15 / 86
15話 瞬殺
しおりを挟む
僕は小石を蹴り飛ばした。
コッーン!
壁に反射して、小石が音を鳴らす。
するとオークたちは揃いも揃って、視線を動かすと、首ごとぐるっと回して、壁の方に近づいた。
「何もないぞ?」
「なんだなんだ」
「風だろ」
口々にそう言い合う。
するとオークの一体が、突然ぶっ倒れた。
バタン!
「な、なんだなんだ!?」
「死んでるぞ」
「いつ死んだ! いつ死んだ!」
慌てふためくオークたち。
そんな中、僕は何も持たずに、オークたちの前に現れた。
「仲間を心配するんだね。やっぱり統率が取れてるよ」
「なんだお前!?」
「どこから入ってきた!」
オークたちは慌てふためく。
各々が手に武器を持ち、僕に襲いかかった。
ガラ空きの後頭部。
打ち下ろされた、棍棒だったが、僕に到達する前に、オークのボスが叫んだ。
「やめろ、お前たち!」
「ギッ!」
オークの腕が止まる。
髪の先端に棍棒が触れていたが、確かに丈を見るのはいい。
なかなかに優れている。
見どころがあるが、敵に塩を送るなんて、いささかじゃないか。
こいつの手には、あの子から奪ったと思しき剣の鞘が握られていて、気持ち悪い手汗がびっしり。
「お前は誰だ。いつからそこにいた」
「さっきかな。それより、その剣の鞘返してよ」
「なに?」
僕は早速本題に入った。
これだけ話ができるなら、きっと話し合いに応じてくれるはず。
だけど、
「それは無理な提案だな」
「どうして? もしかして、仲間を殺したことに怒ってる?」
そりゃそうだよね。
僕は仲間を殺した。だから話し合いにも乗ってこないはず。
だけど、どうやら違うらしい。
「この剣には価値がある。それにあんな奴が一匹死のうが関係ないんでな」
「やっぱり魔物だね。じゃあもう一つ。お前たちはなんで、馬車を襲ったんだ。その剣にそれだけの価値があるなら、直接町を襲って、奪えばいい」
「そんなことか。ふん。それぐらいは教えてやるよ! 俺たちはな……」
僕の手がベルトに触れる。
すると、オークのボスは理由を口にした。
「殺したかったからに決まっているだろ。ただ奪うだけなら造作もない。だが人間は死ぬ時にいい声を上げる」
「・・・」
「それにこの剣の持ち主のエルフは高く売れるからな。それに、美しい。お前も男ならわかるだろ」
「わからないね。僕、そう言うこと一度も思ったことないんだ」
「そうか。寂しい人間だ」
話にならない。
こんなに心の奥底から、ざわめきを立てて、熱を帯びるのは久方ぶり。
しかも、僕の心の熱は、綺麗じゃない。
今汚染されているのは、胸糞悪い殺意だった。
「それにあの子供もよかったな。最後まで泣き叫んで!」
「ああ、あの骨の軋む音、最高だったな!」
「よかったよかった!」
「もっとやりたいやりたい!」
その時、ピキッと音を立てて。
次の瞬間、
シュパッ!ーー
オークのボスの首が飛んだ。
血飛沫を上げて吹き飛んだ。
ボトッと音を立てて、地面で割れ、僕の赤く狂った目をギラつかせ、オークの首を踏みつけた。
コッーン!
壁に反射して、小石が音を鳴らす。
するとオークたちは揃いも揃って、視線を動かすと、首ごとぐるっと回して、壁の方に近づいた。
「何もないぞ?」
「なんだなんだ」
「風だろ」
口々にそう言い合う。
するとオークの一体が、突然ぶっ倒れた。
バタン!
「な、なんだなんだ!?」
「死んでるぞ」
「いつ死んだ! いつ死んだ!」
慌てふためくオークたち。
そんな中、僕は何も持たずに、オークたちの前に現れた。
「仲間を心配するんだね。やっぱり統率が取れてるよ」
「なんだお前!?」
「どこから入ってきた!」
オークたちは慌てふためく。
各々が手に武器を持ち、僕に襲いかかった。
ガラ空きの後頭部。
打ち下ろされた、棍棒だったが、僕に到達する前に、オークのボスが叫んだ。
「やめろ、お前たち!」
「ギッ!」
オークの腕が止まる。
髪の先端に棍棒が触れていたが、確かに丈を見るのはいい。
なかなかに優れている。
見どころがあるが、敵に塩を送るなんて、いささかじゃないか。
こいつの手には、あの子から奪ったと思しき剣の鞘が握られていて、気持ち悪い手汗がびっしり。
「お前は誰だ。いつからそこにいた」
「さっきかな。それより、その剣の鞘返してよ」
「なに?」
僕は早速本題に入った。
これだけ話ができるなら、きっと話し合いに応じてくれるはず。
だけど、
「それは無理な提案だな」
「どうして? もしかして、仲間を殺したことに怒ってる?」
そりゃそうだよね。
僕は仲間を殺した。だから話し合いにも乗ってこないはず。
だけど、どうやら違うらしい。
「この剣には価値がある。それにあんな奴が一匹死のうが関係ないんでな」
「やっぱり魔物だね。じゃあもう一つ。お前たちはなんで、馬車を襲ったんだ。その剣にそれだけの価値があるなら、直接町を襲って、奪えばいい」
「そんなことか。ふん。それぐらいは教えてやるよ! 俺たちはな……」
僕の手がベルトに触れる。
すると、オークのボスは理由を口にした。
「殺したかったからに決まっているだろ。ただ奪うだけなら造作もない。だが人間は死ぬ時にいい声を上げる」
「・・・」
「それにこの剣の持ち主のエルフは高く売れるからな。それに、美しい。お前も男ならわかるだろ」
「わからないね。僕、そう言うこと一度も思ったことないんだ」
「そうか。寂しい人間だ」
話にならない。
こんなに心の奥底から、ざわめきを立てて、熱を帯びるのは久方ぶり。
しかも、僕の心の熱は、綺麗じゃない。
今汚染されているのは、胸糞悪い殺意だった。
「それにあの子供もよかったな。最後まで泣き叫んで!」
「ああ、あの骨の軋む音、最高だったな!」
「よかったよかった!」
「もっとやりたいやりたい!」
その時、ピキッと音を立てて。
次の瞬間、
シュパッ!ーー
オークのボスの首が飛んだ。
血飛沫を上げて吹き飛んだ。
ボトッと音を立てて、地面で割れ、僕の赤く狂った目をギラつかせ、オークの首を踏みつけた。
30
あなたにおすすめの小説
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる