スティールスキルが進化したら魔物の天敵になりました

東束末木

文字の大きさ
176 / 278

第74話 セカンケイブ出発前の出来事です #4

しおりを挟む
クーラ先生の説明を受けながら店内を練り歩く。
「携帯食は軽さと手軽さで選ぶのが一般的、あと歩きながら食べれるようなものが人気ね。でもあなた達全員【ボックス】を使えるから重さとか関係ないし、【結界】を張っちゃえば魔物の群れの中でだって食事が出来るのよね……うーん……」
そんな先生の説明にアーシュは――
「取り敢えず3日分くらい買ってみる? 足りなかったらまたここに【転移】して来ればいいんだし」
なるほど――って、あれ?
「『冒険者らしく』は?」
「ふふん、ひとつの事にばかりこだわっても仕方ないでしょ」



「照明とかは……アーシュが光魔法を使えるのか。でもまあ魔力切れのタイミングで必要になる可能性もあるからね。ランプとか古かったら新調しておく? あ、でもセカンケイブって確か一部区間を除いて発光壁で明るかった気が……」
時空間魔法なら暗闇も関係ないけど……僕とアーシュしか使えないか。
「折角だから最新機種とか見てみる? それを見てから考えましょ」



「テントとかはモデルチェンジで軽くなったり設営が簡単になったりするのよね。あなた達だったら3人用テント二つだから、そのサイズをチェックしようか」
「そうだね、ダンジョン以外で使う事もあるから防水とかしっかりしてる方が絶対いいし、最新モデルを見てみようよ。重量とか設営の簡単さは設営した状態で【ボックス】に入れちゃえば関係ないだろうけど」
「そうね、じゃあテントじゃなくて小屋にする?」
「……ここには売ってないわよ」



「ここは回復薬のコーナーか。あなた達って全員【回復】が使えるし、カルアは【中回復】も……。うーん、持っとく必要あるかしら?」
「お守り代わり? 家内安全?」
「ワルツ……」



「鞄……鞄かあ。あ、でもダンジョンによっては戦闘中は魔法の鞄とか【収納】系の魔法を妨害する部屋があったりするのよね。だから必要最小限のアイテム類を用意する鞄は持っていた方がいいわね。でもあまり大きいと結局使わなくなっちゃうから、入れる物を厳選して出来るだけ小さい鞄を選ぶといいわよ」
「おおー、なるほど知恵袋!」
「ん? それって【ゲート】の収納も妨害されちゃうのかな……?」
「どうかしら――って、そんなお伽噺のスキルは……え? まさか!?」
「イイエツカエマセンヨ?」
「……あぁぁぁぁ」



「おお、わたし、これ欲しい」
「なになに? へえ、クッションか」
「ああ、確かに馬車での移動にはあった方がいいかも」
「クッションなら頑丈で防水のを選ぶといいわよ。屋外で座る時とかにも使えるから」
「んー、それだったら魔石でコーティングして……あと温度調節とか固さ調節とか……ああ、高さとかも出来るかな……他には……」
「――ちょっとカルア!?」
「もし錬成で作るとしたら……ああ、木からの錬成で……柔らかい材質に変化させれば……綿みたいな感じ? いや空気の入った小さな袋の集合みたいな構造にすれば……でもそれには粘度が……まてよ、魔石を混合すればいけるんじゃ……」
「――ちょっとノルト!?」



「あとは外套とかも持っていた方がいいわね。寒い時とか雨が降った時とかに羽織れるように」
「うーん……ねえカルア、あの温度調節付きの風を纏うのって、雨とかは防げないの?」
「んー、今のままだと無理かなあ。あ、でも頭の上に雨を防ぐ界壁を展開するだけだったら少ない魔力で出来るかも」
「じゃあそれ付けといて」
「りょーかーい」
「……どこかに常識って売ってないかしら」



「あら、こんなところにも『魔石抜き』って売ってるのね。魔道具店にしか無いものかと思ってたわ。折角だからあなた達も買っておきなさい」
「それもう全員持ってるから大丈夫よ。ちょっとした事情でお祖母様に持たされているの」
「ならいいか。……でもその『事情』は絶対私に話さないでね」



「さて、こんなところかしら……しかし全然お金使ってないわね。携帯食の追加を考慮してもまだ半分以上予算が残ってるわよ? どうしようかしら……あそうだ、じゃあ服と靴を見に行きましょう。これだって重要な装備だものね。ああ、そう言えば服装のイメージを揃えてるパーティも時々見るわね」
「何それ、すっごくいいかも! うちも採用するわよ!!」

って事で、急遽オーディナリーダの公式冒険服ユニフォームをみんなで選んで――
「よし、じゃあ買い出しはこれで終了ね」
――今日の予定は全て終わった。

「じゃあ出発は明朝8時、集合場所は学校でいいわね。遅刻は厳禁、遅刻したら置いてくから――ってワルツとノルトとネッガーは寮だから遅刻のしようが無いし、カルアは【転移】現地集合出来るし、アーシュは来ないと馬車が無いし……何だか締まらないなあ」

こうしてついに僕達のダンジョン攻略(引率付き)が始まる!



……の前にピノさんから『事情聴取』を受けました。



▽▽▽▽▽▽
このお話が面白いと感じてくれた方、「いいね」をお願いします。
続きが気になる方、「お気に入り」登録はいかがですか。
作者に一言ツッコみたい方やモノ申したい方、「感想コメント」お気軽にどうぞ。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

一流冒険者トウマの道草旅譚

黒蓬
ファンタジー
主人公のトウマは世界の各地を旅しながら、旅先で依頼をこなす冒険者。 しかし、彼には旅先で気になるものを見つけると寄らずにはいられない道草癖があった。 そんな寄り道優先の自由気ままなトウマの旅は、今日も新たな出会いと波乱を連れてくる。

35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~

月神世一
ファンタジー
紹介文 「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」 そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。 失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。 ​「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」 ​手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。 電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。 さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!? ​森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、 罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、 競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。 ​これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。 ……頼むから、家の壁で爪を研ぐのはやめてくれ!

極限効率の掃除屋 ――レベル15、物理だけで理を解体する――

銀雪 華音
ファンタジー
「レベル15か? ゴミだな」 世界は男を笑い、男は世界を「解体」した。 魔力も才能も持たず、万年レベル15で停滞する掃除屋、トワ。 彼が十年の歳月を費やして辿り着いたのは、魔法という神秘を物理現象へと引きずり下ろす、狂気的なまでの**『極限効率』**だった。 一万回の反復が生み出す、予備動作ゼロの打撃。 構造の隙間を分子レベルで突く、不可視の解体。 彼にとって、レベル100超えの魔物も、神の加護を受けた聖騎士も、ただの「非効率な肉の塊」に過ぎない。 「レベルは恩恵じゃない……。人類を飼い慣らすための『制限(リミッター)』だ」 暴かれる世界の嘘。動き出すシステムの簒奪者。 管理者が定めた数値(レベル)という鎖を、たった一振りのナイフで叩き切る。 これは、最弱の掃除屋が「論理」という名の剣で、世界の理(バグ)を修正する物語。気になる方は読んでみてください。 ※アルファポリスで先行で公開されます。

異世界スローライフ希望なのに、女神の過保護が止まらない

葉泪秋
ファンタジー
「小説家になろう」日間ランキング最高11位!(ハイファンタジー) ブラック企業で過労死した俺、佐久間遼。 神様に願ったのは、ただ「異世界で、畑でも耕しながらのんびり暮らしたい」ということだけ。 そうして手に入れた、辺境の村での穏やかな日々。現状に満足し、今度こそは平穏なスローライフを……と思っていたのだが、俺の妙なスキルと前世の社畜根性が、そうはさせない。 ふとした善意で枯れた井戸を直したことから、堅物の騎士団長やら、過保護な女神やらに目をつけられることになる。 早く穏やかに暮らしたい。 俺は今日も、規格外に育った野菜を手、皆の姿を眺めている。 【毎日18:00更新】 ※表紙画像はAIを使用しています

中年オジが異世界で第二の人生をクラフトしてみた

Mr.Six
ファンタジー
 仕事に疲れ、酒に溺れた主人公……。フラフラとした足取りで橋を進むと足を滑らしてしまい、川にそのままドボン。気が付くとそこは、ゲームのように広大な大地が広がる世界だった。  訳も分からなかったが、視界に現れたゲームのようなステータス画面、そして、クエストと書かれた文章……。 「夢かもしれないし、有給消化だとおもって、この世界を楽しむか!」  そう開き直り、この世界を探求することに――

平凡なサラリーマンが異世界に行ったら魔術師になりました~科学者に投資したら異世界への扉が開発されたので、スローライフを満喫しようと思います~

金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
夏井カナタはどこにでもいるような平凡なサラリーマン。 そんな彼が資金援助した研究者が異世界に通じる装置=扉の開発に成功して、援助の見返りとして異世界に行けることになった。 カナタは準備のために会社を辞めて、異世界の言語を学んだりして準備を進める。 やがて、扉を通過して異世界に着いたカナタは魔術学校に興味をもって入学する。 魔術の適性があったカナタはエルフに弟子入りして、魔術師として成長を遂げる。 これは文化も風習も違う異世界で戦ったり、旅をしたりする男の物語。 エルフやドワーフが出てきたり、国同士の争いやモンスターとの戦いがあったりします。 第二章からシリアスな展開、やや残酷な描写が増えていきます。 旅と冒険、バトル、成長などの要素がメインです。 ノベルピア、カクヨム、小説家になろうにも掲載

転生したみたいなので異世界生活を楽しみます

さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。 内容がどんどんかけ離れていくので… 沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。 誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。 感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢 ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ ありきたりな転生ものの予定です。 主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。 一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。 まっ、なんとかなるっしょ。

不死王はスローライフを希望します

小狐丸
ファンタジー
 気がついたら、暗い森の中に居た男。  深夜会社から家に帰ったところまでは覚えているが、何故か自分の名前などのパーソナルな部分を覚えていない。  そこで俺は気がつく。 「俺って透けてないか?」  そう、男はゴーストになっていた。  最底辺のゴーストから成り上がる男の物語。  その最終目標は、世界征服でも英雄でもなく、ノンビリと畑を耕し自給自足するスローライフだった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  暇になったので、駄文ですが勢いで書いてしまいました。  設定等ユルユルでガバガバですが、暇つぶしと割り切って読んで頂ければと思います。

処理中です...