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第73話 秘密の女子会と相互理解について #4
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僕が【気配察知】の訓練を開始してから、今日でちょうど1週間。
『パッシブ型』はすっごく難しくて、まだ『何となく感じ取れるかな?』くらいのレベル。なんだけどネッガーの方はほぼ完璧にマスターしたみたい。やっぱ凄いや。
ネッガーの訓練は2種類だったバットが3種類に増え、その3種類の中に危険な切り裂きバットを含むようになり、そして昨日はついに4種類全てを同時に殲滅出来るようになった。
僕? 無理無理、だってこれ【身体強化】しないでやってるんだよ?
そして今日ネッガーは、一人で魔物部屋に出現する全てのバットを相手にする。つまり僕は一度もスティールせず、ただここで応援するだけ。頑張れネッガー!
――そんな僕の目の前で、今最後のバットが地に落ちた。
「うむ、これでこの部屋での訓練は終了だな」
「はいっ!」
「では下に行くぞ。次の訓練だ」
僕が【収納】を使って床に散らばったバット達を部屋の隅に片付けたら、たった1匹の金属ボッチ――じゃなかった金属バットが待つ下の階へ。
「よし、あの金属バットはカルア君、君が片付けてくれ。ネッガー君の訓練はこの次の階で行う」
「はい、じゃあ【スティール】」
――で、金属バンゴハンを【収納】っと。
下の階――
「よし、では【結界】を頼む」
はい、という訳で僕達がいるこの【結界】の回りは今、目に眩しい金属バットの群れが取り囲んでいまーす。――ってホントに眩しいんだけど。
「いいか二人とも。ここで行う訓練は、魔物の持つ魔力属性の感知だ。まずはカルア君、ここでも最後の1回を残してスティールで殲滅し、最後の金属バットは数を4分の1ほどに減らしてくれ。訓練はそこから開始だ」
……金属バット大量ゲット。
「よし、では始めよう。まずは【気配察知】を行い、それから各属性の違いを感じ取るんだ」
僕は『アクティブ型』、ネッガーは『パッシブ型』でそれぞれ察知を開始。
「む、【気配察知】が全く感じ取れない……?」
「あ、これ分かるかも。結構違いを感じる」
そんな僕達の様子を見てギルマスが頷いた。
「『アクティブ型』は自分の魔力で直接相手に触れる為、非常に分かりやすい。一方『パッシブ型』は相手から届くごく僅かな魔力の波動でしか判別出来ない為、非常に困難だ。カルア君は今感じ取った魔力とその金属バットが放つ魔法から属性を紐付けるんだ。それが出来たら次は『パッシブ型』を試してみるといい」
と、ここでネッガーから訝し気な声が上がった。
「ブラック先生、気配が全く感じ取れません」
今まで普通に出来ていたネッガーからのそんな言葉に、ギルマスもまた不思議そうな顔をする。
「それは魔力の気配が、という事か?」
「いえ……魔物の気配そのものが感じ取れないんです」
「何? ちょっと待て…………む、確かに感じられん。これは一体……」
暫く考え込んでたギルマスだけど、やがて何かに気付いたみたい。ハッとした表情で顔を上げた。
「何か分かりましたか?」
「ああ。すまない、うっかりしていた。カルア君の【結界】は光魔法のそれとは違い空間の断絶だから、外から中へは気配も魔力も届かないのだ。カルア君が試した『アクティブ型』は自分の魔力を中から外に放出するから相手に届いたんだろう」
――あ、言われてみれば確かに。
「ふむ、仕方がない。ではカルア君、『アクティブ型』で属性の紐付けが出来たら各属性を1匹ずつ残して残りを殲滅、それから【結界】を解除してくれ。『パッシブ型』の訓練は金属バットの魔法攻撃を避けながら行う」
属性の感じはすぐに掴めたから1種類ずつ残して残りを【スティール】し、訓練が再開した。
そして訓練は進み――
「見えた! こいつは火、こいつは水、こいつは土、そしてこいつが風だ!」
今日の訓練はそろそろ終わりかなって頃、ついにネッガーが開眼した。
その勢いでそれぞれの攻撃を避け、そして――
「全滅させちゃった……」
「あ……すまない、つい勢いで……」
うん、だと思ったよ。
「うむ、思ったよりも早かったな。では時間は少し遅いが、最後にもう一周して今の感覚を覚え込むぞ。カルア君、すまないが最後はネッガー君に付き合ってくれ。上の魔物部屋は全てカルア君が殲滅、金属バットの群れは最後の1回を残してカルア君が殲滅、そこから全てネッガー君だ。では行くぞ」
そして僕のボックスには、魔石と金属バットの在庫がまた増えて……
「ラスト一匹!」
ネッガーが倒した金属バットは、ネッガーがチーム共同ボックスに収納した。共同ボックスにも【固定】を付けておいてよかったよ。
「うむ、どうやら魔力や属性の感知も会得出来たようだな。よし、今日はこれで終了だ。明日からは慣熟訓練としよう」
と言う事で、僕達は今日の訓練を終えダンジョンを出た。
「【気配察知】は極めれば相手の考えすらも感じ取れたかのような瞬間があるという。それが本当なら、全ての人間が完全に【気配察知】を極めれば世の中から無駄な争いが無くなるかもしれんな」
「ああ、そんな世の中が来たらいいですね」
「そうだな、俺もそう思う。俺もいつか必ず極めてみせる!」
そんな素晴らしい未来を語り合う彼らは、数日前に理解しあえていた少女達の事など知る由もない。
そしてそれが【気配察知】とは対極の『恋バナ』によるものだった事もまた――
▽▽▽▽▽▽
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『パッシブ型』はすっごく難しくて、まだ『何となく感じ取れるかな?』くらいのレベル。なんだけどネッガーの方はほぼ完璧にマスターしたみたい。やっぱ凄いや。
ネッガーの訓練は2種類だったバットが3種類に増え、その3種類の中に危険な切り裂きバットを含むようになり、そして昨日はついに4種類全てを同時に殲滅出来るようになった。
僕? 無理無理、だってこれ【身体強化】しないでやってるんだよ?
そして今日ネッガーは、一人で魔物部屋に出現する全てのバットを相手にする。つまり僕は一度もスティールせず、ただここで応援するだけ。頑張れネッガー!
――そんな僕の目の前で、今最後のバットが地に落ちた。
「うむ、これでこの部屋での訓練は終了だな」
「はいっ!」
「では下に行くぞ。次の訓練だ」
僕が【収納】を使って床に散らばったバット達を部屋の隅に片付けたら、たった1匹の金属ボッチ――じゃなかった金属バットが待つ下の階へ。
「よし、あの金属バットはカルア君、君が片付けてくれ。ネッガー君の訓練はこの次の階で行う」
「はい、じゃあ【スティール】」
――で、金属バンゴハンを【収納】っと。
下の階――
「よし、では【結界】を頼む」
はい、という訳で僕達がいるこの【結界】の回りは今、目に眩しい金属バットの群れが取り囲んでいまーす。――ってホントに眩しいんだけど。
「いいか二人とも。ここで行う訓練は、魔物の持つ魔力属性の感知だ。まずはカルア君、ここでも最後の1回を残してスティールで殲滅し、最後の金属バットは数を4分の1ほどに減らしてくれ。訓練はそこから開始だ」
……金属バット大量ゲット。
「よし、では始めよう。まずは【気配察知】を行い、それから各属性の違いを感じ取るんだ」
僕は『アクティブ型』、ネッガーは『パッシブ型』でそれぞれ察知を開始。
「む、【気配察知】が全く感じ取れない……?」
「あ、これ分かるかも。結構違いを感じる」
そんな僕達の様子を見てギルマスが頷いた。
「『アクティブ型』は自分の魔力で直接相手に触れる為、非常に分かりやすい。一方『パッシブ型』は相手から届くごく僅かな魔力の波動でしか判別出来ない為、非常に困難だ。カルア君は今感じ取った魔力とその金属バットが放つ魔法から属性を紐付けるんだ。それが出来たら次は『パッシブ型』を試してみるといい」
と、ここでネッガーから訝し気な声が上がった。
「ブラック先生、気配が全く感じ取れません」
今まで普通に出来ていたネッガーからのそんな言葉に、ギルマスもまた不思議そうな顔をする。
「それは魔力の気配が、という事か?」
「いえ……魔物の気配そのものが感じ取れないんです」
「何? ちょっと待て…………む、確かに感じられん。これは一体……」
暫く考え込んでたギルマスだけど、やがて何かに気付いたみたい。ハッとした表情で顔を上げた。
「何か分かりましたか?」
「ああ。すまない、うっかりしていた。カルア君の【結界】は光魔法のそれとは違い空間の断絶だから、外から中へは気配も魔力も届かないのだ。カルア君が試した『アクティブ型』は自分の魔力を中から外に放出するから相手に届いたんだろう」
――あ、言われてみれば確かに。
「ふむ、仕方がない。ではカルア君、『アクティブ型』で属性の紐付けが出来たら各属性を1匹ずつ残して残りを殲滅、それから【結界】を解除してくれ。『パッシブ型』の訓練は金属バットの魔法攻撃を避けながら行う」
属性の感じはすぐに掴めたから1種類ずつ残して残りを【スティール】し、訓練が再開した。
そして訓練は進み――
「見えた! こいつは火、こいつは水、こいつは土、そしてこいつが風だ!」
今日の訓練はそろそろ終わりかなって頃、ついにネッガーが開眼した。
その勢いでそれぞれの攻撃を避け、そして――
「全滅させちゃった……」
「あ……すまない、つい勢いで……」
うん、だと思ったよ。
「うむ、思ったよりも早かったな。では時間は少し遅いが、最後にもう一周して今の感覚を覚え込むぞ。カルア君、すまないが最後はネッガー君に付き合ってくれ。上の魔物部屋は全てカルア君が殲滅、金属バットの群れは最後の1回を残してカルア君が殲滅、そこから全てネッガー君だ。では行くぞ」
そして僕のボックスには、魔石と金属バットの在庫がまた増えて……
「ラスト一匹!」
ネッガーが倒した金属バットは、ネッガーがチーム共同ボックスに収納した。共同ボックスにも【固定】を付けておいてよかったよ。
「うむ、どうやら魔力や属性の感知も会得出来たようだな。よし、今日はこれで終了だ。明日からは慣熟訓練としよう」
と言う事で、僕達は今日の訓練を終えダンジョンを出た。
「【気配察知】は極めれば相手の考えすらも感じ取れたかのような瞬間があるという。それが本当なら、全ての人間が完全に【気配察知】を極めれば世の中から無駄な争いが無くなるかもしれんな」
「ああ、そんな世の中が来たらいいですね」
「そうだな、俺もそう思う。俺もいつか必ず極めてみせる!」
そんな素晴らしい未来を語り合う彼らは、数日前に理解しあえていた少女達の事など知る由もない。
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▽▽▽▽▽▽
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