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第72話 訓練と大事件でバーベキューです #2
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「……あのギルマス、少しだけの魔力ってどうしたらいいんでしょう?」
「む……?」
僕の質問にギルマスは考え込んじゃった。そんなに難しい質問だった?
でも暫くして何か思い付いたみたい。ハッとした表情で顔を上げた。
「自分の周りに魔力を広げるというのは体内に流れる魔力の循環範囲を広げるようなイメージで行うんだが、確か君は普段魔力循環をしていないんだったな。それなら一度循環させて感覚を掴んでみるのはどうだろう」
なるほどっ!
「やってみます」
――魔力循環、開始!
ズザザザザザーーーーーッ!!
「あれ?」
部屋中のバット達が一斉に僕と反対側に走り去って、行き止まりの壁を登ろうとして……?
――ってネッガー!?
部屋の中央ではネッガーが突然ふらつき、その場に崩れ落ちる。
「むっ、いかん!」
【結界】から飛び出したギルマスは崩れ落ちたネッガーの様子を確認し、やがてそっと抱え上げるとこちらにゆっくりと戻って――
あっ、外からは入れないから【結界】を解除しなきゃ!
「ギルマス! ネッガーは大丈夫ですか!?」
再び【結界】を張り直しながらギルマスに訊ねると、ギルマスは小さく微笑んだ。
「大丈夫、君の魔力に当てられただけのようだ。……あのバット達と同じようにな」
――それってもしかして、あの時の校長先生と同じ? 時間操作を教えて貰ってる最中に魔力循環した時の。
「……うう……む?」
ネッガーが小さく身動ぎする。どうやら気付いたみたいだ。よかったぁ。
「大丈夫かネッガー君? すまない、今のは私のミスだ。カルア君への指導でうっかり魔力循環を始めさせてしまったのだ」
「……魔力――循環? ああそうか、これがカルアの……」
「ネッガー、一度循環を止めた方がいい?」
負担になっちゃってるとかだったら不味いし。
「いや、それは大丈夫だ。さっきは慣れない察知の最中で驚いただけで、今はもう問題ないからな」
「そっか、よかったぁ」
どうやら強がりとかじゃなくてホントに大丈夫そうだ。
普段通りの動きですっと立ち上がったネッガーは、向こうの壁に貼り付いて藻掻き続けるバット達に視線を向けた。
「これは……そうか、カルアの魔力に反応して……途轍もないな」
その呟きに隣のギルマスもまた周囲を見回し、そして――
「全くな……どのバットも怯えきっているのだろう。む? 何匹かはショック死しているようだ」
……それもやっぱり【気配察知】で分かったのかな? あ、一匹転がり落ちた。
「あの群れはもう使えんな。殲滅して次の群れで訓練を再開しよう。ネッガー君は魔力の乱れが落ち着くまで休憩だ。カルア君は今のうちに循環した状態で魔力を広げる練習をするぞ」
「はいっ」
循環の範囲を広げて、薄く、薄ーーく……
あ、確かにこれなら出来るな。そうか、循環なのか……
「ふむ、広げるところは出来たようだな。では暫く続けてその感覚を覚えるんだ。そうすれば循環しない状態でも再現出来るようになるだろう」
「はい」
うすーく、うすーーく、うすーーーーく……
うーん、どうにかしてもっと薄くならないかな。
……ああ、そう言えばクーラ先生の段階型強化! あんな感じで循環を制御できればって思ってネッガーが教わってるところを見てたのに、そのままになっちゃってたなあ。
あの時は身体強化にって思ってたけど、やるのは循環の強弱なんだから、同じように超ゆっくりの魔力循環にも応用出来るんじゃないかなあ。
ゆっくり、ゆーっくり、ゆーーっくり、ゆーーーーっくり……
あ……何だか出来てきてるみたいな気がする。
じゃあ、このまま循環が止まるぎりぎりまでゆっくりにして……
おっ、今これいい感じじゃないかな?
よし、じゃあこのまま魔力も、うっすーーーーーーく……
「うぉっ、カルアが小さく――いや薄く?」
「魔力が小さくなった? いや、十分大きいな。さっきまでがあまりに大きかったからそう感じるだけか。これは……ふむ、循環を止めたのか?」
魔力に触れたものを感じ取る……
うん、だんだん視えて来た……
すぐ側にネッガーとギルマス。輪郭と魔力の感じ……
そして壁沿いに固まってるバットの群れも……
あと床とか壁も何となく分かるな。でもこれなら時空間魔法の方がくっきりと……ああそうか、だから空間の状況を時空間魔法で把握して魔力の流れを【気配察知】するんだ。
「ギルマス、見えました!」
「そうか、おめでとう。それが『アクティブ型』の【気配察知】だ。じゃあ次はより高度な『パッシブ型』だな。ネッガー君も挑戦しているこの『パッシブ型』だが、こちらは『アクティブ型』とは逆で、魔力循環の範囲は体内に留める事になる。そしてその魔力を感覚器のように使用し、魔物の動く僅かな空気の振動や魔力などの気配を感じ取るのだ。更に五感を司る感覚器も魔力集中によって強化し、そちらの感度も高める」
なるほど、じゃあ次はそっちに挑戦!
「だがまあ、この様子ならネッガー君の訓練と平行して練習しても大丈夫だろう。と言う事でカルア君、残りのバットを殲滅してしまってくれ。トラップで入り直してから新鮮な魔物で訓練を再開しよう」
それから何回か魔物部屋と外を往復して、今日の訓練は終了。
途中からネッガーの訓練相手は地を這うバットから宙を飛ぶバットに変わり、その複雑な動きにまた苦労してたみたい。
僕の方はっていうと、『パッシブ型』はまだまだ全然出来る感じがしなかった。
よくネッガーはこんな難しい事出来るな。やっぱり慣れ親しんだ【身体強化】と同じ系統だから要領を掴みやすいのかなぁ。
あ、でも『超ゆっくり循環』のお陰で視覚とかは強化出来るようになったんだよね。
今夜は味覚を強化して、ピノさんの晩御飯をじっくり味わってみよっと。
超楽しみ!!
って感じでギルドに戻ったんだけど……そこでは思いも寄らない大変な事件が起きていた!
「む……?」
僕の質問にギルマスは考え込んじゃった。そんなに難しい質問だった?
でも暫くして何か思い付いたみたい。ハッとした表情で顔を上げた。
「自分の周りに魔力を広げるというのは体内に流れる魔力の循環範囲を広げるようなイメージで行うんだが、確か君は普段魔力循環をしていないんだったな。それなら一度循環させて感覚を掴んでみるのはどうだろう」
なるほどっ!
「やってみます」
――魔力循環、開始!
ズザザザザザーーーーーッ!!
「あれ?」
部屋中のバット達が一斉に僕と反対側に走り去って、行き止まりの壁を登ろうとして……?
――ってネッガー!?
部屋の中央ではネッガーが突然ふらつき、その場に崩れ落ちる。
「むっ、いかん!」
【結界】から飛び出したギルマスは崩れ落ちたネッガーの様子を確認し、やがてそっと抱え上げるとこちらにゆっくりと戻って――
あっ、外からは入れないから【結界】を解除しなきゃ!
「ギルマス! ネッガーは大丈夫ですか!?」
再び【結界】を張り直しながらギルマスに訊ねると、ギルマスは小さく微笑んだ。
「大丈夫、君の魔力に当てられただけのようだ。……あのバット達と同じようにな」
――それってもしかして、あの時の校長先生と同じ? 時間操作を教えて貰ってる最中に魔力循環した時の。
「……うう……む?」
ネッガーが小さく身動ぎする。どうやら気付いたみたいだ。よかったぁ。
「大丈夫かネッガー君? すまない、今のは私のミスだ。カルア君への指導でうっかり魔力循環を始めさせてしまったのだ」
「……魔力――循環? ああそうか、これがカルアの……」
「ネッガー、一度循環を止めた方がいい?」
負担になっちゃってるとかだったら不味いし。
「いや、それは大丈夫だ。さっきは慣れない察知の最中で驚いただけで、今はもう問題ないからな」
「そっか、よかったぁ」
どうやら強がりとかじゃなくてホントに大丈夫そうだ。
普段通りの動きですっと立ち上がったネッガーは、向こうの壁に貼り付いて藻掻き続けるバット達に視線を向けた。
「これは……そうか、カルアの魔力に反応して……途轍もないな」
その呟きに隣のギルマスもまた周囲を見回し、そして――
「全くな……どのバットも怯えきっているのだろう。む? 何匹かはショック死しているようだ」
……それもやっぱり【気配察知】で分かったのかな? あ、一匹転がり落ちた。
「あの群れはもう使えんな。殲滅して次の群れで訓練を再開しよう。ネッガー君は魔力の乱れが落ち着くまで休憩だ。カルア君は今のうちに循環した状態で魔力を広げる練習をするぞ」
「はいっ」
循環の範囲を広げて、薄く、薄ーーく……
あ、確かにこれなら出来るな。そうか、循環なのか……
「ふむ、広げるところは出来たようだな。では暫く続けてその感覚を覚えるんだ。そうすれば循環しない状態でも再現出来るようになるだろう」
「はい」
うすーく、うすーーく、うすーーーーく……
うーん、どうにかしてもっと薄くならないかな。
……ああ、そう言えばクーラ先生の段階型強化! あんな感じで循環を制御できればって思ってネッガーが教わってるところを見てたのに、そのままになっちゃってたなあ。
あの時は身体強化にって思ってたけど、やるのは循環の強弱なんだから、同じように超ゆっくりの魔力循環にも応用出来るんじゃないかなあ。
ゆっくり、ゆーっくり、ゆーーっくり、ゆーーーーっくり……
あ……何だか出来てきてるみたいな気がする。
じゃあ、このまま循環が止まるぎりぎりまでゆっくりにして……
おっ、今これいい感じじゃないかな?
よし、じゃあこのまま魔力も、うっすーーーーーーく……
「うぉっ、カルアが小さく――いや薄く?」
「魔力が小さくなった? いや、十分大きいな。さっきまでがあまりに大きかったからそう感じるだけか。これは……ふむ、循環を止めたのか?」
魔力に触れたものを感じ取る……
うん、だんだん視えて来た……
すぐ側にネッガーとギルマス。輪郭と魔力の感じ……
そして壁沿いに固まってるバットの群れも……
あと床とか壁も何となく分かるな。でもこれなら時空間魔法の方がくっきりと……ああそうか、だから空間の状況を時空間魔法で把握して魔力の流れを【気配察知】するんだ。
「ギルマス、見えました!」
「そうか、おめでとう。それが『アクティブ型』の【気配察知】だ。じゃあ次はより高度な『パッシブ型』だな。ネッガー君も挑戦しているこの『パッシブ型』だが、こちらは『アクティブ型』とは逆で、魔力循環の範囲は体内に留める事になる。そしてその魔力を感覚器のように使用し、魔物の動く僅かな空気の振動や魔力などの気配を感じ取るのだ。更に五感を司る感覚器も魔力集中によって強化し、そちらの感度も高める」
なるほど、じゃあ次はそっちに挑戦!
「だがまあ、この様子ならネッガー君の訓練と平行して練習しても大丈夫だろう。と言う事でカルア君、残りのバットを殲滅してしまってくれ。トラップで入り直してから新鮮な魔物で訓練を再開しよう」
それから何回か魔物部屋と外を往復して、今日の訓練は終了。
途中からネッガーの訓練相手は地を這うバットから宙を飛ぶバットに変わり、その複雑な動きにまた苦労してたみたい。
僕の方はっていうと、『パッシブ型』はまだまだ全然出来る感じがしなかった。
よくネッガーはこんな難しい事出来るな。やっぱり慣れ親しんだ【身体強化】と同じ系統だから要領を掴みやすいのかなぁ。
あ、でも『超ゆっくり循環』のお陰で視覚とかは強化出来るようになったんだよね。
今夜は味覚を強化して、ピノさんの晩御飯をじっくり味わってみよっと。
超楽しみ!!
って感じでギルドに戻ったんだけど……そこでは思いも寄らない大変な事件が起きていた!
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