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試験開始です。
予選の合間
しおりを挟む勝利チームを告げる宣言が、風魔法を使って学園中に流されていく。対戦していたのは魔法特進科の貴族を中心とした、魔術師チームでした。アイクお兄様の氷魔法もそれなりに対策されていたのですが、申し訳ありませんが、作戦参謀・司令塔は私なのです。
「アリアは思った以上に、指揮官向きなのかもね」
「オブシディアンとハウライトの行動を指示出来るのは私だけですからね。言葉は解ってくれますが、オブシディアンは日中は子猫の姿ですから此方に伝わりませんし」
「対戦相手も意外なんだろうね、吃驚してくれるから楽でいいよ」
アトランティ家の兄妹の絆を、甘く見て貰っては困ります。水と氷魔法の使い手のアイクお兄様、水と風と光と闇の四属性を使う私、子猫の姿だとは言え、守護聖獣のハウライトとオブシディアン。剣術もトップクラスで素早さでは右に出るものは無いアズライト。マーカサイト様には高みの見物を決め込んで貰っていますが、今のところ問題なく連戦連勝です!
「アイク兄様、アメーリア姉様お疲れ様です。アズライト怪我はしてない?」
「ちょっと擦り剥いてるくらいだから大丈夫、舐めてれば治る」
「駄目だよ、回復するから出して」
試合が終われば見学をしていたマーカサイト様が、アズラの回復にやってきてくれます。前線で戦っているアズラはどうしても怪我をしてしまいますから。ジャスパー様との違いは重量でしょうかねぇ?アズラは素早さを武器にしていますから、防御力が低いのが弱点なのです。
(かと言って、今の段階で補助魔法を使って鉄壁にするのもねぇ…。魔法を読まれるのは困りますし、アズラには悪いですが、もう少しこのままでしょうかね)
他のチームにも、アトランティ家の苦手属性の魔術を使う魔法使いは勿論居ますし、力ではアズラを上回る騎士科の先輩だって居ます。まぁ問題はチームワークなんですよね。家の柵とかどうでもいい自尊心とかね、その辺考えないと勝てやしませんって。
(騎士科と魔法特進科は、平民と貴族合同の学科だって事、ちゃんと考えて欲しいわよね)
誰が上級貴族だからとか、誰は平民だから言う事を聞けとか。実技試験を開始する途端に始まる言い争い。二年生が其れをやるのは仕方無いのですが、あぶれた者同士が仕方なくチームを作った場合、まず衝突します。
「魔法特進科の貴族チームは楽だよね、騎士科を動かさないから」
「反対に平民の騎士科チームは、魔術師を補助にしかしないの勿体無いですよね」
「決勝までは、このままアリアに指揮官を頼もうか。いけるよね?アリア」
「勿論ですわ、お任せ下さい」
(元ゲーマーの血が騒ぐ、子供が出来ては廃人レベルまでやってませんけど、同年代からすれば、やり過ぎなくらいゲームしてましたからね。話通じる友人少なくて私涙目だった)
まぁ、負けるつもりはありません。ハウライトとオブシディアンも一緒に頑張ってくれてますから!
「アリアお姉様!アズラー!」
「セレナ、こっちよ」
「お疲れ様です、上位に入るなんて流石ですわ。来年は是非とも私と組んでくださいませ」
「勿論よ、アズラとセレナが一緒なら敵無しね」
試験会場になっている魔法実技室から出ると、満面の笑みで出迎えてくれたのは獣人の美少女セレナです。手加減して飛び込んでくるのを抱き締めるのが、この試験での一番の癒しですわ。獣化している姿ならなおいいのですが、あまり頻繁に獣化してはいけないとコルネル辺境伯から言いつけられてしまったそうです。残念ですわ…。
「それにしても、ハウライト様の補助魔法の強さは本当驚きです」
「そうだね、オブシディアンの闇魔法を未だに使わないでいられるから、心強いよ」
「にゃあにゃーん」
「うにゃーん」
鳴き声だけ聞いていると可愛いですが、ハウライトはドヤ顔してますからね?しかも、意味解ってないのアイクお兄様とマーカサイト様だけで、私とアズラとセレナは解ってますからね?
『当然です、私はアリアの守護聖獣ですから』
『僕も、アズラより強い』
こっそりと項垂れているアズラの頭をポンポンと撫でると、パッと嬉しそうな顔をするのが可愛いです。獣化したら遠慮なくモフるのですが、この前の救護室での事を思い出すと、迂闊にモフモフ出来ないんです。細められたエメラルドグリーンの瞳の色気が、半端なかっ…。
(駄目駄目!まって、思い出さないで!)
「次はルチル達のチームの応援をしましょうか」
「ラズ殿下に見つからない様に、こっそりね?」
「え?応援駄目なんですか?」
「それは後での、お楽しみにしょうか」
口元に人差し指を添えて『内緒』ってやるアイクお兄様、今でもくっそ可愛い!!なんだうちの男性陣こんなに可愛いとか悶え死ぬわ!
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