攻略なんてしませんから!

梛桜

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試験開始です。

トーナメント方式です。



 合同試験の対戦表の発表会場は、阿鼻叫喚とでもいいましょうか。勿論私達を除くデス。

(まぁなんたって、優勝候補だったラズ殿下率いる組が、まさかの氷の魔術師のアイクお兄様を外してリィ様とルチルレイを入れているんですもんねー…)

「思った通りの騒々しさだ」
「笑い事ではありませんわ、ラズーラ殿下」
「私からの怒りを買ったのでは無いかという噂が一番多いようだ、相反する属性だからな」
「そうで有れば幼い頃から側近に致しませんわ、少し考えれば解ることです」

 何故かラズーラ殿下に誘われて見に来た、組み分け発表ですが。人混みにどうして貴族科の御令嬢が、大量に押し寄せているのでしょうか。炎属性をトップとしたラズーラ殿下の組と、氷属性のアイクお兄様をトップとしたアトランティ家の組。

(変な噂にされたら、反逆罪とか言われそうですわね)

 苦虫を噛み潰したような顔でもしていたのでしょう、クスクスと楽しそうに笑っているラズーラ殿下は相変わらずの意地悪さんです。私の考えている事を読み取るのやめて頂きたい。しかも、小声で話をしないといけないので、ラズーラ殿下との距離が近いです。

「大丈夫、アイクにはジャスパーを付けているから」
「それ、全然大丈夫ではありません、火に油を注いでいますわー…」
「心配はしていないようだね、アメーリア嬢の心配は、あそこで顔を青くしているお嬢さんかな?」
「気付かれない様にしているようですが、逆に不審ですわね。そっと連れ出して…」
「私が行こう」

 頭にショールを巻いて顔を隠しているようですが、そんな事をしている生徒がいないのでかなり怪しいルチルレイの姿を見つけ、ラズーラ殿下が近付いていきます。肩を叩いただけで身体が飛び跳ねてますが、まぁ吃驚しますよね。貴族科の女生徒に見つからない様にこそこそしていたのに、まさかの大物がやってくるんですものねー。

(いや、外側から見てるぶんには余裕ですよ?他人事ですから)

『我が共に居ると目立つといわれたのだが?』
「ルチルレイの護衛の為には、一緒の方が宜しいのでは?」
『人型も狼も目立つといわれた』

 拗ねて尻尾と耳がしょげているギベオンは可愛いです、思わずもふもふ撫で撫でしてしまいます。私から魔力摂取していたせいか、毛並みが二割増しでもっふぁーとしてます。ふわふわ。でも、やっとルチルレイが戻りましたからね、私の魔力を狙わなくても…。

『腹が空いたら行くぞ』
「来なくて良い、というか、頭の中を読まない」
『そろそろ試験だな、決勝が楽しみだ』
「其の前に予選ですわ」

 組み合わせを確認して急ぎ足で居なくなるのは、合同試験参加者です。私もそろそろアイクお兄様の待つ控え室へと移動居なくてはいけません。ルチルレイの事はラズーラ殿下とギベオンにお願いいたしましょう。

「あ、アメーリア様!」
「アメーリア嬢、決勝でね」
「対戦できますこと、楽しみにさせて頂きますわラズーラ殿下」
「アリア」
「今行きますわ」

 戻ってきたラズーラ殿下とルチルレイに制服の裾を摘み礼をして微笑みを返し、いつの間にか迎えにきていたアズラと一緒に控え室へと歩き出した。
 試験が終わるまでは、一応ライバルですからね。試験中は手加減無しなのですよ。



「アズラ!右へ避けなさい!アイクお兄様『氷の槍』展開!」
「アズラ、自分で避けないと知らないよ?」
「え?うわっ、ちょっと、ちょっと待って下さいアイドクレーズ様!」
「ハウライト、オブシディアン!怯んでる隙に連携攻撃!」
「うにゃあ!」
「解りました!」

 魔法特進科と騎士科の合同実技試験が始まりました。
 前世から持っている記憶では、コレはミニゲームとして簡単なトーナメント方式で戦って優勝すれば好感度が一気に上がるという美味しいイベントゲームです。ですが、早々に負けてしまうとそのまま。ゲーム画面ではドラゴンに攫われたお姫様助けにいった有名なRPGとか、何年経っても最後の物語なRPGのような簡単な戦闘画面で、行動を選択していくのですが、今はリアルです。燃えましてよ!
 画面を挟んでいる時とは違った高揚感に、私のテンションがいつも以上に上がっているのは仕方無い事だと思いません?アトランティ家の兄妹は魔法の強さには定評がありますので、ある意味最強でしてよ!

「ハウライト、『光の壁』展開、オブシディアンはアズラと一緒に下がりなさい!」
「にゃあ!」
「アリア魔法攻撃、弾ける!?」
「大丈夫ですわ、アイクお兄様『光の壁』解除と同時に『水撃弾』お願いします」
「了解」
「アズラ、攻撃補助の魔法をかけます。一気に叩いてお仕舞いなさい!」
「はいっ!」

(魔を祓った事で光魔法のレベルが上がったみたい、ハウライトとの協力魔法がチート並に強いんだよねー…。光の壁使わないほうがいいかな?)

 公式設定でも同じでしたが、ラズーラ殿下の組とはトーナメント表でも端と端。つまり、決勝にならないと当たりません。有りがたいですが、これ、貴族科の令嬢立ち入り禁止に出来ないかな?詠唱がかき消されますわ。



『勝者!アイドクレーズチーム!』

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