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第74話 セカンケイブ出発前の出来事です #2
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ヒトツメギルド受付カウンター。
ピキーーン! ピキキーーン! ピキピキピッキーーーーン!!
「何っ!? この胸騒ぎ、まさか事案発生っ!?」
ガタッ
「どっ、どうしたピノの嬢ちゃん!? 発生って……まっ、まさかスタンピードでも起きるってのか!?」
ガタタッ
「何ぃっ!?」
ガタタタッ
「スタンピードだとぉ!?」
ガタタタタッ
「大変だ! ギルマスを呼べぇ!!」
ピノを中心に広がったその連鎖に冒険者も職員も一様に緊張感に包まれ、冒険者ギルドは突如として緊急事態の様相を呈す。
その物々しい雰囲気に、ピノはハッと我に返った。
「すみませんすみません違うんです何でもないんですっ!」
自らが発端となってしまった事に気付きひたすら彼らに平謝りしながら、ピノはそっと王都の方角に目を向けた。
「……カルア君、あとで訊かせてもらうからね!」
「さて、じゃあ最後はネッガーね。最強職員直伝の【気配察知】、見せてもらおうじゃない」
獰猛な笑みを浮かべるクーラ先生は、やっぱり弟子の成長が一番気になってたんだろうなあ。
「はい、よろしくお願いします」
対するネッガーもよく似た獰猛な笑みを浮かべ――ってこの笑みもクーラ先生から習ったの?
そして師匠と弟子の対決が今幕を上げる!
頑張れネッガー!
大丈夫、君はすごく強くなった。
君の成長は僕がずっと見てきたんだ。
だから君のその力を……
超パワーアップした君の力を……
今度はクーラ先生に、そしてみんなに……見せつけるんだっ!!
そしてっ……
さっきの僕をみんなの記憶から消し去ってくれっ!!
頑張れネッガーーーーっ!!!!
「時間を掛けるつもりはないわ。一段階めは最初から解放していくわよ」
その言葉と同時に【身体強化】を開始するクーラ先生。その瞬間――
「一段階で――足りますかっ!!」
「っ!?」
一気に距離を詰め攻撃に移るネッガー。
【身体強化】直後の一瞬の隙を見逃さなかったみたいだ。展開した【気配察知】と強化した視覚のおかげで今なら僕にも何とか見える。感じ取れる。
「ちょっ、うそっ、まっ――」
クーラ先生が体勢を整えようとすると、それを先読みしたネッガーが今度は逆方向から崩しにかかる。辛うじて避けたクーラ先生の反撃はその挙動を察知したネッガーにその芽を摘まれ、流れを振り払おうと強引に放つ攻撃は逆にカウンターを狙われる。
一旦離れようとバックステップすれば、低空から同速度で詰めてきたネッガーの追撃を受け――と、ここまでクーラ先生は全く自分のペースに持ち込む事が出来ていない。
これは――いけるか!?
近距離での激しい打ち合い躱わし合いはここまでネッガー優勢、やがて防戦一方となったクーラ先生に、ついにネッガーの初めてのクリーンヒットが入る――かに見えたその瞬間!
ヴォムッ!!
空気が音を立てて爆発した。
その爆発の中心地には、仁王立ちするクーラ先生の姿が。そして一方のネッガーはというと……目の前で起きた爆発の衝撃で弾き飛ばされちゃった。
あらら……
「ふふっ、確かに随分成長してきたようね。そうか、これが最強職員の戦い方……。いいわ認めてあげるネッガー、あなたはこの2段階めに相応しい相手だと。そして……私の力を全身で感じ取りなさい!」
クーラ先生の言葉に呼応するように、立ち上がったネッガーの全身から迸る更なる魔力っ!
「まだだ! まだ終わらん!!」
ネッガーの様子にクーラ先生はうっすらと笑みを浮かべた。
「そっちも2段階めを出してきたわね。流石に勝負どころは分かってる――でもっ!」
そして、一切の予備動作を見せずネッガーの前に移動したクーラ先生。
――短距離の【転移】!? いや、魔力は感じなかったから……ただ速いだけだ!!
僕がそんな事を考えている間にクーラ先生の猛攻が始まっていた。そしてネッガーはその猛攻を【気配察知】で捌き続けてる。
コレどっちもとんてもないな……
でも今度はネッガーが押され気味。攻撃を捌くその体勢は徐々に崩れていって……ガードした場所に攻撃は来なくて……その逆側から連打を浴びて……吹っ飛ばされたと思ったらその後ろに先回りされて……そこから空中に突き上げられて……あとはもう……ああ…………
そして――
【身体強化】を解いたクーラ先生と、その前に転がる――
ネッガーはもうピクリとも動かなかった。
「強くなったわねネッガー。全く……ビックリしたわよ、まさかこんなに早く2段階めを使わせられるなんてね」
おおっ、凄い高評価! ネッガー、意識がなくて残念だ。
「――でも技術の方はまだまだね。それと【気配察知】からの動きが反射的過ぎてフェイントへの対処が追い付かなる点も改善が必要かな。ま、そうは言っても魔物はそうそうフェイントなんか使わないけどね」
あ、やっぱりダメ出しもされるんだ……
「あとは……もっと速い動きともっと強い攻撃に対応出来るよう、速さと力を上げなさい。以上よ」
「あ、ありがとう……ござい、ました……がふっ」
あ、ネッガー意識あったんだ。よかった。
「カルア回復お願い。いやー思ってたより強くなってて、ちょっとだけムキになっちゃった。てへっ」
ああ、これは確かにちょっと――ってこれ中回復が必要な大ケガっ!!
「てへっ」ってレベルじゃないって……
急いでネッガーに【中回復を】――と思ったけど、ダンジョン行きの前だからここは怪我した箇所だけ【復元】しておいた。
それからネッガーはすぐに立ち上がったんだけど、その表情は凄く晴れやかで穏やかで満足げで。
――そっか、一度はクーラ先生を追い詰める事が出来たし、そこから2段階めも解放させたし、きっと凄い達成感を噛み締めてるんだろうなぁ。
うんうん、よかったねネッガー。
そしてこれならきっと、みんなからさっきの記憶も上書きされ――
「ワルツ、おそろしい子……」
――ていなかった。はぁ……
ピキーーン! ピキキーーン! ピキピキピッキーーーーン!!
「何っ!? この胸騒ぎ、まさか事案発生っ!?」
ガタッ
「どっ、どうしたピノの嬢ちゃん!? 発生って……まっ、まさかスタンピードでも起きるってのか!?」
ガタタッ
「何ぃっ!?」
ガタタタッ
「スタンピードだとぉ!?」
ガタタタタッ
「大変だ! ギルマスを呼べぇ!!」
ピノを中心に広がったその連鎖に冒険者も職員も一様に緊張感に包まれ、冒険者ギルドは突如として緊急事態の様相を呈す。
その物々しい雰囲気に、ピノはハッと我に返った。
「すみませんすみません違うんです何でもないんですっ!」
自らが発端となってしまった事に気付きひたすら彼らに平謝りしながら、ピノはそっと王都の方角に目を向けた。
「……カルア君、あとで訊かせてもらうからね!」
「さて、じゃあ最後はネッガーね。最強職員直伝の【気配察知】、見せてもらおうじゃない」
獰猛な笑みを浮かべるクーラ先生は、やっぱり弟子の成長が一番気になってたんだろうなあ。
「はい、よろしくお願いします」
対するネッガーもよく似た獰猛な笑みを浮かべ――ってこの笑みもクーラ先生から習ったの?
そして師匠と弟子の対決が今幕を上げる!
頑張れネッガー!
大丈夫、君はすごく強くなった。
君の成長は僕がずっと見てきたんだ。
だから君のその力を……
超パワーアップした君の力を……
今度はクーラ先生に、そしてみんなに……見せつけるんだっ!!
そしてっ……
さっきの僕をみんなの記憶から消し去ってくれっ!!
頑張れネッガーーーーっ!!!!
「時間を掛けるつもりはないわ。一段階めは最初から解放していくわよ」
その言葉と同時に【身体強化】を開始するクーラ先生。その瞬間――
「一段階で――足りますかっ!!」
「っ!?」
一気に距離を詰め攻撃に移るネッガー。
【身体強化】直後の一瞬の隙を見逃さなかったみたいだ。展開した【気配察知】と強化した視覚のおかげで今なら僕にも何とか見える。感じ取れる。
「ちょっ、うそっ、まっ――」
クーラ先生が体勢を整えようとすると、それを先読みしたネッガーが今度は逆方向から崩しにかかる。辛うじて避けたクーラ先生の反撃はその挙動を察知したネッガーにその芽を摘まれ、流れを振り払おうと強引に放つ攻撃は逆にカウンターを狙われる。
一旦離れようとバックステップすれば、低空から同速度で詰めてきたネッガーの追撃を受け――と、ここまでクーラ先生は全く自分のペースに持ち込む事が出来ていない。
これは――いけるか!?
近距離での激しい打ち合い躱わし合いはここまでネッガー優勢、やがて防戦一方となったクーラ先生に、ついにネッガーの初めてのクリーンヒットが入る――かに見えたその瞬間!
ヴォムッ!!
空気が音を立てて爆発した。
その爆発の中心地には、仁王立ちするクーラ先生の姿が。そして一方のネッガーはというと……目の前で起きた爆発の衝撃で弾き飛ばされちゃった。
あらら……
「ふふっ、確かに随分成長してきたようね。そうか、これが最強職員の戦い方……。いいわ認めてあげるネッガー、あなたはこの2段階めに相応しい相手だと。そして……私の力を全身で感じ取りなさい!」
クーラ先生の言葉に呼応するように、立ち上がったネッガーの全身から迸る更なる魔力っ!
「まだだ! まだ終わらん!!」
ネッガーの様子にクーラ先生はうっすらと笑みを浮かべた。
「そっちも2段階めを出してきたわね。流石に勝負どころは分かってる――でもっ!」
そして、一切の予備動作を見せずネッガーの前に移動したクーラ先生。
――短距離の【転移】!? いや、魔力は感じなかったから……ただ速いだけだ!!
僕がそんな事を考えている間にクーラ先生の猛攻が始まっていた。そしてネッガーはその猛攻を【気配察知】で捌き続けてる。
コレどっちもとんてもないな……
でも今度はネッガーが押され気味。攻撃を捌くその体勢は徐々に崩れていって……ガードした場所に攻撃は来なくて……その逆側から連打を浴びて……吹っ飛ばされたと思ったらその後ろに先回りされて……そこから空中に突き上げられて……あとはもう……ああ…………
そして――
【身体強化】を解いたクーラ先生と、その前に転がる――
ネッガーはもうピクリとも動かなかった。
「強くなったわねネッガー。全く……ビックリしたわよ、まさかこんなに早く2段階めを使わせられるなんてね」
おおっ、凄い高評価! ネッガー、意識がなくて残念だ。
「――でも技術の方はまだまだね。それと【気配察知】からの動きが反射的過ぎてフェイントへの対処が追い付かなる点も改善が必要かな。ま、そうは言っても魔物はそうそうフェイントなんか使わないけどね」
あ、やっぱりダメ出しもされるんだ……
「あとは……もっと速い動きともっと強い攻撃に対応出来るよう、速さと力を上げなさい。以上よ」
「あ、ありがとう……ござい、ました……がふっ」
あ、ネッガー意識あったんだ。よかった。
「カルア回復お願い。いやー思ってたより強くなってて、ちょっとだけムキになっちゃった。てへっ」
ああ、これは確かにちょっと――ってこれ中回復が必要な大ケガっ!!
「てへっ」ってレベルじゃないって……
急いでネッガーに【中回復を】――と思ったけど、ダンジョン行きの前だからここは怪我した箇所だけ【復元】しておいた。
それからネッガーはすぐに立ち上がったんだけど、その表情は凄く晴れやかで穏やかで満足げで。
――そっか、一度はクーラ先生を追い詰める事が出来たし、そこから2段階めも解放させたし、きっと凄い達成感を噛み締めてるんだろうなぁ。
うんうん、よかったねネッガー。
そしてこれならきっと、みんなからさっきの記憶も上書きされ――
「ワルツ、おそろしい子……」
――ていなかった。はぁ……
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