。確かに小鳥遊は容姿とΩって所を強くアピールして契約を取ってきてる。取引先の会社や相手について調べたり話したりしているところは見たことないな。…一応俺もしっかり調べるように伝えてはいるんだが、なかなか響かない。それに…。」
「自分に迫ってくる始末って?あーヤダヤダ。ああいうΩがいるから本当に仕事頑張ってるΩが馬鹿にされるんだよね。番のαを探しにきてるだけの役立たずってね。小鳥遊なんてそんな奴らの典型でしょ?」
三目君の言葉を聞いて、カルボナーラを食べる手を止める。そして不思議そうな顔をしている三目君の頬を思いっきり引っ張ってやった。
「いだだだだだ!いだい!いだいですよ、幸尚さん!」
「そんな悪口を言うのはこの口かなぁ?んー?どうかなぁ?分かんないなぁ?もう少し引っ張るかなぁ?」
「あーーー!いだい!いだいです!!ごめんなさい!もういいまぜんがらぁ!」
「よし、それでいい。」
手を離してやると、三目君は涙目で頬をさすっていた。
「うー、どうしてあんな奴庇うんですか、幸尚さん。あなたを虐めた奴なんですよ。それに指導役の瀬尾だっててをやいてるんだからろくな奴じゃないですって!」
「もう一度引っ張られたいのかなぁ?」
「ごめんなさい!」
今度は一瞬で謝ってきた。
「…俺もあいつを一人前にしてやりたいんですけど、ああもあからさまにアピールされるとやり辛くて。小鳥遊はΩだから下手なことをしてフェロモンなんか出されたら俺も危ないかなぁって、っでいでぇ!」
今度は瀬尾君の頭にチョップを喰らわしてやった。あまりダメージはないようだが、恨みがましい目でこちらを見てくる。
「…小鳥遊君はいい子だよ。」
「幸尚さんの博愛精神ですか?駄目ですよ、いくら優しいからってあんな奴を甘やかしたら。」
三目君の言葉に首を横に振る。
「ううん、甘やかしてる訳じゃない。俺は小鳥遊君をとても評価してる。彼はね、立派な営業マンになれるはずだよ。」
「…営業部内でも小鳥遊のやり方は問題になってきてます。でも契約がとれてきてるので上も何も言えない状態で。最近はそのせいで部内の雰囲気も悪くなってきてるんです。…俺が指導役として未熟だから。」
「はいはい。反省も大事だけど、現状を良くするための方法を考えるのが先だよ。小鳥遊君の営業スタイルが問題になってるんだよね?」
瀬尾君に聞くと、コクリと頷く。
「それなら営業スタイルを変えてもらえばいいだけだろ。」
「…そんな簡単にいきますかねぇ。いでっ!」
また生意気なことをいう三目君にチョップを喰らわしておいた。
「瀬尾君、悪いんだけど営業部の部長に繋いでくれないかな?」
「え?あ、分かりました。」
瀬尾君がポカンと口を開けてしばらく呆けた後、慌てて頷く。
「何するつもりですか、幸尚さん。」
三目君の言葉に「秘密!」と返して、残りのカルボナーラをかきこんだ。
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