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第73話 秘密の女子会と相互理解について #3
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そこからカルアのやらかし話に花を咲かせる3人。情報交換から見えてきたその恐るべき全貌に、次第に口数が減っていった彼女達であったが、静まり返った部屋の中、気持ちを切り替えるように明るくミレアが言った。
「そうだ、でもピノ様にだったらスーツに少しくらい機能を追加してもいいわよ?」
突然の申し出にキョトンとしているピノに笑顔を向け、ミレアはもう少し具体的に質問してみる。
「スーツに着脱以外の機能を付けようかって事よ。ね、何かリクエストとかある? こんな機能あったらいいな――みたいな」
ようやく質問の意図が理解出来たピノは少し考え、やがて以前から感じていたある考えに思い至った。
「んーー……あれって出来ないかなあ。魔法に変換しないで魔力そのものを攻撃に使う――みたいなの。魔法って『持ってる力をわざわざ別の力に変換してから使う』みたいな遠回りな感じがして、これまであまり使ってこなかったから」
そのピノの言葉に瞳を輝かせるミレア。その内容に心当たりがあったのだ。
「ほほう、ピノ様はそういう考え方なのね……だったら、『圧縮魔力弾』みたいな感じかなあ」
「『圧縮魔力弾』……?」
「そう、魔力を魔法じゃなく物理的な力として使えないかって研究が以前あったのよ。ほら、身体強化って魔力だけで体を硬くする効果があるじゃない? だったらそれを発展させれば、硬くした魔力そのものを撃つ事が出来るんじゃないか……ってね」
流石は応用魔力研究所の所長、その肩書きは伊達ではない。返ってきた的確な答えに、今度はピノの瞳が輝きを増す。
「へえ、それっていいかも!」
「――だと思った。ただこれ魔道具単体で魔力を打ち出すところまでには至らなくてね、実現出来たのは使用者にイメージを促してその魔力運用を補助するところまで。つまり撃てるかどうかもその威力も完全に使用者次第で、これじゃ兵器として成り立たない――って事でお蔵入り」
そう言って肩を竦めるミレアだが、こうして話題にするにはそれだけの理由がある。現に目の前ではその『理由』さんが嬉しそうに身を乗り出しているし。
「ミレア、私それがいい! やった、すっごく楽しみっ! 撃ってるっかなっ!」
そんな無邪気なピノを微笑ましそうに見つめる二人は――
「そっか、これもまた『女子力』……」
「……絶対違うと思う」
……彼女達の夜はまだ終わらない。
それから3人はお茶を飲みながら念願の恋バナ――ミレアとオートカの馴れ初めで盛り上がって……
それから多少の罪悪感をトッピングに夜ケーキを食べて……
「そう言えばピノ様、戦闘スーツのデザインってどんなのが希望?」
「ええと、私がイメージしてるのはちょっと鈍めの銀色をベースに、黒の縁取りが付いた流線的な感じかなあ。あっそうだ、あと声を変える機能が欲しい。中の人が私だって気付かれないように。それと見た目も男女の判別が難しい感じで」
そのピノの希望に、ミレアは成程と頷く。
「『影から』だから正体が分からないようにって事ね。了解、デザインはいくつか考えてみるわ」
「ねえ、だったら【隠蔽】も付けたら?」
「そうか、ピンチの時にサッと現れてサッと消える――うん、いいかも。ピノ様どう?」
「うん、すっごくいいと思う!」
「よし、じゃあちょっと待ってて」
そう言って通信機を取り出したロベリー。
「あ、室長です? 確か室長って【隠蔽】使えましたよね? …………ええ、その【隠蔽】です。実は今度それを付与した魔道具を作りたいんですけど、後日ちょっと手伝ってもらっていいですか? …………ええ、それはもちろん。……はい大丈夫ですっ。……分かりました。じゃあお願いしますねっ」
それを聞くピノとミレアは顔を見合わせ、お互い目で会話する。
――いつもよりちょっと声が高いよね?
――これってやっぱり?
――うん、今までの様子からみても
――どうする? 突っ込む?
――ううん、今はまだ意識させない方がいいかも
――じゃあ見守る方向かな?
――だね
――了解。今はスルーで
ちょっとした瞳の動きに込められたこの複雑な会話を二人は寸分違わず認識し理解する。まさに人が理解しあえた瞬間と言えよう。
「お待たせー。モリス室長の【隠蔽】を付与させてもらえる事になったよっ」
「ありがとうロベリー!」
「ん、これで要件はすべて固まったかな? ……よし、じゃあ設計に入るね!」
後日、数回のデザイン合わせ、製作、試着、テスト、調整を経て、ピノ専用戦闘スーツ――通称『メタルピノスーツ』は完成した。
それをロベリーがピノのナックルダスターに組み込む。その際ついでとばかりにカルアがナックルダスターに施した付与に最適化も施し、実に元の2倍以上の効率化を実現させたのである。まさに付与の聖女の面目躍如といったところだろう。
そして圧縮魔力弾は単独機能としてナックルダスターに搭載する事になった。スーツを装着しなくても使用出来るようにする為だ。これにより――
「多分ピノ様なら慣れれば機能なしで魔力弾が撃てるようになるんじゃないかな。これって言ってみれば『補助輪』みたいなものだから」
――どうやら、そんな未来が来るらしい。
「そうだ、でもピノ様にだったらスーツに少しくらい機能を追加してもいいわよ?」
突然の申し出にキョトンとしているピノに笑顔を向け、ミレアはもう少し具体的に質問してみる。
「スーツに着脱以外の機能を付けようかって事よ。ね、何かリクエストとかある? こんな機能あったらいいな――みたいな」
ようやく質問の意図が理解出来たピノは少し考え、やがて以前から感じていたある考えに思い至った。
「んーー……あれって出来ないかなあ。魔法に変換しないで魔力そのものを攻撃に使う――みたいなの。魔法って『持ってる力をわざわざ別の力に変換してから使う』みたいな遠回りな感じがして、これまであまり使ってこなかったから」
そのピノの言葉に瞳を輝かせるミレア。その内容に心当たりがあったのだ。
「ほほう、ピノ様はそういう考え方なのね……だったら、『圧縮魔力弾』みたいな感じかなあ」
「『圧縮魔力弾』……?」
「そう、魔力を魔法じゃなく物理的な力として使えないかって研究が以前あったのよ。ほら、身体強化って魔力だけで体を硬くする効果があるじゃない? だったらそれを発展させれば、硬くした魔力そのものを撃つ事が出来るんじゃないか……ってね」
流石は応用魔力研究所の所長、その肩書きは伊達ではない。返ってきた的確な答えに、今度はピノの瞳が輝きを増す。
「へえ、それっていいかも!」
「――だと思った。ただこれ魔道具単体で魔力を打ち出すところまでには至らなくてね、実現出来たのは使用者にイメージを促してその魔力運用を補助するところまで。つまり撃てるかどうかもその威力も完全に使用者次第で、これじゃ兵器として成り立たない――って事でお蔵入り」
そう言って肩を竦めるミレアだが、こうして話題にするにはそれだけの理由がある。現に目の前ではその『理由』さんが嬉しそうに身を乗り出しているし。
「ミレア、私それがいい! やった、すっごく楽しみっ! 撃ってるっかなっ!」
そんな無邪気なピノを微笑ましそうに見つめる二人は――
「そっか、これもまた『女子力』……」
「……絶対違うと思う」
……彼女達の夜はまだ終わらない。
それから3人はお茶を飲みながら念願の恋バナ――ミレアとオートカの馴れ初めで盛り上がって……
それから多少の罪悪感をトッピングに夜ケーキを食べて……
「そう言えばピノ様、戦闘スーツのデザインってどんなのが希望?」
「ええと、私がイメージしてるのはちょっと鈍めの銀色をベースに、黒の縁取りが付いた流線的な感じかなあ。あっそうだ、あと声を変える機能が欲しい。中の人が私だって気付かれないように。それと見た目も男女の判別が難しい感じで」
そのピノの希望に、ミレアは成程と頷く。
「『影から』だから正体が分からないようにって事ね。了解、デザインはいくつか考えてみるわ」
「ねえ、だったら【隠蔽】も付けたら?」
「そうか、ピンチの時にサッと現れてサッと消える――うん、いいかも。ピノ様どう?」
「うん、すっごくいいと思う!」
「よし、じゃあちょっと待ってて」
そう言って通信機を取り出したロベリー。
「あ、室長です? 確か室長って【隠蔽】使えましたよね? …………ええ、その【隠蔽】です。実は今度それを付与した魔道具を作りたいんですけど、後日ちょっと手伝ってもらっていいですか? …………ええ、それはもちろん。……はい大丈夫ですっ。……分かりました。じゃあお願いしますねっ」
それを聞くピノとミレアは顔を見合わせ、お互い目で会話する。
――いつもよりちょっと声が高いよね?
――これってやっぱり?
――うん、今までの様子からみても
――どうする? 突っ込む?
――ううん、今はまだ意識させない方がいいかも
――じゃあ見守る方向かな?
――だね
――了解。今はスルーで
ちょっとした瞳の動きに込められたこの複雑な会話を二人は寸分違わず認識し理解する。まさに人が理解しあえた瞬間と言えよう。
「お待たせー。モリス室長の【隠蔽】を付与させてもらえる事になったよっ」
「ありがとうロベリー!」
「ん、これで要件はすべて固まったかな? ……よし、じゃあ設計に入るね!」
後日、数回のデザイン合わせ、製作、試着、テスト、調整を経て、ピノ専用戦闘スーツ――通称『メタルピノスーツ』は完成した。
それをロベリーがピノのナックルダスターに組み込む。その際ついでとばかりにカルアがナックルダスターに施した付与に最適化も施し、実に元の2倍以上の効率化を実現させたのである。まさに付与の聖女の面目躍如といったところだろう。
そして圧縮魔力弾は単独機能としてナックルダスターに搭載する事になった。スーツを装着しなくても使用出来るようにする為だ。これにより――
「多分ピノ様なら慣れれば機能なしで魔力弾が撃てるようになるんじゃないかな。これって言ってみれば『補助輪』みたいなものだから」
――どうやら、そんな未来が来るらしい。
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