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第59話 冒険初日にみんながんばりました #3
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「あら? ほらあそこ、あれラビットの足跡よ」
「え? どれ?」
「分かり難いと思うけど、これがそう。まだそんな崩れてないから、近くにいるんじゃないかしら」
「ふーん、これがラビットの足跡なんだ。よし、覚えたわ。じゃあ最初の獲物はこのラビットね」
「そうね。ここからは出来るだけ音をたてないように静かに移動しましょう」
「分かったわ」
自分の知らない事は素直に聞いて吸収する。
簡単なようで難しい、それがちゃんと出来るアーシュは本当に凄いと思う。
この短期間で色んな魔法が使えるようになったのも、これが大きな理由じゃないかな。もちろんビックリするくらいの才能もあるんだけどね。
「――いたわ、あそこ」
アーシュが見つけたのは2匹のラビットだ。
「さて、どうする?」
そんなアーシュにアイが問いかけた。もうさっきから完全に育成モードって感じ。
「そうね……ワルツ、氷のナイフでやれる?」
「1匹なら。両方同時は、自信ない」
「オッケー。じゃあ合図で左側のをやって。右側は……ノルト、礫でやれる?」
「もちろんさ。任せてよ」
「よし、じゃあ二人とも合わせて。3、2、1、今っ」
それぞれのラビットに向けて飛ぶ氷と礫。そして次の瞬間どちらもラビットの頭部に命中し、2匹のラビットはその場に崩れ落ちた。
「へぇ、やるじゃない」
そんなアイの声と共に、みんなでラビットの元へと向かう。
「うん、どちらもちゃんと仕留めてる。じゃあ次は解体ね」
そのアイの声にアーシュは少し考える素振り。ああ、これはアレかな?
「ねえカルア、解体ってすぐにやらないと駄目?」
「動物なんかだと血抜きも必要だしその場で解体しちゃった方が良いんだけど、ラビットは魔物だから後でも構わないよ」
「そっか。じゃあ解体は後にして今は先に進みましょ。【収納】」
アーシュの声と共に姿を消す2匹のラビット、そして目を丸くするアイ。
「えっ、【収納】!? アーシュ、あなた【収納】なんて使えたの?」
「ふふん、まあね。冒険者をやるんだったら覚えといた方が良いでしょ? 便利だもの」
「――ま、まあ便利なのは間違いないけど。それにしても一体いつの間に……これ、もしカルア君由来だったら『報告』が必要かも」
「じゃあ次ね。ええっと……、ああ、割と近くにボアがいるじゃない!」
――あ、今やったな?
「アーシュ? ズルしちゃ駄目だよ?」
「う……分かってるわよ。つい、よ。つい! 『【収納】以外の時空間魔法は冒険者の基礎を覚えるまで使用禁止』でしょ? 分かってるわよ」
「うん、でもアーシュなら絶対すぐに覚えられるよ。何たってもの凄い努力家なのに才能だって凄いんだから。だから頑張ってねアーシュ」
「うん、がんばる……」
「ほ、ほほほっ、報告案件っ!!」
小声で頷いたアーシュの隣で急に声を張り上げるアイ。一体何事!?
「むむむ、カル師、私もがんばる」
「うん、頑張ってワルツ。さっきのナイフも凄かったよ。本番であれだけ出来るって本当に凄いと思う」
あ、思わず頭を撫でちゃった。
ワルツの頭ってちょうど手を伸ばしやすい高さにあるから、つい……
「むふふ、褒められた。やった」
「こっちもだとぉーーっ!?」
何気ない誘導で方向を指し示すクーラ先生、そして近付いてからはアイ達の指導――この素晴らしいコンビネーションでみんなは無事ボアを発見。うん、いい感じだ。
「さて、今度はどうする?」
そんなアイの問い掛けに名乗りを上げたのはネッガー。
「アーシュ、ここは俺ひとりでやらせてくれ」
「へえ、理由を聞こうじゃない」
「ああ。毛皮は傷が少ない方が高く売れると聞いた。ならば剣や魔法より素手がいいだろう?」
「へっ? 素手!?」
驚くアイの横でアーシュは納得の表情。そして――
「ああ、そういう事ね。じゃあお願いするわ」
「承知した」
ネッガーの出番。
突然目の前にネッガーが現れて、ボアビックリ。
あの速さだと、きっと本当に突然現れたように見えただろうね。
でもそこは流石野生の魔物、ブルはすぐに体勢を整えてネッガーに突進!
なんだけど……それ、【身体強化】したネッガーには通用しないんだよね。
あっさり止められ、その太い首に腕をまわされ、その突き出た鼻の辺りに手を掛けられたら……
低い音と共に首が真後ろを向いて……、ボア終了のお知らせ。
ボアを完封したネッガーを指差し、アイはクーラ先生を見て口をパクパク……
そのアイを少し悲しげな瞳で見て、そしてゆっくりと頷くクーラ先生。
クーラ先生の表情に何かを悟ったのかアイは指を下ろし視線を落とした。
――でもねアイ、ネッガーをここまで強くしたのって……そのクーラ先生なんだ。
「ボアも魔物だったわよね、確か」
そう言いながらボアを【収納】するアーシュ、その動作はもう流れるように滑らかで――
はぁ、あの滑らかな魔力操作はいつ見ても凄いなあ。真似できる気がしないよ。
「え? どれ?」
「分かり難いと思うけど、これがそう。まだそんな崩れてないから、近くにいるんじゃないかしら」
「ふーん、これがラビットの足跡なんだ。よし、覚えたわ。じゃあ最初の獲物はこのラビットね」
「そうね。ここからは出来るだけ音をたてないように静かに移動しましょう」
「分かったわ」
自分の知らない事は素直に聞いて吸収する。
簡単なようで難しい、それがちゃんと出来るアーシュは本当に凄いと思う。
この短期間で色んな魔法が使えるようになったのも、これが大きな理由じゃないかな。もちろんビックリするくらいの才能もあるんだけどね。
「――いたわ、あそこ」
アーシュが見つけたのは2匹のラビットだ。
「さて、どうする?」
そんなアーシュにアイが問いかけた。もうさっきから完全に育成モードって感じ。
「そうね……ワルツ、氷のナイフでやれる?」
「1匹なら。両方同時は、自信ない」
「オッケー。じゃあ合図で左側のをやって。右側は……ノルト、礫でやれる?」
「もちろんさ。任せてよ」
「よし、じゃあ二人とも合わせて。3、2、1、今っ」
それぞれのラビットに向けて飛ぶ氷と礫。そして次の瞬間どちらもラビットの頭部に命中し、2匹のラビットはその場に崩れ落ちた。
「へぇ、やるじゃない」
そんなアイの声と共に、みんなでラビットの元へと向かう。
「うん、どちらもちゃんと仕留めてる。じゃあ次は解体ね」
そのアイの声にアーシュは少し考える素振り。ああ、これはアレかな?
「ねえカルア、解体ってすぐにやらないと駄目?」
「動物なんかだと血抜きも必要だしその場で解体しちゃった方が良いんだけど、ラビットは魔物だから後でも構わないよ」
「そっか。じゃあ解体は後にして今は先に進みましょ。【収納】」
アーシュの声と共に姿を消す2匹のラビット、そして目を丸くするアイ。
「えっ、【収納】!? アーシュ、あなた【収納】なんて使えたの?」
「ふふん、まあね。冒険者をやるんだったら覚えといた方が良いでしょ? 便利だもの」
「――ま、まあ便利なのは間違いないけど。それにしても一体いつの間に……これ、もしカルア君由来だったら『報告』が必要かも」
「じゃあ次ね。ええっと……、ああ、割と近くにボアがいるじゃない!」
――あ、今やったな?
「アーシュ? ズルしちゃ駄目だよ?」
「う……分かってるわよ。つい、よ。つい! 『【収納】以外の時空間魔法は冒険者の基礎を覚えるまで使用禁止』でしょ? 分かってるわよ」
「うん、でもアーシュなら絶対すぐに覚えられるよ。何たってもの凄い努力家なのに才能だって凄いんだから。だから頑張ってねアーシュ」
「うん、がんばる……」
「ほ、ほほほっ、報告案件っ!!」
小声で頷いたアーシュの隣で急に声を張り上げるアイ。一体何事!?
「むむむ、カル師、私もがんばる」
「うん、頑張ってワルツ。さっきのナイフも凄かったよ。本番であれだけ出来るって本当に凄いと思う」
あ、思わず頭を撫でちゃった。
ワルツの頭ってちょうど手を伸ばしやすい高さにあるから、つい……
「むふふ、褒められた。やった」
「こっちもだとぉーーっ!?」
何気ない誘導で方向を指し示すクーラ先生、そして近付いてからはアイ達の指導――この素晴らしいコンビネーションでみんなは無事ボアを発見。うん、いい感じだ。
「さて、今度はどうする?」
そんなアイの問い掛けに名乗りを上げたのはネッガー。
「アーシュ、ここは俺ひとりでやらせてくれ」
「へえ、理由を聞こうじゃない」
「ああ。毛皮は傷が少ない方が高く売れると聞いた。ならば剣や魔法より素手がいいだろう?」
「へっ? 素手!?」
驚くアイの横でアーシュは納得の表情。そして――
「ああ、そういう事ね。じゃあお願いするわ」
「承知した」
ネッガーの出番。
突然目の前にネッガーが現れて、ボアビックリ。
あの速さだと、きっと本当に突然現れたように見えただろうね。
でもそこは流石野生の魔物、ブルはすぐに体勢を整えてネッガーに突進!
なんだけど……それ、【身体強化】したネッガーには通用しないんだよね。
あっさり止められ、その太い首に腕をまわされ、その突き出た鼻の辺りに手を掛けられたら……
低い音と共に首が真後ろを向いて……、ボア終了のお知らせ。
ボアを完封したネッガーを指差し、アイはクーラ先生を見て口をパクパク……
そのアイを少し悲しげな瞳で見て、そしてゆっくりと頷くクーラ先生。
クーラ先生の表情に何かを悟ったのかアイは指を下ろし視線を落とした。
――でもねアイ、ネッガーをここまで強くしたのって……そのクーラ先生なんだ。
「ボアも魔物だったわよね、確か」
そう言いながらボアを【収納】するアーシュ、その動作はもう流れるように滑らかで――
はぁ、あの滑らかな魔力操作はいつ見ても凄いなあ。真似できる気がしないよ。
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