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第74話 セカンケイブ出発前の出来事です #3
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僕達のこの2週間の成果にはクーラ先生も大満足だったみたい。凄くいい笑顔で僕達を見渡した。
「よし、じゃあみんな、片付けて町に繰り出すわよ!!」
「「「「「おおーーーっ」」」」」
よし、片付けだ……って、この穴だらけでボロボロの実習室の……片付け? 今から?
「さあカルア、ノルト、あなた達の見せ場よ。得意の土魔法でさくっとやっちゃって」
はい、ですよねー。
あ、でもこれくらいの範囲と時間だったら、土魔法で色々やるよりも――
ちょっとだけ魔力循環を速めて――
「【復元】!」
の方が簡単だよね。はい、元通りっと。
「「「「「…………」」」」」
「はぁ、あたし達も結構進歩したと思ってたけど、結局あんたの魔法が一番……何て言うか、ここまで来るともう、『とんでもない』を通り越して『インチキ臭い』のよねえ」
いやそれ絶対褒めてないよね、インチキ臭いって……
え、ホントに……?
それから僕達は街へやって来た。
で、まず最初はもちろんお昼ご飯!
「どこに行くかはお楽しみ。まあ私に任せなさいって」
そういってクーラ先生が連れてきてくれたのは、真新しくて立派な店構えのレストラン。その店を見てアーシュが小さく声を上げた。
「あれ? このお店って――」
「ふふ、流石にアーシュは知ってるか。ちょっと前にベルマリア家で立ち上げた店だものね」
そうなんだ……でもそれって内緒にするほどの事じゃないと思うけど……?
そんな僕の疑問は、続くクーラ先生の説明で吹き飛んだ。
「このお店の名前は『英雄の食卓』と言ってね、何とあのカバチョッチョの物語に出てくる色んな街の『名物料理』を出してくれる店なのよ!」
なっ何ですと!? そんな夢のようなお店があったなんて!?
「お昼のピークを過ぎて空き始めてきた感じね。これならそんなに待たずに食べられるでしょ。さあ入るわよ」
そんなクーラ先生の案内で店に入った僕達は、店員さんがニコやかに指し示した先の空きテーブルへと座った。
テーブルに置いてあるメニューを手に取ると、そこには確かに見覚えのあるような料理名が並んでる。もちろん食べた事どころか見た事も無い料理ばかりだけど。
うーん、どれを選ぶべきか……
「一番上に書いてあるこの三品が『名物』の代表格と言われているの。初めて来たのなら、まずこのどれかから選ぶ事をお勧めするわ」
なるほど、そういう事なら僕もそうしようかな。
みんなも僕と同じ事を考えたみたいで、その三品に注文が集中した。
「あたしは『とろろ汁セット』にする」
「む、俺は『蒲焼きセット』だな」
「僕も『とろろ汁セット』かな。山の幸って事で」
「ならわたしは、海の幸。『焼蛤セット』」
うーん、僕は……
「よし、『蒲焼きセット』に決めた」
「全員決まったわね。すみませーーーん!」
暫くして注文した料理が一斉に届き、沢山並んだ皿や小鉢なんかでテーブルの上が凄く賑やかになった。でもそれぞれが注文した料理が一人用トレイに乗って自分の前に置かれるから、どこまでが自分が頼んだ料理なのかは一発で分かる。
ちょっとした事だけど、凄く良い工夫だと思う。
「「「「「いっただっきまーーーす」」」」」
――僕が頼んだ蒲焼きは、とっても美味しかった。みんなも凄く美味しそうに食べてたし、次来た時には他の三大名物に挑戦しようかな。
もちろんピノさんを誘って……
そんな大満足のお昼ご飯が終わり、アイテム類の買い物へと向かう道すがら――
「そう言えばあなた達、フタツメまではどうやって行くつもりでいるの?」
クーラ先生がふとそんな質問をしてきた。
そういえば考えてなかったけど、王都から各街へは乗合馬車が出てるからそれで――
「ああ、それだったらあたしが馬車を手配してあるわよ」
「「「「えっ!?」」」」
アーシュが馬車!?
脳裏に蘇る、パーティ会場までの思い出。
まさかの王宮馬車の、あの緊張感……
「もう何よ!? この間のアレはちょっとしたサプライズ! 今度は普通の馬車に決まってるでしょ!」
「だよね、よかったぁ……」
ホッとしたのは僕だけじゃなかったみたいで、みんな一斉に肩の力を抜いた。
そんな僕達にアーシュが笑顔を見せた。
「だから馬車での移動中の暇潰しでも考えましょ」
そうか、ヒトツメと同じくらいだとしたら移動に半日以上掛かるから……
あ、だったら――
「【転移】で行くとかは?」
フタツメの近くの転移スポットもモリスさんに教えてもらってあるし。
でもその僕の案はアッサリ却下されちゃった。
「そんなのダメに決まってるじゃない!」
ええっ、どうして?
「それじゃ『冒険者らしくない』でしょ。そう思わない?」
確かに冒険者の移動の定番って言ったら徒歩か馬車――
「……思う」
「でしょ? 折角なんだから冒険者らしくいきましょ」
そんなアーシュの言葉に可笑しそうに笑ったクーラ先生は――
「これだけ無茶苦茶な魔法を使う子達が『冒険者らしく』って……」
「クーラ先生の、【身体強化】も、大差無い」
「「「「確かに!」」」」
――ワルツの静かなツッコミで撃沈した。
「私ってそういう認識……でも……ちょっと反論できないかも」
なんて話をしながら僕達は歩を進め、街の中心からどんどん遠ざかって行く。やがて到着したそのお店――そこは街の外れにある凄く大きな道具店だった。
「大きな店でしょう? この店は有名な工房と提携していてね、よく使われるいろんな道具を工房ごと数種類ずつ揃えているの。各工房の製品を見比べながら自分に合いそうなものを選べるし、あちこち回らなくって済むからってここで一通り揃える人も多いわ。売れ筋ではない尖った特殊仕様のものが欲しい人は工房に行くけどね」
このお店面白い!
広い店内はどこもかしこも道具だらけで、見てるだけでワクワクするっ!
「足りない物だけじゃなくて、古くなった物や壊れそうな物もこの機に買い換えておきなさい。ダンジョンの中では壊れても買い換えなんて出来ないんだから。自分の身を守る為にお金を使うのは冒険者として当然の事、それに何たって今回は『学校のお金』で買えるチャンスよ! こんなサービス滅多に無いんだからね!」
「よし、じゃあみんな、片付けて町に繰り出すわよ!!」
「「「「「おおーーーっ」」」」」
よし、片付けだ……って、この穴だらけでボロボロの実習室の……片付け? 今から?
「さあカルア、ノルト、あなた達の見せ場よ。得意の土魔法でさくっとやっちゃって」
はい、ですよねー。
あ、でもこれくらいの範囲と時間だったら、土魔法で色々やるよりも――
ちょっとだけ魔力循環を速めて――
「【復元】!」
の方が簡単だよね。はい、元通りっと。
「「「「「…………」」」」」
「はぁ、あたし達も結構進歩したと思ってたけど、結局あんたの魔法が一番……何て言うか、ここまで来るともう、『とんでもない』を通り越して『インチキ臭い』のよねえ」
いやそれ絶対褒めてないよね、インチキ臭いって……
え、ホントに……?
それから僕達は街へやって来た。
で、まず最初はもちろんお昼ご飯!
「どこに行くかはお楽しみ。まあ私に任せなさいって」
そういってクーラ先生が連れてきてくれたのは、真新しくて立派な店構えのレストラン。その店を見てアーシュが小さく声を上げた。
「あれ? このお店って――」
「ふふ、流石にアーシュは知ってるか。ちょっと前にベルマリア家で立ち上げた店だものね」
そうなんだ……でもそれって内緒にするほどの事じゃないと思うけど……?
そんな僕の疑問は、続くクーラ先生の説明で吹き飛んだ。
「このお店の名前は『英雄の食卓』と言ってね、何とあのカバチョッチョの物語に出てくる色んな街の『名物料理』を出してくれる店なのよ!」
なっ何ですと!? そんな夢のようなお店があったなんて!?
「お昼のピークを過ぎて空き始めてきた感じね。これならそんなに待たずに食べられるでしょ。さあ入るわよ」
そんなクーラ先生の案内で店に入った僕達は、店員さんがニコやかに指し示した先の空きテーブルへと座った。
テーブルに置いてあるメニューを手に取ると、そこには確かに見覚えのあるような料理名が並んでる。もちろん食べた事どころか見た事も無い料理ばかりだけど。
うーん、どれを選ぶべきか……
「一番上に書いてあるこの三品が『名物』の代表格と言われているの。初めて来たのなら、まずこのどれかから選ぶ事をお勧めするわ」
なるほど、そういう事なら僕もそうしようかな。
みんなも僕と同じ事を考えたみたいで、その三品に注文が集中した。
「あたしは『とろろ汁セット』にする」
「む、俺は『蒲焼きセット』だな」
「僕も『とろろ汁セット』かな。山の幸って事で」
「ならわたしは、海の幸。『焼蛤セット』」
うーん、僕は……
「よし、『蒲焼きセット』に決めた」
「全員決まったわね。すみませーーーん!」
暫くして注文した料理が一斉に届き、沢山並んだ皿や小鉢なんかでテーブルの上が凄く賑やかになった。でもそれぞれが注文した料理が一人用トレイに乗って自分の前に置かれるから、どこまでが自分が頼んだ料理なのかは一発で分かる。
ちょっとした事だけど、凄く良い工夫だと思う。
「「「「「いっただっきまーーーす」」」」」
――僕が頼んだ蒲焼きは、とっても美味しかった。みんなも凄く美味しそうに食べてたし、次来た時には他の三大名物に挑戦しようかな。
もちろんピノさんを誘って……
そんな大満足のお昼ご飯が終わり、アイテム類の買い物へと向かう道すがら――
「そう言えばあなた達、フタツメまではどうやって行くつもりでいるの?」
クーラ先生がふとそんな質問をしてきた。
そういえば考えてなかったけど、王都から各街へは乗合馬車が出てるからそれで――
「ああ、それだったらあたしが馬車を手配してあるわよ」
「「「「えっ!?」」」」
アーシュが馬車!?
脳裏に蘇る、パーティ会場までの思い出。
まさかの王宮馬車の、あの緊張感……
「もう何よ!? この間のアレはちょっとしたサプライズ! 今度は普通の馬車に決まってるでしょ!」
「だよね、よかったぁ……」
ホッとしたのは僕だけじゃなかったみたいで、みんな一斉に肩の力を抜いた。
そんな僕達にアーシュが笑顔を見せた。
「だから馬車での移動中の暇潰しでも考えましょ」
そうか、ヒトツメと同じくらいだとしたら移動に半日以上掛かるから……
あ、だったら――
「【転移】で行くとかは?」
フタツメの近くの転移スポットもモリスさんに教えてもらってあるし。
でもその僕の案はアッサリ却下されちゃった。
「そんなのダメに決まってるじゃない!」
ええっ、どうして?
「それじゃ『冒険者らしくない』でしょ。そう思わない?」
確かに冒険者の移動の定番って言ったら徒歩か馬車――
「……思う」
「でしょ? 折角なんだから冒険者らしくいきましょ」
そんなアーシュの言葉に可笑しそうに笑ったクーラ先生は――
「これだけ無茶苦茶な魔法を使う子達が『冒険者らしく』って……」
「クーラ先生の、【身体強化】も、大差無い」
「「「「確かに!」」」」
――ワルツの静かなツッコミで撃沈した。
「私ってそういう認識……でも……ちょっと反論できないかも」
なんて話をしながら僕達は歩を進め、街の中心からどんどん遠ざかって行く。やがて到着したそのお店――そこは街の外れにある凄く大きな道具店だった。
「大きな店でしょう? この店は有名な工房と提携していてね、よく使われるいろんな道具を工房ごと数種類ずつ揃えているの。各工房の製品を見比べながら自分に合いそうなものを選べるし、あちこち回らなくって済むからってここで一通り揃える人も多いわ。売れ筋ではない尖った特殊仕様のものが欲しい人は工房に行くけどね」
このお店面白い!
広い店内はどこもかしこも道具だらけで、見てるだけでワクワクするっ!
「足りない物だけじゃなくて、古くなった物や壊れそうな物もこの機に買い換えておきなさい。ダンジョンの中では壊れても買い換えなんて出来ないんだから。自分の身を守る為にお金を使うのは冒険者として当然の事、それに何たって今回は『学校のお金』で買えるチャンスよ! こんなサービス滅多に無いんだからね!」
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