スティールスキルが進化したら魔物の天敵になりました

東束末木

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第59話 冒険初日にみんながんばりました #2

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そんなドタバタが繰り広げられ、今テーブルに残っているのは姉弟子とオートカさん。そして呆然と立ち尽くしているのが、ギルマスとミッチェルさん……
あーあ、仕方ないなあ。

「ゴメンみんな、ちょっとだけ待ってて」
目を丸くしてるみんなにそう声を掛け、ギルマス達の側に行って、ぽそっと――
「僕が送りますよ」
「すまないカルア君。助かる」
「おおカルデシ、わしも頼むぞ」

――そして二人を無事ヒトツメに送り届けて。
「おまたせ。ちょっと知り合いが困ってたみたいだからさ」
「「「「「……」」」」」

――あれ? どうしたの?

「カルア、あんた【転移】なんて出来たの!? しかも二人も連れてヒトツメまで行くとか、どんだけ――」
「おおお、カル師、マジカル伝説……」

しまった、ホントうっかり……
あの人達の顔を見てたら、ついいつもの感じでやっちゃった。

「――さあみんな、急いで登録しちゃおう! ほら『僕たちの冒険はこれから始まるんだ!』ってね。さあ冒険への第一歩だ! 受付嬢さーん、今行きまーす!」
もう強引にでも先に進めよう。モリスさんモード、発動っ!!
突き刺さるみんなの視線なんて……気にしないっ!!



いきなり色々あったけど、全員の冒険者登録――そしてパーティ登録も無事完了!
パーティ名はアーシュ発案の『オーディナリーダ』で。流石アーシュ、すっごくカッコイイ響きの名前だよ!

「そういえばアーシュ、『オーディナリーダ』ってどういう意味?」
「ああ、『普通のリーダー』って意味よ。すっごくいい名前でしょ?」
訊かなきゃよかった……



「さあみんな、そろそろ気を引き締めなさい! 森へ向かうわよ」
街を出た僕達はクーラ先生に連れられて森の入り口に到着したんだけど……
あれ? あそこにいるのって――
「ちょっとアイ、あんた達どうしてここにいるのよ!?」
「何言ってるのアーシュ。あなた達を待ってたに決まってるでしょ?」

え? それってどういう事……?

そんな僕達の視線を受けたクーラ先生は――
「今日はあなた達の初めての狩りだからね。その勉強も兼ねて、アイ達との2パーティ合同訓練にしたの」
そう言って僕たちを見回した。

「みんないい? アイ達は1年前からパーティを組んでいる先輩冒険者よ。あなた達も訓練は積んできたけど、実地での狩りは今日が初めて。魔物の探し方から対処の仕方、その後の処理の仕方とか覚えなきゃいけない事は山ほどあるわ。アイ達を参考にして片っ端から覚えていきなさい。いいわね」



みんなの勉強の邪魔になるといけないから、僕は今日は手を出すつもりはない。
でも周囲の状況は把握しとかなきゃねって事で、さっきからこっそり【俯瞰】で周囲を警戒してる。
で、この辺りはどんな感じかなっと……近くにラビット、ちょっと奥にはボアとウルフか。あらら、薬草なんかは結構取り尽くされてるみたい。採取するには深くまで入って行かなきゃダメそうだ。

さて、じゃあみんなに一言――
「みんな、ちょっといい? 森では火事が怖いから火魔法とか【加熱】は出来るだけ使わないようにね。それと僕は緊急時以外は手を出さないけど、質問とかはどんどんしてね。という訳だから、今回のリーダーはアーシュよろしく」
「オーケー分かったわ」

そしていよいよ訓練開始。まずはアイが先輩らしさを見せた。
「じゃあまずはお互い、冒険者らしく自己紹介しましょうか。クーラ先生、これって合同受注の訓練も兼ねてるんですよね?」
「ええそうよ。だからまずは自己紹介からってのは正解ね。伝えるのは自分の名前とパーティでの役割くらいで、得意技とか細かいところまでは教える必要はないわ。そのあたりのさじ加減も覚えなさい」

という訳で、それぞれ自己紹介。
アイたちは前衛2人と後衛1人の3人パーティで、前衛はアイとバック。
アイは【身体強化】して剣を使うネッガーみたいなタイプだって。……もしかしてピノさんの影響とか? ファンクラブの会長って言ってたし。

バックはこのパーティ唯一の男子で、こちらも【身体強化】と剣の前衛。でも見た目は後衛タイプで、喋り方とかもおとない感じ。もしかしてノルト系?
最後はルビー。なんと障壁と回復役。こちらも何だかおとなしそうで……
ってちょっと待って。前衛二人に回復役って、実は見た目と違って結構な脳筋パーティ!?

さて、挨拶も終わったし――
「じゃあみんな、行くわよ!」
さあ森へ!
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