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第二部
第15話
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「山口くん…?」
四宮部長の惚けた声が聞こえてくるが、今は無視する。瀬尾君の唇から口を離すと、彼もまた惚けた顔でこちらを見ていた。急いでα用の抑制剤と水を口に含み、もう一度激しいキスをお見舞いしてやる。
「んんぅ!」
「はっ…んんぅ…、せお…くん。」
瀬尾君が舌を絡ませてくる。それに応えるように舌を伸ばすとチュルッという音とともに唾液を啜られた。
「あふっ…んんぅ…ぷあっ…!」
「ん…ゆき、なお…!ふぅっ!」
「…なっ…!」
自分と瀬尾君の激しいキスを目の前で見せつけられている小鳥遊君はただでさえ赤くなっていた顔を真っ赤にしている。でも視線を外すことはできないようで、ずっとこちらを凝視していた。存分に瀬尾君の唇を味わって、ゆっくりと顔を離すと、涎の糸が2人の間でぷつりと切れる。口から垂れた涎を親指で拭い、小鳥遊君を見下ろす。
「瀬尾君…、時宗は俺のだから手を出すなよ、小鳥遊君。」
「っ!」
小鳥遊君の顎を手で上げて瞳を見ながら告げる。すると小鳥遊君が息を呑んだ。
「だぁー!もう、駄目!駄目ですよ、幸尚さん!何別のΩ誘惑してるんですか!ほら、お前もさっさと抑制剤飲め!」
「ふぶっ!」
なぜか三目君に無理やり小鳥遊君から引き剥がされる。威嚇するように小鳥遊君を睨みつけた三目君は、その顔面に抑制剤を叩きつけた。
「な!ぼ、僕はこんなβなんかに誘惑なんて!」
「黙れ、若造!幸尚さんに見惚れてたくせに!やらないからな!幸尚さんのΩは俺だけなんだよ!だから早く薬飲め!」
三目君の指示通りに小鳥遊君が薬を飲み込む。するとどんどんフェロモンが少なくなってきて、数分後には小鳥遊君の体調も元に戻ったようだった。
そして、瀬尾君と四宮部長も同じく薬が効いたようで息の荒さもなくなっている。
「…山口、お前あの会社の社長と知り合いだったのか?」
店の人に事情を説明して謝罪を終わらせてきた四宮部長が尋ねてくる。
「えぇ、実は親戚なんです。仕事で身内びいきされてると思われたくなくてうちの会社にも、あっちにも隠してたんですが、今回は緊急だったので使わせてもらいました。」
「そうか…。でもそのおかげで助かった。ありがとう。」
四宮部長が頭を下げてくるので慌ててしまう。
「そんな!やめてください!俺はもうさっき会社を辞めましたから、ただの一般人です。一般人がセクハラ親父を成敗しただけですから!」
「君をクビになど絶対にさせない。もしそうなるなら俺も一緒にやめよう。」
「ふふ。なら一緒にリチャードの会社に拾ってもらいますか?」
「それもいいな。」
2人で笑い合っていると「だから、またたらし込まないでくださいって言ってるんです!」と三目君に注意されてしまった。3人でふふっと笑い合っていた時。
「っ!どうして、どうして邪魔したんだよ!あれが僕の営業のやり方なんだ!邪魔するなよ!!」
小鳥遊君が絶叫した。またもや涙をボロボロとこぼし、その大きな瞳で自分を睨みつけてくる。
「せっかく!大口の案件が取れたはずだったのに!そしたら、僕は評価されたはずだったんだ!Ωでもしっかり仕事できるって!これしか!この方法しかぼくにはないのに!!!!」
よろよろと立ち上がって小鳥遊君が歩いてくる。そして縋るように胸ぐらを掴んできた。
「これがΩのやり方なんだよ!βのあんたとは違う!愛玩されるしか利用価値がない僕らはこういうことしか!!!」
「ていっ!」
「いでっ!」
おでこにデコピンをしてやった。やばい。このご時世、これも問題になったりするだろうか。でも伝えないといけない。
「俺は言ったぞ。前の君の方が好きだって。いろんな人に質問してメモを取って。失敗しても涙堪えて食らいついて、教えてくださいって踏ん張ってた君がね。」
「…どうして…!」
「どうしてって。小鳥遊君、数年前にうちにインターンシップ来てただろ?」
「あ、あの時の僕は!」
「うん。苗字も違ったし、今と違ってちょっと髪もモサモサしてたよね。でも俺はあの時の君の方がずっと輝いてたと思うよ。インターンシップに来てくれたから、てっきりうちに就職してくれるもんだと思ってたから、次の年の新入社員にいなくて残念だったんだ。」
「…あの時のダサ男が僕って…分かってたんですか?」
「うん。俺、一度会った人ってほとんど忘れないんだ。それに君の仕事の仕方がすごく好きだったから忘れないよ。どうして変わってしまったの?俺は君と仕事をするの楽しみにしてたのに。」
「っ!僕は僕は!!!!!」
「あんなやり方が君の営業スタイルなもんか。君はとっても努力家で頑張り屋の立派な営業マンなんだからね。」
涙でぐしゃぐしゃの顔を両手で包み込んで微笑む。
「うわーーーーーー!」
涙も鼻水も何もかも出しながら、小鳥遊君は自分に縋り付いて号泣した。
四宮部長の惚けた声が聞こえてくるが、今は無視する。瀬尾君の唇から口を離すと、彼もまた惚けた顔でこちらを見ていた。急いでα用の抑制剤と水を口に含み、もう一度激しいキスをお見舞いしてやる。
「んんぅ!」
「はっ…んんぅ…、せお…くん。」
瀬尾君が舌を絡ませてくる。それに応えるように舌を伸ばすとチュルッという音とともに唾液を啜られた。
「あふっ…んんぅ…ぷあっ…!」
「ん…ゆき、なお…!ふぅっ!」
「…なっ…!」
自分と瀬尾君の激しいキスを目の前で見せつけられている小鳥遊君はただでさえ赤くなっていた顔を真っ赤にしている。でも視線を外すことはできないようで、ずっとこちらを凝視していた。存分に瀬尾君の唇を味わって、ゆっくりと顔を離すと、涎の糸が2人の間でぷつりと切れる。口から垂れた涎を親指で拭い、小鳥遊君を見下ろす。
「瀬尾君…、時宗は俺のだから手を出すなよ、小鳥遊君。」
「っ!」
小鳥遊君の顎を手で上げて瞳を見ながら告げる。すると小鳥遊君が息を呑んだ。
「だぁー!もう、駄目!駄目ですよ、幸尚さん!何別のΩ誘惑してるんですか!ほら、お前もさっさと抑制剤飲め!」
「ふぶっ!」
なぜか三目君に無理やり小鳥遊君から引き剥がされる。威嚇するように小鳥遊君を睨みつけた三目君は、その顔面に抑制剤を叩きつけた。
「な!ぼ、僕はこんなβなんかに誘惑なんて!」
「黙れ、若造!幸尚さんに見惚れてたくせに!やらないからな!幸尚さんのΩは俺だけなんだよ!だから早く薬飲め!」
三目君の指示通りに小鳥遊君が薬を飲み込む。するとどんどんフェロモンが少なくなってきて、数分後には小鳥遊君の体調も元に戻ったようだった。
そして、瀬尾君と四宮部長も同じく薬が効いたようで息の荒さもなくなっている。
「…山口、お前あの会社の社長と知り合いだったのか?」
店の人に事情を説明して謝罪を終わらせてきた四宮部長が尋ねてくる。
「えぇ、実は親戚なんです。仕事で身内びいきされてると思われたくなくてうちの会社にも、あっちにも隠してたんですが、今回は緊急だったので使わせてもらいました。」
「そうか…。でもそのおかげで助かった。ありがとう。」
四宮部長が頭を下げてくるので慌ててしまう。
「そんな!やめてください!俺はもうさっき会社を辞めましたから、ただの一般人です。一般人がセクハラ親父を成敗しただけですから!」
「君をクビになど絶対にさせない。もしそうなるなら俺も一緒にやめよう。」
「ふふ。なら一緒にリチャードの会社に拾ってもらいますか?」
「それもいいな。」
2人で笑い合っていると「だから、またたらし込まないでくださいって言ってるんです!」と三目君に注意されてしまった。3人でふふっと笑い合っていた時。
「っ!どうして、どうして邪魔したんだよ!あれが僕の営業のやり方なんだ!邪魔するなよ!!」
小鳥遊君が絶叫した。またもや涙をボロボロとこぼし、その大きな瞳で自分を睨みつけてくる。
「せっかく!大口の案件が取れたはずだったのに!そしたら、僕は評価されたはずだったんだ!Ωでもしっかり仕事できるって!これしか!この方法しかぼくにはないのに!!!!」
よろよろと立ち上がって小鳥遊君が歩いてくる。そして縋るように胸ぐらを掴んできた。
「これがΩのやり方なんだよ!βのあんたとは違う!愛玩されるしか利用価値がない僕らはこういうことしか!!!」
「ていっ!」
「いでっ!」
おでこにデコピンをしてやった。やばい。このご時世、これも問題になったりするだろうか。でも伝えないといけない。
「俺は言ったぞ。前の君の方が好きだって。いろんな人に質問してメモを取って。失敗しても涙堪えて食らいついて、教えてくださいって踏ん張ってた君がね。」
「…どうして…!」
「どうしてって。小鳥遊君、数年前にうちにインターンシップ来てただろ?」
「あ、あの時の僕は!」
「うん。苗字も違ったし、今と違ってちょっと髪もモサモサしてたよね。でも俺はあの時の君の方がずっと輝いてたと思うよ。インターンシップに来てくれたから、てっきりうちに就職してくれるもんだと思ってたから、次の年の新入社員にいなくて残念だったんだ。」
「…あの時のダサ男が僕って…分かってたんですか?」
「うん。俺、一度会った人ってほとんど忘れないんだ。それに君の仕事の仕方がすごく好きだったから忘れないよ。どうして変わってしまったの?俺は君と仕事をするの楽しみにしてたのに。」
「っ!僕は僕は!!!!!」
「あんなやり方が君の営業スタイルなもんか。君はとっても努力家で頑張り屋の立派な営業マンなんだからね。」
涙でぐしゃぐしゃの顔を両手で包み込んで微笑む。
「うわーーーーーー!」
涙も鼻水も何もかも出しながら、小鳥遊君は自分に縋り付いて号泣した。
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